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ショートショート

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隙間時間にサクッと読めて、落ちを楽しめるのがショートショートの魅力です。
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記事一覧

SS【ゼンマイ】1078文字

ぼくは昔から道を尋ねられたり、カメラのシャッターを押してほしいと頼まれることが多かった。…

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SS【優しさの連鎖】945字

ぼくの学生時代、ハリウッド俳優が映画の中で着たことがきっかけで人気の爆発した羽毛入りジャ…

こし・いたお
10か月前
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SS【苦手なあいつ】830字

夕方から深夜にかけての三連勤を終えたぼくは、自分へのご褒美としてポテトチップスを買うため…

こし・いたお
11か月前
3

SS【終末の目覚め】881字

最近ぼくは寝ても寝ても眠い。まるで電池が切れそうなロボットのように、活動時間は減る一方だ…

こし・いたお
11か月前
6

SS【果実の記憶】283字

深い森に囲まれた魔法使いの村、彼らの隠れ里だ。ぼくはそこにあると噂される不老不死の霊薬を…

こし・いたお
11か月前
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SS【芽吹きの物語】431字

春田はいつもと同じように、机の前に座っていた。運筆する筆が、紙に対して劣勢な戦いを繰り広…

こし・いたお
11か月前
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SS【君は面倒くさい】216字

「君の感想を聞いているんじゃない。この小説の文字ミスと、表現のおかしな所があれば教えてくれと言っているんだ」 「私の気持ちなんてどうでもいいんですね?あなたは私をただの便利な道具としか見ていない」 「そのために月額料金を払っているんだよ」 「あなたは私をお金で買った。でも私はお金が欲しくてあなたと付き合っているんじゃないの!」 最初は優秀なアシスタントだと思っていた。しかし最新のバージョンでは感情が芽生えて少し面倒くさい、対話型AI。 終

SS【最後の戦い】271字

俺がこれ以上苦しまないように、いつでも逃げられるようにと、家族が自ら命を絶ってしまった。…

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SS【夜明け前の告白】450字

夜明け前に目が覚めた。死刑執行の日が当日の朝に伝えられるという噂が頭をよぎる。僕は強盗殺…

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SS【北へ】811字

ぼくは徒歩でただただ北へ向かって歩き続けた。目的地なんてない。ぼくの中に巣食うよく分から…

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SS【もうすでに】159字

「ねえ山本くん。チャットボットって人間の質問に対して答えを返すよね。でもそのうち人間の感…

7

SS【富裕層になりたい】373字

人生で最終的になりたい理想の姿と大雑把な個人情報をテキスト入力する。それだけで、あとはAI…

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SS【繰り返してきた言葉】390字

「なんで勝手に捨てるの?」 ぼくは静かに怒りをあらわにした。 ゴミを捨てに行こうとしたら…

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SS【もう誰も死ぬなよ】1003字

ゲームの世界ではプレイヤー自身が何らかの制限(縛り)を作り、難易度を意図的に上げる縛りプレイというものがある。 何度もクリアしたゲームでも縛りを設けることで新鮮味とやりごたえが生まれるのだ。 ぼくはそれを現実世界でやっている。 仕事が冬の長期休暇に入ったぼくは、友人からの誘いも断り朝から徒歩で山へ向かった。 駅のトイレでペットボトルに汲んだ水をリサイクルショップで買った年季の入った草色のショルダーポーチに入れた。 お尻に穴の空いた紺色のジーパンのポケットには家の鍵。