石田 祥子

フリーランスのライター/編集者/日本語教師 京都西陣在住。主に地場産業、伝統工芸のつく…

石田 祥子

フリーランスのライター/編集者/日本語教師 京都西陣在住。主に地場産業、伝統工芸のつくり手に関する記事企画・取材・執筆をしています。 興味関心は工芸、アート、本、言語と文化、そして猫!!

記事一覧

背伸びしても いいじゃない

かなり昔のことなんだけど、とあるお店に、ご主人所有のアンティークの棚について、取材しに行ったことがある。 行ってみたら、その棚にバカラのグラスがびっしり飾ってあ…

石田 祥子
1か月前
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黒猫氏、7歳のお誕生日 おめでとう。

先日、うちの黒猫宛に保険会社からバースデーカードが届いた。 バースデーカードには「3月1日」と記載されているが、 彼女の正確な誕生日は分からない。 7年前の5月3日、…

石田 祥子
2か月前
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さよなら、わたしのお姫様(6)

2023年10月13日、愛猫を亡くした。 16年間、一緒に生きて生活した家族だった。 前回記事はこちら。 2023年10月2日 輸液の再処方のために、病院へ。 毎回診察する必要は…

石田 祥子
5か月前
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さよなら、わたしのお姫様(5)

2023年10月13日、愛猫を亡くした。 16年間、一緒に生きて生活した家族だった。 前回記事はこちら。 人の言葉と、しぐさを読んで コミュニケーションが取れる猫だった 白…

石田 祥子
5か月前
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さよなら、わたしのお姫様(4)

2023年10月13日、愛猫を亡くした。 16年間、一緒に生きて生活した家族だった。 前回記事はこちら。 「彼女のためにしてやれることがある」 そのことが、私にとっても気持…

石田 祥子
5か月前
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さよなら、わたしのお姫様(3)

2023年10月13日、愛猫を亡くした。 16年間、一緒に生きて生活した家族だった。 前回記事はこちら。 白猫の生きた16年は、 家族各々の人生の大切なピースだった 病院から…

石田 祥子
6か月前
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さよなら、わたしのお姫様(2)

2023年10月13日、愛猫を亡くした。 16年間、一緒に生きて生活した家族だった。 前回記事はこちら。 10歳差の猫たちの追いかけっこを、 いまでも懐かしく思い出す 我が家…

石田 祥子
6か月前
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さよなら、わたしのお姫様(1)

2023年10月13日、愛猫を亡くした。 16年間、一緒に生きて生活した家族だった。 私は商業ライターで、 「ブログかnote書かないんですか」と時々聞いてくださる方もいらっし…

石田 祥子
6か月前
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背伸びしても いいじゃない

背伸びしても いいじゃない

かなり昔のことなんだけど、とあるお店に、ご主人所有のアンティークの棚について、取材しに行ったことがある。

行ってみたら、その棚にバカラのグラスがびっしり飾ってあった。わたしが、これはすごいコレクションですねって驚いたら、ご主人は、いやこれはコレクションじゃないんだよって仰ったのである。

「これは実用品なんですよ。毎日使ってるし、うちでは子どもにも使わせる。割る?割ってもいいんだよ、実用品だから

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黒猫氏、7歳のお誕生日 おめでとう。

黒猫氏、7歳のお誕生日 おめでとう。

先日、うちの黒猫宛に保険会社からバースデーカードが届いた。

バースデーカードには「3月1日」と記載されているが、
彼女の正確な誕生日は分からない。
7年前の5月3日、ゴールデンウィークの朝に出会って、
その時、動物病院で「推定生後8週」と言われたので、
雑に2か月遡って、3月1日を暫定誕生日にしているだけだ。

その日は、ゴールデンウィーク初日。小学生の娘とガラス工房の体験講座に行く予定で、楽し

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さよなら、わたしのお姫様(6)

さよなら、わたしのお姫様(6)

2023年10月13日、愛猫を亡くした。
16年間、一緒に生きて生活した家族だった。

前回記事はこちら。

2023年10月2日

輸液の再処方のために、病院へ。
毎回診察する必要はないと言われていたが、この数日の間に食欲が急に落ちてしまい、あまり食べなくなってしまったので、結局、診察室へ。

先生が首元の皮膚をつまんで脱水具合を見てくださったが「ものすごい脱水状態」だという。点滴で、足りない水

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さよなら、わたしのお姫様(5)

さよなら、わたしのお姫様(5)

2023年10月13日、愛猫を亡くした。
16年間、一緒に生きて生活した家族だった。

前回記事はこちら。

人の言葉と、しぐさを読んで
コミュニケーションが取れる猫だった

白猫氏は賢い猫で、私の意図を読んでくれる猫だった。
人間の言葉も、かなり理解していたような気がする。

ソファに座っていて、私の隣のスペースをトントンと手で叩くと、
彼女は叩いた場所に飛び乗って丸くなった。
何かを指さすと、

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さよなら、わたしのお姫様(4)

さよなら、わたしのお姫様(4)

2023年10月13日、愛猫を亡くした。
16年間、一緒に生きて生活した家族だった。

前回記事はこちら。

「彼女のためにしてやれることがある」
そのことが、私にとっても気持ちの支えだった

病院で点滴の練習をしている間は、
看護師さんが保定をしてくださっていた。

それはもう、ガッチリとした完璧な保定で、私のほうも全面的にお任せできる安心感があったのだが、同じことを自宅でできるかどうかというと

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さよなら、わたしのお姫様(3)

さよなら、わたしのお姫様(3)

2023年10月13日、愛猫を亡くした。
16年間、一緒に生きて生活した家族だった。

前回記事はこちら。

白猫の生きた16年は、
家族各々の人生の大切なピースだった

病院からの帰り道は、呆然としていて現実感がなかった。
彼女がいつかいなくなることなんか、もちろんわかっていた。

でも実際のところ、私は、
いつか来るその時について覚悟をしているようでいて、
今すぐじゃない、まだ時間がある、何と

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さよなら、わたしのお姫様(2)

さよなら、わたしのお姫様(2)

2023年10月13日、愛猫を亡くした。
16年間、一緒に生きて生活した家族だった。

前回記事はこちら。

10歳差の猫たちの追いかけっこを、
いまでも懐かしく思い出す

我が家の二匹の猫たち、白猫は16歳、黒猫は6歳だった。

若い同居猫の黒猫が遊びに誘うと、大抵は面倒くさそうに追い払うが、何回かに一度は付き合って、激しい追いかけっこをしていた。
年齢差が10歳もある二匹が互角に追いかけっこす

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さよなら、わたしのお姫様(1)

さよなら、わたしのお姫様(1)

2023年10月13日、愛猫を亡くした。
16年間、一緒に生きて生活した家族だった。

私は商業ライターで、
「ブログかnote書かないんですか」と時々聞いてくださる方もいらっしゃるのだが、ずっと仕事以外の文章を公開する場所は持っていなかった。
でも、ついに猫のためにnoteのアカウントを取ってしまった。

文章にアウトプットしなければ、私の思考は常にとっ散らかっている。
感想も、アイデアも、思い

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