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大転換期のウェブメディア ④ウェブメディア大量閉鎖の衝撃その1
前々回の補足
この連載の第2回目で、ウェブ広告による収益化が困難になりつつあるという話を書いたが、年度の切り替わり以降の動向を見ていて、その傾向はほぼ間違いない傾向であるとの想いを強めている。
ところで、その連載第2回目の記事内で広告枠の大量設置が広告単価を下げている要因という説があるということを書いたが、筆者がよく記事を読ませていただいている境治氏がその点について言及されていた。
この記事
Googleの3rd Party Cookie規制またまたまた延期
Googleの3rd Party Cookie(3PC)規制が3たび延期となった。
英国の競争・市場庁(CMA)との調整に時間がかかることが大きな要因のようだが、これは3PC規制に対するGoogleの目論見が規制当局によって弾かれているということである。上記の記事から一部引用する。
どうやら、3PC規制の代わりとして用意しているPrivacy Sandboxが、まだGoogleにとって有利なも
(毎日新聞)USAトゥデイ運営会社がGoogleを提訴
やや古い記事になるが、USAトゥデイ運営会社がウェブ広告の収入減はGoogleが独占禁止法に違反しているからだとして同社を提訴したという記事。
Googleの独占が価格競争をなくして価格影響力を強めているという主張はあっているだろう。近年は戦争や紛争などが広告市場に影響を及ぼしているというように考えていたが、独占市場のメカニズムという視点から見ても広告単価の低下は説明でき、ここは頭に入れておくべ
大転換期のウェブメディア ③法規制
強制力のある規制
そもそも今回の3rd Party Cookie(3PC)規制、つまりGoogle Chromeにおける3PC利用の規制は、ヨーロッパにおけるGDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)による、法的規制が主たるきっかけだ。
詳細は上記の個人情報保護委員会のウェブサイトを参照して欲しいが、大まかに言うと、ユーザーの承認なしに
大転換期のウェブメディア ②収益化はもはや困難な時代に
前回はGoogle Chromeでの3rd Party Cookie(3PC)規制とそれに伴う事象の概観を述べたが、今回は一歩具体的な話に踏み込む。ウェブメディアにとってまさしく死活問題となる収益化について考えを述べてみたい。
収益化は極めて困難になる恐れも
まずは、そもそものウェブメディアの収益手法について簡単に見ておこう。一般的にはユーザーに対して無料で情報を提供する代わりに広告を掲載して
大転換期のウェブメディア ①3rd Party Cookie規制というパラダイムシフト
ウェブメディア運営の大転換が訪れる
2024年秋、Google Chromeにおける3rd Party Cookie(3PC)規制が開始される。これは過去に2度ほど延期されていたものであるが、今回はほぼ間違いなく実施される。本稿執筆時点の2024年3月現在、またもや延期ではないかという楽観的な見方があるが、これは楽観的に過ぎる見方と言ってよい。なぜなら、これはGoogleという企業単体の話ではな