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〜 六花 〜







物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
ストーリーは、一つではなくどんどん増えていくもの、これからのストーリーを作るのは、あなた
あなただけのストーリーを楽しんで行って下さい♡
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪


〜 六花 〜

真っ白に広がる景色は、陽の光を浴びて、より輝きを増す
キラキラと宝石のように眩しい六花
白いふわふわの真新しい雪の道を、ゆっくり踏みしめながら進む君の後ろ姿に、僕は見惚れる
君は、僕を惹きつけて離さない
そんな僕の気持ちを察したかのように
くるりと振り返り小首をかしげる君
『ふふ。何、見てるの?』
後ろ向きに歩く君は、フッと笑いながら僕に話しかける
『さぁね』
『なに?そんな勿体ぶるものなの?』
『そうだなぁ。君が後ろを振り返るのを待ってたよ』
『はぁ?なにそれ?はは。変なの』
『変とは心外だな』
『あはは』
君は、もう一度にっこり笑い、前を向いて歩いてゆく
·
道の両脇には、大きな木が行儀よく立ち並ぶ
冬の間は、この道は車は入ってこられない
まぁ、それがなぜなのかは僕には分からない事だが
フォトスポットになりつつある、白い真っ直ぐの道を、地元の僕たちも観光客のように歩いてゆく
デートにも最適な場所でもあるのだ
周りにある田んぼや畑が、温かく恋人達を歓迎している
僕の先には君がいるので、きっと歓迎されていることだろう
先をゆく君は立ち止まり、静かに振り向いた
『ねぇ?私、一人で歩いてるんだけど?』
そう言いながら、頬を少し膨らます
そして右手を少し僕の方へ差し出す仕草をしようとして、すぐさま引っ込めた
『だって君が先に歩いていくんじゃないか。僕は一緒に歩きたいんだけどな』
『うっ。また、そんな軽率な発言をする』
『軽率?僕は素直に伝えただけなんだけど?』
『何か、そういうのズルくない?』
『じゃあ、君も素直に言えばいいだろ?で。どうしたいの?』
僕は、少し意地悪を言って口角をあげた
『だって』
『だって、なに?そうだなぁ。どうされたい?って聞いた方が良かったかな』
僕は、スッと前に進み、コートの上からでも分かるくらいの細い腰に、左手を回しグッと自分の方へ君の身体を寄せた
戸惑う君は、少し赤い顔をしながら僕を見上げる
『で?どうされたい?』
『な、な、なんか違う!』
『違う?じゃあ、これかな?』
面白くなってきた『俺』は意地悪な目つきに、甘いバニラを垂らす
細い腰を抱く手を少し緩めながら、今度は右手で君の頬をなぞり親指を唇に沿わしたところでおあずけをくらう
『ちょっ、ちょっ!!ちょっと!!!ストーーーープっ』
『なに?』
『な、なに?じゃないよ。まってまって。違う』
『くすくす』
『からかってるでしょ』
·
君は、頬を少し膨らませる
僕は両手をあげて、軽くごめんと言って笑う
そして、君の右手を取り指を絡ませ手を繋ぐ
『怒った君も可愛いから、大好きだよ』
『もう。本当にあなたは・・・』
『あなたは?』
『ううん。何もない』
『あなたは、私の虜。だろ?』
『自分で言う?はは。でもね・・・私も、あなたの虜だよ?』
キラキラと輝く雪の光に照らされた君は、より美しく僕を魅了する
『俺』は、やっぱり我慢出来なくて、繋いだ手を引っ張り俺の身体に引き寄せ抱き締めた
見上げる君の頬に右手を添えて、そっと唇を重ね合わせた
あぁ。君は・・・六花は、僕を惹きつけて離さない
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