令和OLの御簾の内
生きる時代を一文字間違えた女 はあ〜〜、平安時代の姫君になって文のやりとりしてえ〜〜! ーー突然だが、これが私の口癖である。 豊かすぎて重たく見えがちな黒髪、社…
就職活動をしていたころ、採用担当の方が飲み物を出してくださることが多々あった。 それは緑茶だったりコーヒーだったり、ホットだったりアイスだったりさまざまで。 どれ…
どうして物語が好きなんだろう思えば私は、昔から物語が好きだった。 きっかけは分からない。 両親は文芸に興味がなく、家には父の趣味である車の雑誌か、母がかつて使っ…
2023年4月3日 23:02
生きる時代を一文字間違えた女はあ〜〜、平安時代の姫君になって文のやりとりしてえ〜〜!ーー突然だが、これが私の口癖である。豊かすぎて重たく見えがちな黒髪、社内のチャットで突然に和歌を詠みだすほどのユーモア、そこはかとなく美麗な筆跡。悲しくもお胸のあたりがささやかな肉体は、体を寸胴に近づけんとする和服の思考にぴたりフィットする。さらに平安時代なら、逢坂の関を越すまで御簾越しで顔も知ら
2021年5月6日 18:46
就職活動をしていたころ、採用担当の方が飲み物を出してくださることが多々あった。それは緑茶だったりコーヒーだったり、ホットだったりアイスだったりさまざまで。どれがいいか訊いてくれる会社もあれば、すっと自然に出してくれる会社もあった。そして私は、コーヒーが飲めない。大学時代、カフェでアルバイトをしていたくせに、コーヒーが飲めない。※余談だけれど、コーヒーの匂いは大好きだ。コーヒー豆の袋を開
2021年3月14日 10:09
どうして物語が好きなんだろう思えば私は、昔から物語が好きだった。きっかけは分からない。両親は文芸に興味がなく、家には父の趣味である車の雑誌か、母がかつて使っていたであろう料理系の雑誌しかなかった。妹も、文芸には全く興味を示さなかった。そんな環境で育った。だからこそ、考えるのかもしれない。なんで私は物語が好きなんだろう、という問いへの答えを。小論文に書いた答え受験生のとき、慶應義