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ショートショート

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隙間時間にサクッと読めて、落ちを楽しめるのがショートショートの魅力です。
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2022年2月の記事一覧

SS【とりもどした笑顔】

ぼくは久しぶりに図書館へやってきた。 本は好きだが図書館で読むのは数年ぶりだ。 かなりの…

12

SS【ドキドキ面接官】

長年勤めていた会社は倒産し、ぼくは新しい仕事を探していた。 ぼく一人なら安い給料でもなん…

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SS【ぼくの生きる道】

ほぼすべての国を巻き込んだ最終戦争のあと、人々は三つに分かれた。 方舟の中に住む者。 荒…

7

SS【悪魔召喚】

ぼくが中学生になってすぐにおじいちゃんが亡くなり、本を読むのが好きなぼくは形見分けで沢山…

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SS【ぼくのいる世界】

この世界は仮想現実である可能性があると、化学の先生が言っていた。 自分の意思で動いている…

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SS【出口の無い迷路】

小学三年生の夏休みになると新しい父親がやってきた。 私の本当のお父さんは塩分の多い食べも…

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SS【ゴールド層を夢見て】

この世から現金が消え、お金がすべてデジタルデータとなった近未来。 国民はそれぞれの総資産によって層分けして呼ばれ、お金を愛する者たちは皆、もっとも高い層であるゴールド層を目指した。 資産が一億を超える人たちはゴールド層。 五千万を超える人はシルバー層。 一千万を超える人はブロンズ層。 五百万を超える人はアイアン層。 それに満たない人や、その日暮らしの人たちはウッド層と呼ばれ、お金を稼ぐために一日の大半を使った。 層が上がれば利用できるサービスが増え自由時間が増え

SS【転生】

ぼくは久しぶりに死役所へとやってきた。 前回来たのは他界したばかりの時で、五十年前くらい…

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SS【四人の犯罪者】

四人が話をしている。 最初にミユキが口を開いた。 「あの男、ワタルだけは許せない。あいつ…

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SS【ラーメン女】

観察力に優れたぼくは万引きGメンのバイトをしている。 万引き犯を見つけるのには慣れている…

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SS 【鏡】

最近どうも調子が変だ。 部屋でくつろいでいる時、薬をやっているわけでもないのに聞こえない…

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SS【浮遊】

夢の中で空を飛ぶ感覚に似ているだろうか。 私は広い空を自分の意思で飛ぶことができる。 鳥…

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SS【となりの彼女】

私は今、歩道の隅で椅子に座り数取器をカチカチと押している。 数取器とは交通量を調べたりす…

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SS【真夜中の巡回で見たもの】

定年を迎え、これといった趣味もない私は、最近できたばかりの美術館で働くことにした。 たいした給料も貰えないが、身体の負担も少なく人間関係に悩むような環境ではない。だから私には合っていた。 ただ最近気がかりなことがある。 美術館から半径三キロ圏内で殺人事件が起きたのだ。 私は人気の無い夜の警備も任されていたので不安があった。 暗く誰も居ない館内をライト片手に巡回する。それ以外は警備員専用の部屋で、無数にある監視カメラの映像をチェックする。 私が美術館で働くようになっ