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【4日目】今後、患者は増える?減る?|市場調査レポート作成中

はじめに

おはようございます。医療介護データ研究所の まじめな所長 です。

先日、医療機関の市場調査に必要な基本のデータセットを公開しました。

こちらのデータを使った市場調査レポートの作成過程を公開しています。

1日目はこちら。

2日目はこちら。

3日目はこちら。

題材は「大阪府 茨木市」です。(Twitterで公募した際に、一番最初に手を挙げてくださったので茨木市にしました!ありがとうございました!)

【4日目】将来推計患者数を分析しました。

4日目は、将来推計患者数を分析しました。

基本のデータセットの以下の部分を使います。

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推計患者数は、年齢階級別の将来推計人口に受療率を掛けることで算出しています。

入院患者数の2045年までの推移をみる

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まずは2045年までの入院患者数の推移を見てみます。

大阪府茨木市の1日あたり入院患者数は、2015年では2,491人でしたが、これから増えていく見込みで、2045年には3,237人まで増加する推計となっています。

茨木市の増加がどの程度良い環境と言えるのかを確認するために、大阪府の市区町村と比較してみます。

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2015年を0とした時に、どの程度入院患者数が増えるのか(もしくは減るのか)を指数で表したグラフです。

オレンジ色が茨木市を示しており、その他の市区町村はグレーとしました。

茨木市は2045年には、2015年と比べて30%患者が増加する推計となりました。これは、大阪府の66市区町村の中で6番目に高い増加率です。

茨木市は、大阪府の中でも有力な需要増加地域と言えそうです。

外来患者数の2045年までの推移をみる

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続いて、外来患者数の2045年までの推移をみてみます。

大阪府茨木市の1日あたり外来患者数は、2015年では14,915人でしたが、これから増えていく見込みで、2045年には16,169人まで増加する推計となっています。

茨木市の増加がどの程度良い環境と言えるのかを確認するために、大阪府の市区町村と比較してみます。

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2015年を0とした時に、どの程度外来患者数が増えるのか(もしくは減るのか)を指数で表したグラフです。

緑色が茨木市を示しており、その他の市区町村はグレーとしました。

茨木市は2045年には、2015年と比べて8.4%患者が増加する推計となりました。これは、大阪府の66市区町村の中で11番目に高い増加率です。

外来患者数においても、茨木市は、有力な需要増加地域と言えそうです。

傷病分類別に入院患者数の推移をみる

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傷病分類別に入院患者の推移を示したグラフをみてみると、入院患者数が多いのは「Ⅴ 精神及び行動の障害(うすい緑)」と「Ⅸ 循環器系の疾患(濃い緑)」になります。

「Ⅴ 精神及び行動の障害」の患者数は横ばいであり、「Ⅸ 循環器系の疾患」の患者数は増加傾向にあることがわかります。

2015年を基準として指数で表すと次の通りです。

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最も増加する推計となったのは「Ⅹ 呼吸器系の疾患(水色)」で、2番目が「Ⅸ 循環器系の疾患(濃い緑)」でした。

一方、減少する推計となっているのは「ⅩⅥ 周産期に発生した病態(濃い紫色)」「ⅩⅤ 妊娠,分娩及び産じょく(ピンク色)」「ⅩⅦ 先天奇形,変形及び染色体異常(薄い紫色)」です。

高齢者以外の人口は減少していく見込みであるため、このような結果となっています。

傷病分類別に外来患者数の推移をみる

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傷病分類別に外来患者数の推移を示したグラフを見てみると、外来患者数が多いのは、「ⅩⅠ 消化器系の疾患(赤色)」「Ⅸ 循環器系の疾患(緑色)」「ⅩⅢ 筋骨格系及び結合組織の疾患(こげ茶色)」になります。

「ⅩⅠ 消化器系の疾患」は横ばいの傾向、「Ⅸ 循環器系の疾患」「ⅩⅢ 筋骨格系及び結合組織の疾患」は増加傾向となっています。

2015年を基準として指数で表すと次の通りです。

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増加率の高い順に「Ⅸ 循環器系の疾患(緑色)」「ⅩⅢ 筋骨格系及び結合組織の疾患(こげ茶色)」「Ⅵ 神経系の疾患(黄土色)」です。

一方、減少する推計となっているのは「ⅩⅥ 周産期に発生した病態(濃い紫色)」「ⅩⅤ 妊娠,分娩及び産じょく(ピンク色)」「ⅩⅦ 先天奇形,変形及び染色体異常(薄い紫色)」です。これは入院患者の推計と同じですね。

おわりに

今日は、「【4日目】今後、患者は増える?減る?|市場調査レポート作成中」と題して、基本のデータセットに収録されている推計患者数を使った分析について紹介しました。

少しずつで恐縮ですが、引き続き基本のデータセットを用いた市場調査について紹介していきますので、また見ていただけたら嬉しいです。(5日目はこちら

ちなみに今回の分析ツールはこちらで公開していますので、興味のある方は見てみてください。

また、Twitterでは引き続き市場調査希望の地域を募集しています。

最終的にはいくつかの事例を作ろうと思いますので、ご希望の方は以下のtweetにコメントください。(傾向の違う市区町村をいくつか作成しようと思っています。)

ぜひフォローもいただけると嬉しいです。

それでは今日も良い1日を。

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