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ASKA

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ASKAに関する音楽レビューをまとめています。
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#音楽レビュー

ASKA「誰の空」レビュー

ASKA「誰の空」レビュー

私がASKAのオリジナルアルバム『Wonderful world』の中で、シングルで発表してほしかった曲が「誰の空」だ。

なぜなら、ASKAのこれからの音楽活動への決意とASKAの音楽そのものを歌にしているから。
メロディーや詞にほとばしる情熱を感じる名曲でもある。

ASKAは、この曲について、インタビューで次のように語っている。

そんなASKAの想いが込められているからこそ、強く共感してし

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「だからって」(ASKA)レビュー ~勇敢と臆病が行き交う裏に込めた想い~

「だからって」(ASKA)レビュー ~勇敢と臆病が行き交う裏に込めた想い~

昨年の11月から私の車では毎日、ASKAのアルバム『Wonderful world』が流れ続けている。
どの楽曲も魅力的なのだが、最近特に魅力を感じるのが「だからって」だ。
アルバムの中ではかなり地味な部類の楽曲なので、発売当初は、さほど印象に残っていなかった。だが、毎日聴いているうちに、この楽曲が心に訴えかけてくる力に魅了されるようになった。

ASKAがアルバム発売時のインタビューで、この曲は

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ASKAニューアルバム『Wonderful world』レビュー後編

ASKAニューアルバム『Wonderful world』レビュー後編

08.それだけさ

ASKAは、自らの内面をずっと歌いつづけてきたシンガーソングライターだ。
この楽曲は、自らが作詞・作曲・編曲・歌唱を務める純粋にASKA自らがすべてを生み出した作品である。

それだけにASKAの内面が鮮明に映されている。
この楽曲は、「君」に対して歌っているが、創作としてのラブソングとして聴ける反面、「君」をASKAの身近な人々やファンとしても聴ける。

ASKAがSNSを開

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ASKAニューアルバム『Wonderful world』レビュー前編

ASKAニューアルバム『Wonderful world』レビュー前編

01.太陽と埃の中で

オリジナルアルバムの1曲目にセルフカバー曲を持ってくるのは珍しい。
ASKAは、アルバムの広がりにつながると直感し、この曲を1曲目にしたという。

原曲とは大きく異なるアレンジだ。澤近泰輔によるピアノ演奏と頭サビで始まるのは、ライブで歌うことを意識した構成らしい。

今年、テレビ番組で披露し、iTunesシングルランキング8位を記録しただけあって、楽曲に絶大な力がある。

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ASKAシンフォニックコンサート名古屋公演配信の視聴レビュー

ASKAシンフォニックコンサート名古屋公演配信の視聴レビュー

※楽曲のネタバレはありません。

ASKA『GET THE CLASSICS Premium Symphonic Concert 2022』レビュー

「新しい自分の音楽、自分の世界、ライフワーク」

ASKAが『Premium Symphonic Concert 2022』の名古屋公演で語った言葉だ。

ASKAが2004年に初めてシンフォニックコンサートを経験し、2007年でCHAGE and

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日本で最も誹謗中傷を受けたアーティストASKAの心境を映す歌

日本で最も誹謗中傷を受けたアーティストASKAの心境を映す歌

過去のテレビ、ラジオ、新聞、電話、手紙。
現在のYouTube、TikTok、Twitter、インスタ、ネットニュース、ブログ、Facebook、LINE。
ここ10年ほどで情報取得、情報伝達の手段が増えて、大きく変わりました。

それとともに、誹謗中傷が話題になることも大きく増えました。
今月、青汁王子や中日ドラゴンズ福敬登投手への誹謗中傷がニュースとなりました。
ASKAさんも青汁王子の件につ

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ASKA「FUKUOKA」の衝撃から丸5年

ASKA「FUKUOKA」の衝撃から丸5年

 思えば私は、1991年から30年間、ずっとASKAさんの音楽とともに歩んできた。そんな私がどうしても忘れられない1か月間がある。

 それは、日本中が大騒ぎになった2016年11月下旬から12月下旬にかけての出来事。期待から絶望、そして、混乱の果てに訪れた感涙の軌跡だ。

 2016年11月、ASKAさんは、コンプライアンスの壁を何とか乗り越え、ニューアルバム完成を間近に控えていた。
 11月2

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ASKA初オンラインライブ開催の最大の理由は菅沼孝三への感謝だった

ASKA初オンラインライブ開催の最大の理由は菅沼孝三への感謝だった

当初、通常ライブのクオリティーを届けられない、とASKAさんが頑なに開催をしてこなかったオンラインライブ。

しかし、2021年6月23日、突如開催。

しかも、ライブタイトルが『すべての事には理由がある』。

前言を撤回してまでのオンラインライブ開催ですから、このライブタイトルは、いろんな憶測を呼びましたね。

私も、一体どんな理由が隠されているのだろう、と探るブログ記事を作りました。

しかし

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ASKAさんが世の中に与え続けているものの本質に迫る企画『点光源』

ASKAさんが世の中に与え続けているものの本質に迫る企画『点光源』

今週は、ASKAさん公認の人気ライターs.e.i.k.oさんの超人気インタビュー企画『点光源』に登場させていただきました。

『《点光源 #7 》 応援のプロは、この社会を豊かにする。』

この『点光源』は、ASKAさんも楽しみにしている、と公言されているほどですから、完成度はお墨付きです。

私も、インタビューを受けてみて、s.e.i.k.oさんのインタビュー力に驚き、仕上がった作品の文章力にも驚

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ASKAニューシングル「笑って歩こうよ」レビュー

きっとASKAさんのファンは、繊細な人が多い。
痛めた心、沈んだ心に寄り添ってくれる温もりと癒しを感じさせてくれる楽曲が数多くあるからだ。

「笑って歩こうよ」も、そんな楽曲である。

イントロ、Aメロ、Bメロと切ないメロディーが続く。
コロナ禍の中、先が見えない不安と孤独にさいなまれる感情を表現する。

私も、コロナ禍になってから、慣れないステイホームやテレワークで心身のバランスを崩し、さらには

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ASKA初オンラインライブから理由があるすべての事を探ってみた

ASKA初オンラインライブから理由があるすべての事を探ってみた

ASKAさん初のオンラインライブ『すべての事には理由がある』、最高でしたね。

ASKAさんがオンラインライブを開催した理由として、ライブ会場に来られない人もいるから、というのを挙げておられたのが強く印象に残りました。私自身が今年、病気で1か月以上会社を休み、制限された生活を送っていたせいもあったから。

コロナ禍の中、病気になる人も多く、高齢者の方と暮らしているから自粛とか、医療従事者だから自粛

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ASKA「はじまりはいつも雨」30周年 今こそ語りたい編曲革命とピカルディ終止

ASKA「はじまりはいつも雨」30周年 今こそ語りたい編曲革命とピカルディ終止

1.発売30周年記念日に『「はじまりはいつも雨」を語ろう』企画2021年3月6日は、ASKAさんの名曲「はじまりはいつも雨」発売30周年記念日。

Fellowsの間でASKA公認ライターと評されているs.e.i.k.oさんが2021年3月6日に『「はじまりはいつも雨」を語ろう』というお祭り企画を立ち上げた。

もちろん、私も、微力ながら参加させていただきたい。

1991年3月6日の発売から30

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Cメロは、名曲を神曲へ引き上げる

Cメロは、名曲を神曲へ引き上げる

そういえば、今年はまだ特集ものをやっていなかったのですが、ふとCメロ特集っていうのをやってみようと思い立ちました。

きっかけは、最近、作曲家ツイタチさんの記事『【ツイタチ選】26歳の僕が選ぶCメロが印象的な曲・5選』を読んだから。

ここで、ASKAさんの「風の引力」とCHAGE and ASKAの「めぐり逢い」が選出されていたんです。

「風の引力」は、Cメロに転調・1番グッとくる歌詞・最高音

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ASKAサプライズ『ありったけ』ツアー映像全曲公開!(後編)

ASKAサプライズ『ありったけ』ツアー映像全曲公開!(後編)

 「いろんな人が歌ってきたように」を歌い終えると、ここで恒例となった「もぐもぐタイム」。今回のライブでは、ライブの休憩時間にASKAがメンバーと一緒に、ステージ上でその地域の名物を食べる新コーナーができた。
 観客のトイレ休憩時間も、エンターテイメントにしてしまうASKAのアイデアには脱帽である。

 続くメンバー紹介では「手数王」こと菅沼孝三の超絶プレイを見られたのも嬉しい。最近のASKAソロの

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