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Rちゃんの話

大人になってから友達を作るのは難しい。

もちろん、大人になっても「オトモダチ」はできる。
趣味を通じて仲良くなった人とか、ご近所さん、ママ友?など、ある一定の距離感で仲良くできる人はたくさんいる。

そういった友人関係が悪いとは思わない。

むしろ、派閥だのなんだのと悩まされていた学生時代とは違い、スマートで、かつ自分と似たようなタイプの人と仲良くなれる、穏やかなお付き合いだと思う。
そんな人たちに、幾度となく助けられているからだ。


ただ、Rちゃんの場合は少し違う。

彼女はいわゆる【ママ友】で、市の運営する子育て支援センターで知り合った。

子育て支援センターとは、保育士や心理士、栄養士などが常駐している遊び場のこと。
大きな畳の部屋や遊具いっぱいの部屋、食事コーナーやカウンセリングルームがあり、そこに子供を連れて行って遊ばせたり、親同士で交流を深めることができる。

そのほかにも、ベビーマッサージや小児科医による講座、離乳食教室など、ほぼ毎日バラエティ豊かなイベントが企画されているのだ。
自治体によっては子育て支援センターがないところもあるので、その点では今住んでいる場所に大満足している。

わたしは夜中までワンオペ育児なので、昼間はしょっちゅう子育て支援センターに足を運び、遭遇したパパママには、割と積極的に話しかけるようにしている。
有益な情報を貰えることもあるし、単純に子育てについての共感やお喋りが楽しいからだ。

そんな中でRちゃんと出会い、話が盛り上がってそのまま仲良くなったのである。
以来、ランチをしたり、一緒に支援センターに遊びに行ったり、なにげないLINEのやりとりをしている。

Rちゃんは、わたしと同じ91年生まれ。
小柄で色白で、目がぱっちりしていて、髪はサラサラ。乃木坂46にいそうな感じの子だ。


そんな女の子らしい外見とは裏腹に、めちゃくちゃノリがいい。

わたしたちは支援センターの帰り道、いつも「いやー、今日のトーク力はまだまだだったわ」「あの場はもうちょっとこうしたら回せそうだったね」など、まるでバラエティ番組の司会者のような反省会をしながら帰っている。

Rちゃんはいつも、「なんか私…〇〇ちゃん(わたし)の前だとめっちゃ『素』だわ」と言ってくれる。
それはお互い様で、わたしもRちゃんといると、かなり『素』である。

おそらく、わたしたちはかなり気が合うのだと思う。

底抜けに明るいように見えて、実はRちゃん、かなりの苦労人だ。
だから人の痛みに気付けるし、思いやりに溢れている。
なにより【愛】を持っている人だな、と思う。

わたしは、【愛】のない人は信用できないので、そう言った人には心を開くことができない。
と同時に、少し【毒】を持っている人も好きだ。

Rちゃんにはその両方があって、一緒にいるととても面白い。
息子同士も誕生日が1週間違いなので、日々の成長をあれこれ話せるのも楽しいのだ。


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Rちゃんとバイバイしたあと、自分のテンションがいつもより高くなっているのがわかる。

この感覚、何かに似ているな〜と思っていたのだが、最近思いあたった。

それは「学生時代の帰り道」だ。

学生時代、友達と下校するだけでめちゃめちゃ楽しかった。
よく「箸が転んでもおかしい年頃」なんて言うけれど、他愛のないことで本当によく笑っていたと思う。

Rちゃんといると、そんな学生時代が蘇る。
中身があるようでないような話をし、テンションがあがって爆笑し、その上真面目な話も自然にできてしまう。

三十路女がふたり、赤ん坊を抱え、笑いさざめきながら昼間の住宅街を歩く姿は、はた迷惑かもしれないけれど。


わたしたちはママになってから出会ったけれど、不思議と少女のときに戻れるような感覚がある。
これが『素』を出せる、ということかもしれない。

と言っても、どうしても話題の中心は子供たちになる。
だからRちゃんには、noteのことや創作活動(小説を書いていること)についてはまだ話せていない。いつか話す日が来るのかな。

本人にばれたらちょっと恥ずかしいけど、Rちゃん、いつもありがとう。大好きだよ!


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