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箱男
2024年4月13日 20:57
中上健次に『十九歳の地図』という小説がある。主人公は19歳の予備校生だが、とっくに大学進学をあきらめており、ほとんど予備校にも通っていない。主人公は新聞少年でもあり、新聞を走って配って生計を立てている。配達員の寮で暮らしており、日中そとの光の入らない週刊誌や食べかすの散らかった部屋で、寝汗と精液で湿気たふとんで眠っている。少年は物理のノートに配達地区の地図を描いて、贅沢な家で温かいふとん
2024年3月23日 21:02
「え? いま中学3年じゃろ。っていうことは、尾崎の『卒業』も知らん世代なんじゃ。カワイソ」と言ってきたのは、当時、家庭教師だった大学生の男である。その年のお正月のSMAPドラマ『僕が僕であるために』や、小学6年のころの野島ドラマの主題歌『OH MY LITTLE GIRL』で尾崎豊は知っていたが、それ以外の曲は知らなかった。のちに高校生になってからいっとき尾崎にハマったが、好きだったのは『