気になる病院や地域の病床利用率を調べる|市場調査レポート7日目
はじめに
おはようございます。医療介護データ研究所の まじめな所長 です。
先日公開した、市場調査のためのデータセットや病床機能報告のデータセットを使ったレポート作成の過程を公開しています。
今回は、病床機能報告のデータセットを使って地域の病床利用率を調べてみます。
地域の病床利用率を調べる方法
病床機能報告には、病棟ごとに「病床数」と「在棟患者延べ数」が掲載されています。図の「病床利用率」は私の方で計算して追加しました。
病床利用率は、在棟患者延べ数 ÷(病床数×日数)で計算することができます。
そのため、病床機能報告のデータを使うことで、気になる病院の病床利用率を調べることができます。
今回は、市場調査ということで地域別・入院基本料別の病床利用率を見ていきたいと思います。
病床利用率を実際に見てみる
例によって、大阪府茨木市を例にしたいと思うのですが、市単位だと病院数が少ないため、茨木市を含む三島医療圏の平均病床利用率を見てみたいと思います。
■急性期一般病棟の病床利用率
背景で灰色にしている棒グラフが全国平均の病床利用率です。オレンジ色の棒グラフが三島医療圏の病床利用率です。
特別入院基本料の病床利用率が20.5%と大きく低い一方で、13対1は86.9%で高い病床利用率であることがわかりますね。
その他の入院基本料においては、全国平均と大きなそん色はなさそうです。
■回復期リハビリ病棟の病床利用率
回復期リハビリ病棟の病床利用率を見てみると、全国平均よりも高いことがわかります。
いずれも90%を超えており、医療圏全体として高い需要があるように感じられます。
■地域包括ケア病棟の病床利用率
地域包括ケア病棟の病床利用率も79.6%で全国平均を上回っていることがわかります。
■療養病棟の病床利用率
療養病棟の病床利用率もいずれも90%を超えており全国平均を上回っていることがわかります。
4つの入院基本料・特定入院料を見てみると、三島医療圏の病床利用率は総じて良い傾向にあり、豊富な需要があることがわかります。
一方で、三島医療圏に位置していながら、病床利用率が地域平均と比較して低い場合には、何が原因なのか考えてみることが必要かもしれません。
他の地域でも調べられるように、以下で分析ツールを公開しています。
ぜひ、地域の病床利用率を調べて、分析の材料にしてみてください。
おわりに
市場調査レポートを作りますと宣言してから、だいぶ日数が経ってしまいました・・・
本当はもうちょっと短めに終える予定だったのですが・・・
もうちょっとだけまとめたいデータがありますので、今しばらくお付き合いいただけますと幸いです。
参考リンク
・市場調査レポートの作成 1日目
・市場調査レポートの作成 2日目
・市場調査レポートの作成 3日目
・市場調査レポートの作成 4日目
・市場調査レポートの作成 5日目
・市場調査レポートの作成 6日目
それではまた!
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