シニアになって働く意味を考える㉝~女性初登場!専門家にはなれなかったけど総合力で転職勝負!~
27年間勤めた会社を退職、異色の業界に転職
Kさん(52歳、2024年9月現在)は、新卒後27年間勤めた大手小売り会社を退職され、50歳で全く異なった業界に転職される。
最初に、その経緯をうかがいました。仕事人生満足度曲線をご覧ください。
ありとあらゆる業務を経験
新卒入社後、店舗営業や商品開発、マーケティングなどのフロント業務から、店舗管理、総務、経理財務、人事労務からセルフレジシステムなど後方サポートする業務まで、ありとあらゆる職種を経験され、何度も凹みながらも仕事は充実していたそうです。経験してないのは社長職ぐらい? (著者)
しかも、Kさんが入社された1994年は、男女雇用機会均等法が1985年に施行されていたとは言え、まだ男性中心の就労環境だったと思います。
事業環境に翻弄されて
27年も務めると会社の事業環境も変遷します。海外の大手小売りのグループ子会社となり顧客重視の経営ノウハウを得られるいい時期もあったが、その後、ある投資ファンドが大株主となり、会社は事業縮小・合理化路線に入っていきます。
Kさんは、業務改革部門に異動。部署の名前はカッコいいですが、社員を減らしても、これまで通り業務がすすむように会社組織再構築するのが仕事。そして、その目的を果たし部署は解散、49歳で障がい者雇用関係の子会社へ出向となる。彼女にとってこの新しい仕事は社会的意義もあり、やりがいはあったが、何となくしっくりこなかったそうだ。
仕事にスピード感がなくなり、このままでいいのか?
50歳で27年間勤めた会社を退職し、またまた彼女にとって新しい業界へ転職する。資材や特殊材料の調達から販売、EC、商業店舗のデザイン・設計などを事業とする数社を傘下に持つホールディングス会社だった。
なんでなんですか?(著者)
「前職は落ち着いてじっくり業務にあたれる反面、これまで目まぐるしく働いてきたせいか、なんだかスピード感がなく、このままでいいのか?と思ったのが転職の動機のような気がします」と。
これまでやってきた数多くの仕事の集大成かも
転職先のホールディングス会社で、傘下数社の専門性を発揮させながら有機的連携をつくり、グループ会社としてのシナジーを生み出すしくみをつくることがKさんの仕事だ。
これはこれまでやってきた数多くの仕事の集大成でもあり、自身の総合力が試される挑戦でもあった。
「数多くの仕事の経験はあるものの、どれもプロまでにはなれなかった。でも、私の持つ総合力を買ってくれた転職先でした」と。
転職後、仕事満足度が低下気味なのは?「まだまだ失敗も多く、凹みっぱなし」。生みの苦しみですかね(著者)。
女性が活躍できた前会社にも感謝、日本もようやく追いついてきた?
Kさんがこれまでやってこられた理由のひとつに、前会社では女性や子どもを持つ従業員が働きやすい制度が定着していたから。これがなかったらどこかで辞めていたかもしれません、と言います。
海外の大手小売りのグループ子会社であったことも幸いしたかもしれませんとも。海外流の働き方が早くから導入されてきた。日本もようやくそんな時代になりつつあります。
定年後のプランは?
まだ考える余裕はないです。定年までの約10年で、もっともっと大きな組織にして(今の25倍)、会社を良くしたい。そのポテンシャルは十分あると思っています。
転職直後に定年後まで考えている人はいないですね(著者)。
Kさんの働く意味は?
Kさんの「働く意味」を見てみましょう。著者の勝手な指標で作った「オレ(ワタシ)、何で働いてるの?の図」と「働くモチベーション」はこんな感じです。
「なぜ働いてるか?」の理由は、「自立」。そのココロは「仕事も家庭も子どもも全部手に入れたかった。それには自立。私の大学の同期女性10人中、仕事と家庭を両立しているのは2,3人。男性との差が大きすぎる」
「働くモチベ地図」に、息子さん二人に教育費がかかった、という面もあるそうです。
仕事を引退する時の理由は?など質問してみたら
引退するとしたらその理由は? 「健康ある限り続ける」。納得(著者)
完全リタイヤする前日に何を食べたい? 「旅して和食の懐石コースをゆっくり味わいたい」これも納得(著者)
最近あったいいことは? 「仕事で凹んでいた時に、社長から予期せぬ声をかけられ救われた」いい社長さんだ(著者)
後記:
Kさんの趣味のひとつはマラソン。それもウルトラマラソン(42.195km以上の距離)。30代後半からはじめたそうで、きっかけは周りでやっている人がいたから。やってみたらハマったそうです。スピードを競わずゆっくり長く走ることが自分にあってそう、だそうです。
仕事はマラソンによく例えられます。マイペースでコツコツと小さな成功を積み上げて、大きな仕事を達成される予感がしました。
専門職経験が転職の成功例の定番ですが、総合力も大きな強みにもなる好例でした。
今回、初めて女性のインタビューをしてみて、自分が自然に男性目線で物事を見ていると何度も気づかされました。そもそも、男性・女性目線とを分けて思考すること自体ダメだわ。
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