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それではまた海で

携帯の写真の整理をしていたら、初めてカメラマンさんと作品撮りをした写真が出てきた。

数年前に生まれ育った愛知の海で撮ってもらったもの。

もう自分に嘘をつかずに生きたいと海に願いを放った日。

あの時よりも今、「私は私を生きている」と感じられていることを、数年経って久しぶりに見返した写真が教えてくれて、まるで過去からの手紙のようだった。

写真には文字すら書かれていないのに、あの時の潮の香りや湿度まで蘇るから不思議だ。

今まであまり「残す」ことに興味がなかったし、写真に映ることも苦手だったけれど、あの瞬間を切り取って、残してもらえたからこそ、時間を経て今確認出来たことがある。

今日は新月。
昨日の夕方、いつもの道を自転車で走っていたら、ふと何でもない日常のその瞬間がとても愛おしく感じられる自分がいた。

大波がやってきたり、凪になったり、海のように変化していく慌しい生活の中で、変わっていることすら忘れてしまうけれど、時々こんな風に過去の何かが、ふとまた巡ってきて、メッセージを届けてくれることがある。


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