本がひとをつなぐ(3)-国から表彰された取り組み。
私が住む瀬戸内市には中学校が3校あるのですが、その中のK中学校では、数年前から読書ボランティアと図書委員が協働で、「ビブリオバトル」に取り組んでいます。中学生と先生、地域の人も交えて毎回和気あいあいと開催。自分のお気に入りの本を持参し、本気で紹介しあっています。
私も何度か参加させていただきましたが、自分では絶対手にとらないだろうなって思う本でも、紹介してもらうととても読みたくなるのです。本を手に取る対象の選択肢が増えましたので、世界を広げてもらえた気がします。同じ本でも、紹介者によって魅力の伝わり方が変わります。だからまさに一期一会の世界。校内ビブリオバトルを何回もしていると、卒業生が参加したり、他校の図書委員が偵察に来たりと、会そのものが成長し続けています。
偵察に来てくれた他校の図書委員さんは、率先して自分の中学校でビブリオバトルを開催していますし、K中学校ビブリオバトル実行委員会は、主体的に企画・運営を行い地域の活性化に貢献したという理由で、2016年に岡山県わかば賞を、2017年には子どもの読書優秀実践校の文部科学大臣表彰を受賞しました。本当に素晴らしい取り組みです。
話を本紹介に戻しますが、ビブリオバトルに参加する生徒たちは「読書感想文って苦手なの」って謙遜しながらも、ちゃんと5分で読める文量の原稿を用意してくるんですよね。その原稿からは、自分が好きな本のいいところを皆さんに知ってもらいたいとの気持ちがよく伝わるのです。これも承認欲求の現れなのか、はたまた「自分がいいなって思うことをシェアしたくなる人間の性(さが)」なのか。。。今年開催された「小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙」には、全国の子供たち約12万人が参加したそうです。こんな心理は小学生も持っているんだなって思いました。
※こどもの本総選挙のサイトです。
大学生だってもちろんそうです。岡山大学の大学生協の書店コーナーは、本を紹介するPOPがとても魅力的でPOPを読むだけでも楽しめます。大学生が自分のオススメ本を仲間と共有するために、POPカードつくりに積極的に取り組んでいる様です。大学生の皆さんの「読解力」や「表現力」の向上の一役を担っていると見受けられます。
そして岡山大学生活協同組合さんは毎年、『読書マラソンBest POP集』を発行されてます。大学生の間に、心に残る本を100冊読んでもらいたいとの願いがこもっています。わたしはこれを読むのが毎年楽しみで、いつも4部いただいて市内の中学校に寄贈しています。ちょっと大きいお兄さんお姉さんのオススメ本ならより一層心がときめくかな~と思いまして。
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