鹿料理を作って見た!~鹿三部作その3~
デイリーポータルZ x note共同での投稿コンテスト「#やってみた大賞」応募してみようと思い、東京都港区白金出身の私がなぜ長野県佐久市で鹿を捌くことになったのかという鹿にまつわる「やってみた体験」を三部作でお送りしようと思います。
第三回は「鹿料理を作ってみた!」をお送りいたします。
臭くないの?
鹿の話をするとこれをよく聞かれます。
「鹿を捌いてみた!~鹿三部作その1~」
こちらの記事にも書きましたがおいしい鹿肉の秘訣は「すばやい血抜き」と「内臓を傷つけずに捌くこと」の2点です。
ネットでいろいろ調べて臭みを取る方法などあり、ヨーグルトや牛乳に半日以上つけると書いてありやってみましたが実際あまり変わりませんでした。
私たちのように生きているうちに血抜きして内臓を傷つけずすばやく裏庭で解体するというのは環境が整っていないとなかなか出来ることではないと思います。ある程度においのある鹿肉が出回ることは普通のことだと思うのでその際は臭みを取るための下処理が効果を発揮するのかもしれません。
鹿出汁
鹿肉の最も高級部位は背ロースという首から背中にかけてのお肉なのですがそこをもらって帰った時に背骨も一緒に持って帰りました。
その時に「背骨からはいい出汁が取れるよ!」と言われ、なんの骨にせよ出汁なんか一度も取ったことありませんでしたがとてもやってみたくなりました。
どうやって出汁を取るのかわかりませんでしたが骨を煮込めばいいだろうと思い、鍋に入るサイズに骨を小さくして(出刃包丁を斧のように振り下ろしなんとかしました)とにかく煮込みました。
最初信じられないほど灰汁が出て(赤かったので見た目もすごかったです)網のお玉の目が灰汁で全部詰まったりとちょっとパニックになりましたがめげずに取り続けていたらだんだん出なくなりました。パニックだったので写真撮り忘れました。
それから弱火で煮込み水が少なくなったら足すということを半日ほど続けました。
この時、我が家のガスコンロは火の強さに関係なく2時間くらいつけっぱなしにしていると消えるということを知りました。
ある程度経つと鹿出汁は琥珀色のきれいな色になりしっかりとした出汁が取れました。
鹿シチュー
そもそも出汁を取ったのも初めてだったので牛とか豚とか鳥とか出汁を取って作る料理になにがあるのか調べて、鹿出汁のにおいと味的にシチューならおいしくできるのでは?と思い鹿シチューを作ることにしました。
シチュー自体ははじめて作りましたがそんなに難しいものではなく、クックパッドを見ながら(鹿シチューのレシピはなかったので普通のシチューのレシピから想像して作りました。)にんじんとじゃがいもとたまねぎと鹿肉(筋っぽいところ)を低温調理器で調理し、ハインツのデミグラスソースを鹿出汁でいい塩梅に溶いて全部の食材を集合させたらシチューは出来ました。
お味はと言うとビーフシチューとは違う独特の個性がある感じでほかの何かに例えるのは難しいのですが、今まで食べたことのないめちゃくちゃおいしいシチューが出来ました!
湧き水のように出る出汁
シチューを作るのに出汁を半分くらい使ったのですが、試しに再度水を入れて煮込んだところ全く薄まる気配もなくしっかりと出汁が取れました。
また、鍋満タンに鹿出汁が復活しました。
どうしよう。。
こうなったらとにかく調べた出汁を使って作れそうな料理を片っ端から作ろうと思いいろいろ作って見ました。
私が作った鹿出汁料理をダイジェストでお送りします。
出汁を使って作ったのはこんな感じです。
それでも出汁は尽きることなく湧き出てきたのでいつでも使えるように冷凍しました。
解凍して使ったら割りと使い勝手よかったので一気に出汁をたくさん取って冷凍するのはありだなと思いました。
ただ、鹿肉から出汁から冷凍したいものがどんどん増えてきたので大きい業務用の冷凍庫がほしくなってきました。
ロースト鹿といろいろな料理
鹿出汁の料理をいろいろと作りましたがおそらく一番無難なのはシンプルに肉をやくことでそれで十分においしいです。
スペアリブをBBQで焼いて食べるのもおいしいし楽しいです。
あとはロースト鹿がおいしいです。特に背ロースは絶品です。作り方はローストビーフと同じなので低温調理器があれば簡単です。炊飯器などで作る方法もありますね。
あとどうやって食べようか悩んだ末、編み出した食べ方が2つ。ひとつは鹿の佃煮風。さいころ上に小さく切りたれを作りに詰めました。よくお土産屋さんに売っているなんだかおいしそうな瓶詰をイメージして作りました。
そして、もう一つ大量に鹿肉を使えて筋だろうがなんだろうが一気に食べられるハンバーグ。
フードプロセッサーでとにかくミンチにして、玉ねぎと混ぜてハンバーグにしました。
鹿肉は油が少ないのでかなりがっしりした感じのハンバーグになりましたが、鹿の味を濃厚に感じることが出来て想像以上においしかったです。
レバ刺しと燻製
「レバーは生で食べられるよ。なにかあっても自己責任だけど。」
レバ刺し大好きな私としては聞き捨てならない情報でした。
目の前で生きているのを見ていて、仕留めてから3時間後くらいに家のまな板の上にレバーがあるという状態のめちゃくちゃ新鮮なレバーをいただきました。
ごま油と塩で食べたらめちゃくちゃおいしかったです。鮮度の問題かもしれませんが牛のレバ刺しよりしっかりした歯ごたえで味は牛のレバ刺しに似ていました。
私が鹿を捌くことになった鹿のジビエのお店に燻製機が導入されたので鹿の燻製オードブルを作ってみました。
これもめちゃくちゃおいしくてワインがいくらでも飲める最高の燻製です。
鹿肉の魅力
こうしていろいろな食べ方をしてどれもこれもめちゃくちゃおいしくてさらなるレシピ開発にも勤しんでいこうと思っています。
鹿肉の魅力は脂肪が非常に少ない赤身のお肉で低カロリー高たんぱくなためダイエットをしている人や減量中のボクサーも好んで食べる食材です。
ビタミンやミネラルも豊富で当たり前ですが野生の鹿なので成長促進剤など市販の牛豚鳥が飼育の過程で与えられているような人工的なものが一切ないので健康にもものすごくいいです。
心の健康も体の健康も東京とはまったく違う形で本質的に簡単に自然と得られるものがたくさんあります。
これからも東京での情報や刺激を最大限に活かすための田舎暮らしの魅力、二拠点生活の可能性を発信していきますね!
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