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140字小説【ただそこにいる】

今日も彼はボーっとしながら下を向いている。あだ名はゼンマイ、繊細な僕の親友だ。昔から突然動かなくなる事があった。まるでゼンマイ仕掛けの人形のように。ある日彼は呟いた「もう巻きたくない。巻く意味がない」そして黒塗りの硝子の箱に籠った。僕は火の灯った小さな蝋燭を持ち、隣に座っている。

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