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《創作大賞2024・恋愛小説部門》「Hydrangea」第0章 あの日の約束 第1話 はるちゃんとうづき

【あらすじ】
幼いころから「先生になる」という夢を持っていた水嶋晴花は、この春晴れて教師となった。
自分の理想の教師像を目指し、受け持ったのは高校三年生の副担任。
そこには、晴花にとって特別な存在である夏野雨月がいた。
しかし、校内で見る雨月はいわゆる問題児で、クラスメイトからは「根暗で、じめじめしていて、カタツムリみたいなやつ」と言われ、クラスで唯一浮いている男子生徒だった。
高校生活最後となる今年は、雨月にとって記憶に残るものにしてあげたい。そう考えた晴花は一生懸命に雨月を楽しませようとアイデアを出すのだが、それが裏目に出てしまい――。

ちょっと頼りないけどがんばり屋さんの新任教師・晴花と、地味で根暗で陰気くさくて友達のいない生徒・雨月の、すれ違いを描いた甘くてほろ苦いお話です。


第0章 あの日の約束

第1話 はるちゃんとうづき

 うづき、聞いて。
 わたしね、学校の先生になるのが夢なの。
 みんなにお勉強を教えるの。
 ずっと小さい頃からの夢なんだ。
 うづきの夢は、なあに?

 ぼくはね、はるちゃんをおよめさんにしたい。
 はるちゃんをおよめさんにするのが、ぼくのゆめ。
 はるちゃんのことが、すきだから。
 
 わたしのこと、好きなの?

 うん、すき。だいすき。
 いつもぼくをたすけてくれるから。
 でもね、たすけてもらってばかりじゃ、かっこわるいでしょ。
 だから、おおきくなったら、ぼくがはるちゃんをたすけてあげるんだ。
 だからはるちゃん、いつかぼくのおよめさんになってくれる?

 うづき、かわいいね。
 うん、わかった。いいよ。
 それじゃあわたし、うづきのお嫁さんになる。
 大きくなったら、うづきと結婚する。
 だから、わたしを守ってね。

 ほんと?
 やくそくだよ。
 ぼく、ぜったいはるちゃんをむかえにいくから。
 わすれないでね。

 うん、忘れない。
 待ってるよ。
 約束だね。

 うん、やくそく。

 ――うづき、大好きだよ。


続きはこちら↓


第0章 あの日の約束
  第1話 はるちゃんとうづき(https://note.com/irohanet67/n/n423a03641dc1

第1章 ひとりぼっちのカタツムリ
  第1話 いわゆる問題児(https://note.com/irohanet67/n/na081fcf08d04
  第2話 地味で、根暗で、じめじめしてて(https://note.com/irohanet67/n/nd0b66d1474c4
  第3話 不機嫌な彼(https://note.com/irohanet67/n/ne0a032afe9de

第2章 雨の月
  第1話 幼なじみ(https://note.com/irohanet67/n/ncacece829041
  第2話 ちゃんと先生らしかった(https://note.com/irohanet67/n/n0573b2032bc5
  第3話 今も、むかしも(https://note.com/irohanet67/n/n22a1543ccc05
  第4話 そっとしておいて(https://note.com/irohanet67/n/n3eaa24f7fdef

第3章 全部、雨月のため
  第1話 扱いにくい生徒(https://note.com/irohanet67/n/neeacec1859f2
  第2話 屋上でのひととき(https://note.com/irohanet67/n/n87cb974b590e
  第3話 先生としての提案(https://note.com/irohanet67/n/nf5a9a4c930bd

第4章 ひとひらの葉
  第1話 覚えておいてね(https://note.com/irohanet67/n/n536e5286be82
  第2話 宣戦布告のキス(https://note.com/irohanet67/n/n7104d21d7ea1
  第3話 最初から頼んでない(https://note.com/irohanet67/n/n27ab95115d3f

第5章 仲直りのおまじない
  第1話 恋わずらいなんて(https://note.com/irohanet67/n/n6bc760754d08
  第2話 もっとずっとつらいこと(https://note.com/irohanet67/n/n6d6a90529ca3

第6章 無自覚な恋
  第1話 好きな子に言われなきゃ(https://note.com/irohanet67/n/n549ac3f4938b
  第2話 もしかして、(https://note.com/irohanet67/n/n2ca94744cd8c

第7章 祭りの翳りに降る霖雨
  第1話 認めてない(https://note.com/irohanet67/n/nabd5436dce68
  第2話 ひとりでいるほうが(https://note.com/irohanet67/n/n9f8c927c6a68

第8章 白羽の矢
  第1話 消えた売り上げ(https://note.com/irohanet67/n/nc381e94ce32e
  第2話 笑っていてほしい(https://note.com/irohanet67/n/nd83fefcbdde9
  第3話 勝負の行方(https://note.com/irohanet67/n/n1bf4c4d4e1dd

第9章 ハイドレンジア
  第1話 幼い日の記憶(https://note.com/irohanet67/n/n0e88fcb48ebb
  第2話 近くで笑っていたい(https://note.com/irohanet67/n/ncb1a56f89f12
  第3話 太陽とあじさい(https://note.com/irohanet67/n/n17bd6324da7b

番外編
  春を待つ(前編)(https://note.com/irohanet67/n/ne1f447982703
  春を待つ(後編)(https://note.com/irohanet67/n/n6e40b581aff4

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