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kumagusu - 処夏神経 作品解説
はじめに 2021年7月1日、kumagusuはライブカセットテープ「処夏神経」をリリースした。サックスパートの富烈(プエル)が加入して以来初めての音源作品だ。
本作には "晴れたら空に豆まいて" で行った深夜の無観客ライブ演奏が収められており、収録10曲のうち6曲は映像作品として編集し、同題"処夏神経"のタイトルでyoutubeに公開している。カセットは、当日の録音とmixをお願いした澁谷
ヤノマミ〜奥アマゾン・原初の森に生きる〜劇場版
ヤノマミ〜奥アマゾン・原初の森に生きる〜劇場版 - 国分拓
2010年公開
アマゾンの熱帯雨林、ブラジルとベネズエラの国境付近で一万年以上変わらない生活様式を営む先住民族「ヤノマミ」を計150日間撮影したドキュメンタリー。NHKの番組で放送した作品の劇場版。
人間は死ぬと精霊になり、その後蟻となって地上に戻るという信仰を持つヤノマミは、出産の際産まれたこどもを人間として育てるか、精霊として
ツィゴイネルワイゼン
ツィゴイネルワイゼン - 鈴木清順 1980年公開
今年の夏はたくさん悪夢を見た。具体的な内容は覚えていないのだが、何か心理的な圧迫で夢から追い出されるように夜中に眼を覚ますことも多く、いつも非常に嫌な感覚だけがその後もしばらく残った。水を飲んでも喉の一番乾いた部分に吸収されていかないように感じられ毎度気が滅入った。気温差の変化についていけなかったというような単純な肉体的問題が原因だったのかも
生物と無生物のあいだ
生物と無生物のあいだ - 福岡伸一 2007年発刊
人は何を持って生物と無生物を見分けているのか。海辺の砂浜で小さな貝殻を見つけた時、そこに生命の営みがあったであろうという直感を、足元に散らばる無数の小石の何と区別をもって得ているのか。生命とは何か。生物学者の著者がDNAの研究に関わる分子生物学の発展遷移の解説をしつつ、生命体の身体はパーツ自体のダイナミックな流れの中に成り立つとする動的平衡論
スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする
スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする - デヴィッド・クローネンバーグ 2002年公開
おだやかな悪夢のような狂気が美しい映画。社会復帰のため精神病棟から療養施設に移ったクレッグは少年時代の回顧にふける。記憶の空隙を埋めるように拾い上げた過去の断片を逐一ノートに書きつけていくが、そこには妄想が混ざり込み徐々に現実をもゆがめていく。
本作は数十年前の過去に目を向けた形になっているが、「今この瞬
キッチン・コンフィデンシャル
キッチン・コンフィデンシャル - アンソニー・ボーデイン
2000年発刊
叩き上げの料理人世界の業界事情暴露を織り交ぜた、アメリカのフレンチシェフによる自伝的エッセイ。正直で歯切れのいい言葉が読んでいて気持ちいい。悪口、ドラッグの話、下世話な話もふんだんに登場するがそれでも嫌な感じは全然しない。不良だけど根の真面目さがにじみ出てしまっている、みたいな可愛げがある気がする。多分、読者は皆著者のこ
バニシング・ポイント
バニシング・ポイント - リチャード・C・サラフィアン 1971年公開
元レーサーの主人公コワルスキーは陸走車を翌日の午後3時までにサンフランシスコに到着させる賭けをして真夜中のデンバーを出発。覚せい剤をあおってフルスピードで目的地を目指すが暴走車として警察に追われることになるというカーアクションロードムービー。
破滅に向かうのはアメリカンニューシネマのお家芸ではあるが、その中でもここま