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鯛そうめんという食べ方
鯛が家中にあふれている
尾頭付きの鯛を6匹も在庫している一般家庭がどれぐらいあるのでしょうか。全国で100軒ぐらいはあるのでしょうか。その人たちはどのように鯛を消費しているのでしょうか。
というのも、我が家には土曜に自分が釣った真鯛4匹、日曜夜にお向かいさんから頂いた真鯛とヘダイ各1匹ずつ計6匹があり、週末にかなり食べたとはいえ、まださばいてない真鯛が冷蔵庫で出番を待っており、そのプレッシャーたるやえげつなく、仕事に支障をきたすレベルだからです。
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寝かせるといっても3日が限度、せっかくの活〆鮮魚を冷凍するのももったいないし、あ~焦る。早く食べなければ・・・と常に頭の片隅に魚の件があり、仕事のメールを打つ際も油断すると「鯛へんお世話になっております」と鯛の文字が変換されるほど。週末に下記の通り炙りでかなり消費したとはいえ、まだまだ冷蔵庫には魚が控えています。
そんな中、自宅で仕事をしていた昼下がり、う~んそろそろ昼休憩、ラーメンでも食べに行くかと伸びをした自分の脳裏に「鯛ラーメン」というワードが浮かびました。
鯛ラーメン。よく聞く名前です。多分鯛の出汁で作った、あっさり塩味のラーメンなのでしょう。小さな切り身と食べるところのない頭が飾りで乗ってて、あおさも浮かべてありそうなラーメンです。家で昼食につくるにはメンドクサイにもほどがあります。最近ラーメン食べすぎだし。
というようなネガティブなイメージが瞬時に脳内に広がり、次いで脳裏に「鯛そうめん」というワードが浮かびました。鯛そうめん、いいじゃないか!まだ暑いし。確か台所の棚にそうめんが残っていたぞ。そうだ、鯛そうめんをちゃちゃっと作って今日の昼めしとしよう。
ということで、いざ。
言ってはみたもの鯛そうめんとは?
いきこんでみたものの、鯛そうめんとはなんだ?そんな食べ方があるのかしらん?と、まずはGoogleで調べてみると、農林水産省のページがヒット。どれどれと読むと香川県の郷土料理として存在するらしい。
「鯛そうめん」は、タイとそうめんをあしらった豪華な大鉢料理で、婚礼のトリを飾る伝統料理である。
つくり方は、塩でしめたタイを一匹丸ごと、醤油、砂糖、酒を加えぐつぐつと煮崩れないよう大鍋で煮込み、ゆでたそうめんと共に大皿に盛り付ける。婚礼の宴会では、それを座卓に載せ、讃岐伊勢音頭に合わせて、二人がかりで座卓ごと揺すりながら出すというのが習わしであった。
クックパッドのレシピとかではなく、婚礼等を祝う歴史ある郷土料理として「鯛そうめん」は存在していました。讃岐伊勢音頭に合わせて2人がかりで揺すりながら出すというくだりが気になりますが……。
とまれ、簡単に言うと、真鯛の煮つけを作り、その煮汁でそうめんを茹でる、または茹でた素麺に真鯛の煮汁を回しかけるという、シンプルかつ美味そうな、理にかなった料理法でした。
それでは、昼休みの1時間で作ってみよう。いざ!
鯛を煮つけて、そうめんを茹でる
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本来は丸ごと1尾を煮つけるようですが、昼休みに婚礼を挙げるわけではなく、一人分の昼飯をつくるだけなので、半身を煮つけます。醤油・酒・みりんを同分量ずついれ、水で濃さを調整します。そうめんのつけダレになるので少し濃いめにしました。
刻みしょうがを放り込み、飾り包丁をいれた鯛の身を入れて落し蓋をして10分ほどくつくつ煮ます。
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その間にそうめんを茹でにかかります。端をタコ糸で縛ると盛り付けがきれいにできると何かの本で読んだことがあったので真似てみました。
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地元四日市市の名物、大矢知手延べそうめんです。少し太めなので茹で時間は4分。
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茹であがったそうめんを大皿に盛り、鯛の身を置いて、煮汁を回しかければもう完成。
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おそらく全行程20分程で出来上がるのに、お祝い感がスゴイです。なんだが和装で婚礼をあげたくなってきました。
早速ずるずるとそうめんをすすると、鯛の脂や出汁が染み出た煮汁と麺が抜群に合います。麺をすする合間に鯛の身をほぐす時間も楽しい。ほぐした身を単体で食べたり、そうめんと一緒に食べたりと食べ方にもリズムが生まれ、美味しいことこの上ありません。
この鯛そうめん、氷などで冷やしたそうめんでなく、ゆであげを水道水でさっと粗熱を取ったぐらいのそうめんのが相性がいい気がしました。にゅうめんまではいきませんが、鯛の煮つけと同じぐらいほんのり温かい状態で食べるのが美味しかったです。逆に氷とか入れると鯛の煮つけが微妙になりそうな気もしました。
いずれにせよ、良い料理法に出会ったものです。もし次に婚礼を挙げることがあれば、ふるまいたいものです。
※ちなみにタコ糸でしばったそうめんの端は、固くなって茹でられてませんでした。タコ糸でまとめつつ、縛った部分も茹でられる正しい方法があるものなのでしょうか。今後の課題です。
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