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実は春が得意じゃない人、私の他にもいますか。

4月になった。
私はというと、子供を保育園に送るため強制的に6時起きになったけれど、少しずつ朝の準備のコツがわかってきて、6時半まで眠ってしまうくらいには新生活に慣れてきたかな?というところ。

今日はそんな新生活にまつわるお話。


まだ子供が入園する前のある日、昼下がりに子供と「お散歩行こー!」って玄関を開けたら、春の陽気を絵に描いたような世界が広がってた。
上着がいらないくらい日が照ってて、春の香りがするしウグイスも鳴いていて、気持ちいい!!ってなるはずの状況だったのに、どういうわけか心に引っかかりを感じてしまった。

……あれ? 春、得意じゃないかもしれないぞ?

春といえば行楽シーズン。お出かけに最適な気候だし、桜やチューリップ、新緑も色鮮やかで、陽も降り注いでいる。だから、私は春に対して世界が光り輝くイメージを持っている。
入学式、進級、入社式など新生活スタートの季節で、心機一転何かを始めたりする人も多くて、期待や可能性に満ちた眩しい季節。

でも、こんな眩しいはずの世界に立つ私は、毎年必ず違和感を覚えるのだ。

『んん? なんかソワソワするかもしれない……!!』

思い起こせば、学生時代からそうだった。
友達はできるか、担任の先生は優しいか、授業にはついていけるか、なりたい係になれるか、エトセトラ。
新しい生活が始まる時にはきまって不安になり、心がざわっとしていた。
きっと私にとっては、新生活の楽しみや期待よりも、変化や未知に対する心配の方が大きかったんだと思う。
新生活に慣れてしまうまでは、明るい世界とミスマッチな自分の心情を持て余していた。だから、春の眩しさを目にすると、あのソワソワ感を思い出して、今でも同じようにソワソワしてしまうのだ。

他の人はどうなんだろう?

実は春が得意じゃないっていう人は、自分以外にもいるのだろうか。アンケートを取ったことがないからわからないけど、「春は好き? それとも嫌い?」と質問したら、(花粉症がつらすぎる人はわからないけど)、「好き」と答える人が多いのではないかと思う。そして、きっと私も「好き」と答える。
春はけっして嫌いじゃない。それどころかむしろ好きなのだ。でも、『春のこの感じは得意じゃない』と思う瞬間がある。それはどの季節にも言えることなのかもしれないけれど。

美容師さんとの会話

4月1日、私は美容院で髪を切ってもらっていた。
もうすぐ仕事を始める私に、美容師さんが「私の姉と同じ状況です!」と話してくれた。
「休職中に二人産んだのも同じ、休職期間も同じ、具体的な復帰日は違うけれどこの四月から復帰というのも同じです。」
自分と同じ状況の人がいることに、私は勝手に励まされてしまった。

職場や社会に復帰する人だけじゃない。
会社員の転勤、部署異動もそう。部署が変わるだけで、メンバーも仕事内容もガラッと変わると聞く。迎え入れる側も、入っていく側も、慣れるまではどこか落ち着かないのかもしれない。

「今日は、日本全国で心がソワソワしている人が大勢いますね。」
「みんな勇気を出したり、頑張ったりしているんですね。」

そう思ったら、誰に対するでもなく、頑張れーーーー!!と大きなエールを贈りたい気持ちになった。

似たような人がいると伝えたい

もしかしたら、今、かつての私と同じように不安な春を過ごしている人がいるかもしれない。春というだけで落ち着かない人がいるかもしれない。

もしそんな人がいたら、これからの生活を心配している人がここにもいると伝えたい。
みんながみんな、希望に満ち溢れた春を迎えているわけではないということ。外からは見えないかもしれないけれど、心配や不安の中、踏み出す人も大勢いるということ。私もそうだということ。

それでも思うのは、できることならやっぱり、強がりでも「新しい生活が楽しみ!」って自分に言い聞かせていたいということ。
心配や不安なんていうのは、たぶん、心の中で反芻するほど増長されてしまうけど、いざその時期を迎えたらなんてことなかったりするから。
今の私も、無事に社会復帰できるか、仕事の勘は取り戻せるか、仕事と家庭の両立はうまくできるか、心身ともに健康でいられるか、そんな風に考え出したらキリがないけれど、心の中で心配事を一つずつ並べてモンスターみたいに大きくしてしまうよりは、仕事道具を新調したり、仕事と子育てをうまく両立するお母さんを想像したり、休みの日に家族で行きたい場所を調べたり、そんな風にワクワクする気持ちを抱いていたいと思う。
学生時代の私は、新生活の楽しみや期待よりも、変化や未知に対する心配の方が大きかったけれど、30代になった私はそこから一歩進んで、新生活への希望を多く持っていたいと、今はそう思う。

もし、この記事を読んでくれている人の中に、私と同じような気持ちの人がいるとしたら、ここに同じような状況の自分がいることで、ほんの少しでも励みになったらいいなぁと思う。



最後まで読んでいただき、ありがとうございます。