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140字小説【右へ】

私は一時間ほど登山道を進んだ所でY字の分岐に差し掛かった。左は「この先、行き止まり」の立札がある。私の前を歩いていた男は迷うことなく左へ進んだ。「あの!そっちは行けるんですか?」声を掛けると男は振り返った。「崖なので行けません…あなたは右に進んで」それが繊細で優しい夫との出会い。

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