【トマトVS醤油】マラウイの食生活のリアル
はじめまして、ISAPHインターンの石川瑠菜です。
私は8月末にマラウイに到着し、3週間ほどが経ちました。今日は、インターン日記として「マラウイの食事」に着目しながら、私たちの生活について皆さんにシェアしていこうと思います。食事のお話をする前に、マラウイに初めて着いた時に、正直かなり田舎だなと感じました。
というのも、マラウイに来る前に、1ヶ月間かけて東アフリカの周辺国を回遊していたので、他国と比較をしても首都リロングウェのビルの少なさや道のボコボコ加減に驚きました。とはいえ、おしゃれなカフェや多国籍料理のお店も並んでおり、中華料理屋の麻婆豆腐は絶品でした。「マラウイ、やるじゃん!」と内心ウキウキしたのを覚えています。リロングウェを去り、ISAPHマラウイ事務所があるムジンバへ移動。道中で初めてシマを食べました。とっても美味しい。もちもちとした食感で、淡白な味ながら、どんなおかずにも合う万能な一品。日本人の口にも合うと思います。
ムジンバに到着し、慣れない一人暮らしがスタート。実家暮らししかしたことがなかった私にとって、自炊生活は初めての挑戦。料理をすることはありましたが、調味料や必要な料理器具、日本の安定したインフラが全て揃った状態と、慣れないマラウイの地で自炊をするのは天と地の差であることに気づきました。料理をしようとした矢先、早速停電に見舞われ、火が使えずパンでしのぎました。
業務も始まり、毎日フィールドに出て、ISAPHの活動の見学をしました。ありがたいことにお昼は村の住民の方からご馳走していただきました。マラウイ人はとんでもなくシマが大好きなようで、一個で私はお腹がパンパンになるのですが、2個、3個と食べて現地の人はどういう胃袋になっているの??と思うこともありました。写真を見ていただいてもわかると思いますが、マラウイの食事はかなり炭水化物に偏っています。
フィールド活動以外の日や夕食はほとんど自炊で済ませることが多いです。ただ、自炊を始めても、なぜか満足のいく味になりません。なんでだろう、と考えていたのですが「醤油」と「出汁」がないことに気づいたんです。
日本の食事は、醤油や出汁、味噌などの大豆製品で味付けされていることが多いですが、マラウイではほとんどの料理がトマトと油で味付けされています。
写真を見ていただいたらわかると思いますが、シマとの付け合わせも「トマトと卵」や「トマト味の肉」、といった場合がほとんどです。トマトが夢に出そうなくらい全てがトマト味。なので、私が滞在するムジンバはケチャップがあっても醤油やごま油、出汁が手に入らない。トマト味がまずいわけではないのですが、だんだんと飽きてくるんです。自分の生活力のなさに絶望し、家族から送られてくる美味しそうな日本食の写真を見ていると、なぜかトマトに対する怒りが湧いてきました。
心配してくれた両親が日本から食料や調味料を送ってくれると提案してくれたものの、値段を調べると輸送費で3万円、かつ届かないこともあるそう。私はトマトと塩で生き延びるしかないと決意していた矢先、救世主が現れました。ISAPHマラウイ職員の山本さんが日本からの
食料(ほんだし、そうめん、鰹節など)を分けていただきました。その時は、本当に泣きそうになりました。(ありがとうございます😭)
また、知り合いの日本人の方にリロングウェから日本円で2000円でキッコーマンの醤油を買ってきていただきました。日本では、2000円で醤油を買うなんて絶対に有りえないのですが、マラウイでは5000円でも出すと思います。醤油の大切さを痛感しました。もしこれからアフリカで生活をする方がいたら、日本の調味料を持っていくことを強くお勧めします。
日本食が手に入ったおかげで、最近はマラウイの市場で買った野菜を使いながら、醤油を使った料理にも挑戦しています。不慣れながらも、自炊生活を楽しんでいますが、生きた鶏を自分で捌いたり、庭で採れたての野菜を使ったりと、日本では経験できない食事の体験がたくさんあります。日本ならスーパーやコンビニで簡単に手に入る食材も、マラウイではそうはいきません。しかし、その不便さの中で見えてくる人間の本来の姿や、今までの生活のありがたみを実感しています。
ISAPHでは、「食」を通じた人々の栄養改善の活動を行なっており、毎回の活動で多くの学びを得ています。これからのインターン期間中、業務はもちろんのこと、自分の生活力の向上も目標にしながら全力で取り組んでいきます!
これからも様々なトピックでインターン日記を発信していく予定なので、お楽しみにしていただければ幸いです。