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君と夏フェス!2020

お盆真っ只中。僕の休みは一日だけ。しかも誰を誘っても断られ、ボッチ休暇が決定。さてどうしたものかと思っていたのだが、月曜日に末廣亭の記事を書きながら思った。

「時間もあることだし。一人で寄席にでも行ってみるか」

寄席に行った事は一度もない。が、興味を持ってはいた。

去年読んだ鈴木るりかさんの『太陽はひとりぼっち』という本に、主人公の中学生の女の子が浅草演芸場に同級生とデートに行くシーンがある。それがなんとも微笑ましいのだ。(この本、おススメです。笑って泣いて考えさせられます)

それから今年に入って読んだ本。『しゃべれどもしゃべれども』の主人公は落語家さんだ。

そもそも今年の年始の目標は『エンタメ全般、ライブ、舞台、映画、歌舞伎、いろいろ行きたい!』だった。しかしそれもこの状況下で半ばあきらめかけていたのだが。どうやら寄席は再開しているらしい。

それならと思い、末廣亭のサイトを調べてみると。

「長いな・・・」

昼の部、夜の部とあって、昼の部は12時から16時半の4時間半。夜の部は17時から21時までの4時間。思ったより長かった。

映画なら2時間程度。4時間も座って見てられるのだろうか、最後の2時間だけ行けばいいんじゃないだろうか、と思ったのだが。

「そうか、これはフェスだ夏フェスだと思えば4時間なんてあっという間だ!」と気付いた。

ということでタイムテーブルはこちら。

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どうせ行くなら昼から行こうと、昼の部を選択。
知ってるのは、山上兄弟(てじなーにゃ)とねづっち、あと春風亭昇太くらいか。

ここまで来ると覚悟が決まって「いい席を取りたい」と思い早めに家を出る。暑く、長い一日を想定して夏フェス仕様で準備万端。

前売り券無しで当日券のみの自由席。早く行って少し並べば最高のポジションでフェスを楽しむことができるはず。

11時40分開場のところ、新宿駅には11時10分には着いていた。お昼ご飯を確保する前に、チラっと様子を見に行くと。

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「おいおいおい、もう並び始めとるやないか!アカン!」

慌てて末廣亭そばのファミリーマートに行き、サンドイッチ、おにぎり、ゼロカロリーコーラ(特保)を購入。もちろんレジ袋も購入し、いざ列の最後尾に。

だが、ふと思った。この列に並んでいる人はもうチケットを買っているのかもしれない。そこで僕の後ろに並んだ常連感を匂わせるおじいちゃんに声をかけてみる。

「あの、すいません。僕、今日初めてなんですが。チケットって後で買うんですか」
「ああ、そうだよ。ここに並んでたらいい」

よかった。親切な人だ。昼から笑いたい人に悪い人はいない。

「列はいつもこれくらいなんですか?」
「今日は多い方だね。なかなかいい人が出るから。トリは笑点の人ね」

今日の 出演アーティスト はかなりいいメンバーらしい。

しかし、暑い。

だが、これぞ夏フェス。僕は何年か前のロックインジャパンを思い出していた。

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途中、会場スタッフが検温に来る。後ろのおじいちゃんが「こんなに暑かったら、熱が上がっちまうよ」と笑う。楽しい人だ。

11時40分。いよいよ開場。列が動きだす。おじいちゃんが「すぐに切符買えるようにお金出しておきなよ」とアドバイスをくれた。3,000円。格安のフェスだ。

中に入ると、まずは手の消毒。それから席を見ると。常連組は前の方に座るようだ。よかった、空いてる。僕は一番後ろの左端に座った。


しばらく待つとどん帳が上がり。

末廣亭2020 寄席フェス 開幕だ!

と、ここから全アーティストの解説をしていくと誌面が足りないので割愛させていただきますが、ラストの春風亭昇太、すごかった。

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さすがの ヘッドライナー圧巻のステージ だった。

最初にMCが少し。

「小さい頃の柳亭小痴楽はバカで見ていて不憫でならなかった。でも、落語家という職業があって本当によかった。そんなバカな我々だが、都知事選でもっとおかしな人達を見つけた。政見放送は何を言っても自由。天下のNHKであれだけ自由に話せるなら、300万の供託金は高くないかも。引退したら出馬して政見放送で嫌いな奴の悪口を6分しゃべり倒したい」

などなど。もうここで会場大爆笑。さあ、それから『壺算』というお話。登場する人物のサイコパスぶりがものすごかった 笑

いや~、さすが。笑点のおじさんとしか認識がなかったけど、なるほど納得。

会場のボルテージは最高潮に。最後に大輪の花火が見えたような気がした。


ということで、僕の今年の夏の想い出、寄席フェス初体験記でした。

楽しかった!今度は浅草に行きたい!みなさまもぜひ。


【2020.8.12 末廣亭・セットリスト】
美よし:小町
春風亭昇羊:胴斬り
鏡味味千代(太神楽)
春風亭昇也:動物園
神田鯉栄:出世の春駒
山上兄弟(弟のみの手品)
三遊亭兼好:桃太郎
春風亭柳太郎:自分の葬式
国分健二(漫談)
春風亭昇乃進:取調中
桂小南:四人癖
D51(コント)
三遊亭遊吉:三年目
春風亭昇々:お面接
ねづっち(漫談)
柳亭小痴楽:湯屋番
春風亭柳好:紙入れ
東京B(漫談)
春風亭昇太:壺算



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