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私はドラクエもドラゴンボールも知らない

仕事で例え話をする時、年上の男性社員がこう言うことがある。

「今度の案件はフリーザ戦みたいなものだ。彼をサポートしてあげてくれ。」
「ドラクエで例えると、君は後輩にとっての村人にならなきゃいけないよ。」

こういう例えは何度もされた。20代の私からみたらギリお兄さん、ギリおじさんと言える年齢の方々から何度も言われたことがある。

はっきり言おう。なんにも分からん。

これらの作品やファンを否定したり、傷つけるつもりは全くない。
ただ、私はドラゴンボールを知らない。ストーリーも必殺技もキャラクター同士の関係も知らない。フリーザも最近までベジータだと思っていた。

ドラクエも知らない。
ゲームのストーリーも遊び方や世界観、キャラクターや登場人物も知らない。登場人物とかいるのか?自分しか出てこないのか?それも分からない。

それなのに、おじさん達はよく戦闘力がどうだとか、精神となんちゃらの部屋だとか、俺は村人であいつははぐれメタルだとか、ぼうけんのしょがどうだとか言ってくる。知らないのに。

個人的な場だけではなく、割とオフィシャルな場でもこれは使われている。
育成や売り上げに関する会議でもこの表現が使われることがある。
ビジネスについて書いたコラムなんかでも見かける。つまり、弊社以外でもこの表現は多様されているのだ。
みんな知らないのに。

そう、知らないのは私だけではない。
私に常識がないだけなのかと初めは思った。ゲームも漫画も好きだけれど、ドラゴンボールとドラクエは通って来なかった。
そんな私は異端なのかと思ったけれどそうでもなかった。

私と同世代や年下の人達は、男女問わず私と同じ反応をする。
「あの人の例え話は良く分からん」「ドラゴンボール知らないんだよね」という話はよく聞く。

良かった。私がおかしいわけではない。

なんとなく、言いたいことが分からなくはない。いきなり難しい案件だからサポートしてあげて欲しいとか、ヒントを与えてあげて欲しいとか、そういうことなのはなんとなく分かる。分かってきた。
でも、なんとなくではダメだ。例え話にしたのに余計分からなくなっていては意味がないと思う。

私だって、プリキュアやポケモンに例えて説明したいこともある。でも、伝わらないだろうと考えその表現は避ける。
ではなぜ、おじさん達はその表現を避けないのか。
きっと、両作品があまりにも有名で、おじさん達の中では共通言語のようになっているからだろう。
まさかドラゴンボールやドラクエを知らない奴がいるなんて!と思っているのだろう。
でも普通にいるのだ。
これからONE PIECEやNARUTOを知らない若者も増えるだろう。実際に今年の新卒の男性社員はONE PIECEを知らないと言っていた。
信じられないけれど、そういうことだ。きっと。



でも、営業職の同年齢の若手社員はドラゴンボールもドラクエも知っている。
彼らもその例えを使うのかどうかは知らないが、おじさんにその例え話をされても理解しているようだった。
そこから話を広げ、いい感じに盛り上げているのを何度か見た。
あまりにもこの例えをされるからドラゴンボールを全部読んだと言っていた。
営業職って凄い。本当にすごいな。

あぁ、ドラゴンボール、ドラクエに代わる分かりやすい例えが早く産まれますように。
そして何より、わざわざ例えてもらわなくても理解できる頭が早く手に入りますように。


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