【1日目】将来推計人口を調べます|市場調査レポート作成中
はじめに
おはようございます。医療介護データ研究所の まじめな所長 です。
先日、医療機関の市場調査に必要な基本のデータセットを公開しました。
こちらのデータを使って、どのような市場調査が出来るのかをお伝えするために、市場調査レポートの作成過程をアップしていきます。
題材は「大阪府 茨木市」です。(Twitterで公募した際に、一番最初に手を挙げてくださったので茨木市にしました!ありがとうございました!)
【1日目】将来推計人口を分析しました。
1日目は、将来推計人口を分析しました。
基本のデータセットの以下の部分を使います。
私はBIツールを使って分析していくきますが、同じことをExcelで行うことも出来ますので、使い方のイメージとしてご参考ください。
作成したデータの説明と読み取り方を中心に解説していきます。
BIツールの使い方などは、またの機会にご紹介できればと思います。
シンプルな推計人口で全体感をみる
まずはシンプルに推計人口を積み上げ棒グラフで表現しました。
医療介護業界では特に高齢者の人口動態が重要となりますので、75歳以上を濃いオレンジ、65歳以上を薄いオレンジにしています。
推計では、大阪府茨木市の総人口は2025年に284千人となり、人口のピークを迎えます。その後は総人口は少しずつ減少していきますが、高齢者人口は一貫して増加していきます。
総人口は減るものの、高齢者人口は増加していくことから、医療介護需要は増加していくと考えられます。
年齢階級別に人口の増加率を確認してみる
2015年の人口を基準とした場合に、どの程度増加(または減少)するのかを表したグラフになります。
濃いオレンジで示した75歳以上人口は、増加していくことがわかります。団塊の世代が75歳以上となる2025年まで急速に75歳以上が増加していきます。
その後しばらくは、75歳以上は大幅に増加することはなく、横ばいで推移します。
65歳~74歳は2020年以降、一旦減少していきます。25%程度減少しますので、思いの外大きく減少しますね。
これは、団塊の世代が、65歳~74歳の年齢区分から、75歳以上の年齢区分に移動する為です。
その後、団塊の世代ジュニアが2040年に65歳以上になるため、増加傾向となっていきます。
団塊の世代ジュニア(およそ現在の49~52歳)がたくさんいる地域といない地域では、ここで医療介護需要に差が出てきます。
茨木市は、団塊の世代ジュニアが比較的多い地域であるため、2040年以降も医療介護需要が維持される地域であると考えられます。
他の市区町村との比較をしてみる(総人口)
2015年を基準にした時に、総人口がどれだけ減少(または増加)するのかを示したグラフです。
オレンジ色が茨木市です。その他のグレーの線は大阪府のその他の市区町村です。
茨木市の総人口は2025年をピークに減少していき、2045年には、2015年と比べて約5%人口が減少します。
ただし、グラフでは上の方に位置しており、他の大阪府の市区町村と比べると、減少幅は少ない方であることがわかります。
一口に、総人口減少と言っても、日本全体の人口が減少している中ですので、悲観する必要はありません。
他の市区町村と比較して、各地域の状況を捉えることが大事だと思っています。
他の市区町村との比較をしてみる(65歳以上人口)
最後は、2015年を基準にした時に、65歳以上人口がどれだけ増加(または減少)するのかを示したグラフです。
ちなみに、65歳以上人口は、年齢区分の65~74歳と75歳以上を合計した人口です。
オレンジ色が茨木市です。その他のグレーの線は大阪府のその他の市区町村です。
茨木市の65歳以上人口は、2045年まで一貫して増加していきます。2045年には2015年に比べて35%増加します。
大阪府の中では8番目の増加率であり、医療介護需要の伸び率が高い市区町村の一つと言えます。
おわりに
今日は、「【1日目】将来推計人口を調べます|市場調査レポート作成中」と題して、基本のデータセットに収録されている将来推計人口を使った分析について紹介しました。
少しずつで恐縮ですが、引き続き基本のデータセットを用いた市場調査について紹介していきますので、また見ていただけたら嬉しいです。(2日目はこちら)
ちなみに今回の分析ツールはこちらで公開していますので、興味のある方は見てみてください。
また、Twitterでは引き続き市場調査希望の地域を募集しています。
最終的にはいくつかの事例を作ろうと思いますので、ご希望の方は以下のtweetにコメントください。(すべて対応できるかはわかりません・・・)
フォローもいただけると嬉しいです。
それでは、今日も良い1日を。
記事を読んでくださりありがとうございます。読んでいただけることが励みになります。もしサポートいただけましたら、研究活動に使わせていただきます。