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みかんづめ。
2023年4月30日 07:36
黄昏わらべ 6月2日 木曜日 午前7時10分 愛知県 夏露中学校登校道「─」 呆然と立ち尽くしていた。 取り敢えずノリで話しかければなんとかなるって思ってた。でも、違った。 そうだ。俺たちはもう幼くない。ノリだけじゃ仲は修復されない。もうすぐ大人なんだ。このまま居れるわけでもない。 歩き続けなければならない。なんとか方法を探しだして、話し合わないと。 さっき腕を
2023年5月27日 22:22
木暮葉凰 6月2日 木曜日 午後13時40分 愛知県 夏露中学校 美術室 話を聞く限り、幼馴染みとのトラブル、のようなものなのかもしれない。 時間が空き、成長し、相手のことはこの数年間一切分からない。好きだったのか、嫌いだったのか、ましては覚えていないのか。 どちらにせよ、お互い気になっていることはなんとなく分かる。 そんなに大切な幼馴染みを簡単に忘れられるわけがない
2023年6月12日 20:20
暁愛華葉 6月3日 金曜日 午前6時「─みんなー、おはよー」「、、、ん?朝、、、?」 アラームを止めて、弟妹たちを起こした。そしたら、魁斗が起きてくれた。「朝。他はやっぱ起きないね」「な。でもぐっすり寝てるのは良いことだよ」 そう言って、弟妹を起こす。 魁斗は起きるのが早いが、他の妹弟は遅い。「おーい、若葉ー、翔瑠ー」「鞠音も。遅刻するぞー」「んん、、、?うるさいよ、魁斗、、
2023年6月22日 18:04
黎明わた 6月3日 金曜日 午前7時13分 愛知県 夏露中学校の登校道 よくないよくない。 なんで隣町から中学校に通わなきゃいけないの? 絶賛、走って通わされている。 自分が通う夏露中学校は、「夏露」ってついてるくせに、実際には八季市(はつき)の冬雫町(とうだ)にあるのだ。 って言っても、学校楽しいけど。 ここら辺から夏露中に行く人は、ざっと10人くらい。他はみん
2023年7月10日 20:31
黎明わた 6月3日 金曜日 午前7時20分 夏露中学校 体育館「げ、劇はプリンセスシリーズが良いんじゃない?」「シンデレラとか白雪姫?」「そうっ!」「ありかもねぇ」 そんなことより、さっきのことを思い返していた。 気まずくて思わず逃げてきたけど、なんか話したかったのかな。 って思うとなかなか集中できない。 ─自分が思いきって逃げてきたんだ。自分を困らせ
2023年8月9日 21:21
師走わさび 6月3日 金曜日 午前8時15分 愛知県 夏露中学校 1年10組「ありがとうございました!」 日直の号令を聞きながら、私は頭を下げた。みんながありがとうございました、と言う中で一人口をつぐんで。 最近身体が重くなってきた。なんとなく。 わらべと話してから、結構気が沈んでいる。でも、明日から休み。2日休める。2日もあればきっと気力も回復する、はず。 ─
2023年8月18日 20:57
黎明さだめ 6月3日 金曜日 午後3時20分 愛知県 夏露中学校 体育館「みんな終わったか!よくやった!」 風邪からようやく復帰した、実行委員の顧問である坂ノ上先生(さかのうえ)が、自分含め実行委員を褒め称えた。「さっかー、ようやく来たんだねー」「おお、城谷(しろたに)!久しぶりだな!」 1年1組の実行委員、城谷天嶺(たかね)はふわふわとした声で先生と話し始めた。
2023年8月20日 06:50
黄昏わらべ 6月3日 金曜日 午後4時10分 愛知県 夏露町 黄昏家 わらべの部屋「─おお!」 何度も聴いていたが、俺はまた感動した。本当に、素敵な曲だ。「まずは、準備運動からか。何するか分かる?」「ん?あ、えーと、腹筋?」 感動してるだけじゃいられない。今から、あいつよ心に響くような歌を完成させるのだ。「そうだな。あと、背筋」「それだけでいいの?」 数年前まで習ってい
2023年9月7日 21:06
黄昏わらべ 6月3日 金曜日 午後4時30分 愛知県 夏露町 黄昏家 わらべの部屋「あぁぁぁぁ、、、」 息切れしながら、小さく悲鳴を上げて倒れた。 バスケを辞めて2年でこんなに体力が落ちるとは。でも、体力テストには響かなかったけどなぁ。「わらべお疲れ」 笑いながら俺の隣に座る葉凰。「ここで疲れてたら次は続くのかー?」 なっ、と思った。 多分俺、煽られてる。「まだまだ
2023年9月9日 09:38
黄昏わらべ 6月3日 金曜日 午後5時30分 愛知県 夏露町 黄昏家 わらべの部屋 、、、どれだけやっても、やはり上手く歌えない。 入るタイミングを教えてもらっても、いつの間にか遅れていってるし、音程はバラバラだし、上手くできたと思ったら歌詞が飛ぶし、もうかれこれ30分ほど歌い続けた。 葉凰がお手洗いに行っている間、この部屋には俺一人だ。 ふざけているわけじゃないし、むしろ早
2023年9月10日 06:41
木暮葉凰 6月3日 金曜日 午後5時40分 愛知県 夏露町 黄昏家 わらべの部屋 「ただい、、、ん?」 さっきまで元気だったわらべが、綺麗な体育座りで、しかも顔を伏せている。「おーい、わらべー?」「あぁぁぁぁ、、、」「大丈夫そ?」 わらべは力なく唸って、全身の力が抜けたように、膝に頬を付けた。「、、、音楽ってさぁ」「?」 小さな声で低く唸るものだから、なかなか聞き取
2023年10月13日 22:00
木暮葉凰 6月3日 金曜日 午後6時05分 愛知県 夏露町 黄昏家 リビング 「今日はありがとうございました」「いいのよ!それより、本当にご飯いらなかった?」 このまま長く居続けると、母さんに怒られてしまう。ご飯も食べてきた、なんて余計に。「はい、そろそろ門限なので」「そっか!、、、あ!」 まつりさんが何かを思い出したかのように、走っていって、戻ってきた。「これ、お
2023年10月14日 09:03
黎明わた 6月3日 金曜日 午後6時35分 愛知県 夏露町 弓道練習場「─ありがとうございました!!」 一人しかいない練習場に向かって叫んだ。「お疲れ様」 袴姿でやってきたのはあにい─灯籠真弓(とうろう まゆみ)だった。「あにい!お疲れー」 兄(あに)と兄(にい)の呼び方が合わさってあにいになった。あとは、ここら辺の方言的なのもあるらしい。「じっちゃんが白玉作
2023年10月15日 16:44
宵宮氷 6月3日 金曜日 午後7時05分 静岡県 紅無町(くれない) じいちゃんの家 ベッドに寝転がって、日記帳を開いた。今日は、このページ。 字の練習も勉強を好きにさせるのも兼ねて小学6年生から始めた。 もともとはわた、わらべ、わさび、俺でやっていた、みんなで一つの絵を描いて、一文ずつ今日のことをまとめる「絵日記」から来たのだ。 あの絵日記は、今も俺が持っていて、本棚に入って