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創造性、共感力を高めるための講座、心理療法 http://innercore9.com

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最近の記事

やさしさとは相手の心に想いを寄せること

心からの「ありがとう」が言える人と、 言えない人の違いはどこからくるのでしょう? アメリカに住むある知人に、 日本から誕生日プレゼントを送りました。 その人は大事な親族を亡くし、 とてもつらい1年だったので、 なにか“心が和らぐもの”を送りたくて プレゼントを選ぶのに悩みに悩み、 時間がかかってしまいました。 触覚がとても敏感な方なので、 ふわふわの日本製タオルセットを選び、 箱にも入れずに、大急ぎで もこもこの包装のまま郵便局に持ち込みました。 誕生日までには届くように送

    • 理解し共感することは、行為を許すことではない

      大きな事件が起きると、連日その容疑者の人物像について報道されます。情報の真偽はさておき、その人の生い立ち、思考、情緒面や発達傾向が明らかになるにつれ、他人ごとではないと感じている人も多いのではないでしょうか。 自己中心的、極端な思考、ひとりよがり、他者視点に立てない、共感性が低い、感情が暴走する、衝動的に行動する、コミュニケーションが苦手・・ これらは問題を起こした人の特徴としてよくあげられる要素です。 これらのどれにも当てはまらないという人を探す方が難しく、自分や自分の身

      • 緊張から自由になるには

        2023年3月、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が6年ぶりに開催され盛り上がっています。 WBCといえば思い出す光景があります。それは、2013年大会の準決勝の日本対プエルトリコ戦です。私はその試合を現地で観戦していました。 「近く(サンフランシスコAT&Tパーク)でWBCあるから行ってみよう!」という軽いノリで、私たち(田中&白石)はカルトレインに乗って遠足気分で会場へ行きました。 ピッチャーが正面に見える私たちの座席からは、選手達の体の感じや表情がよく見え

        • トラウマのふたが開くとき

          カウンセラーとして、またクライエントとして、たくさんのトラウマのワークを経験してきた私が、空港での津波警報で思いがけずトラウマのふたが開いてしまい、機内でそのトラウマを癒すことになった体験を書きました。 トラウマのふたが開くとはどういうことか、内的に何が起こってどうなるのか、どうやって癒えていくのか、心のケアにあたっているみなさんの参考になれば幸いです。 トラウマワークをするかしないかにかかわらず、トラウマの心と体のしくみを理解することは全ての人の助けになると信じています。

        やさしさとは相手の心に想いを寄せること

          ペットの癒しの力にはかなわない

          カウンセリングをしていると、 ペットの癒しの力にはかなわない と思わされる時があります。 人に言えないこともペットには話せる、 ペットの方が気持ちをわかってくれる、 と言う人もたくさんいます。 ペットは、  余計なことを言わない  あれこれ解釈しない、決めつけない  一方的なアドバイスもしない  自分の話をしない (もちろんできないからではあるけれど)  ただそばにいて、触れさせてくれる  ときにはすり寄ってきてくれる  ぬくもり、やわらかさ、触れあう心地よさをくれる そ

          ペットの癒しの力にはかなわない

          心にも休憩が必要

          1年くらい前からお隣の敷地で戸建て住宅の建て替え工事が続いています。 こちらの方が少し高台なので、窓からその様子がよく見え、毎日少しずつ家ができていく様子を眺めるのがいつしか日課であり、楽しみにもなりました。 建築現場では、毎日いろいろな音が大きく鳴り響いています。 木槌でたたく音、コンクリを流す音、パンパンと釘を打ち付ける音・・。 これらの音を耳にしながら、ひとりパソコンに向かって作業をしたり、本を読んだりしていると、その音がやたらと気になるとき時と、さほど気にならない時

          心にも休憩が必要

          「人に迷惑をかけるな」で育てられると

          「人に迷惑をかけないように」と言われてきませんでしたか? また、そのように子育てをしていませんか? カウンセリングをしていると、人に迷惑をかけないようにするがあまり、本当に困ったときでも人に助けを求められず、人と協調して何かをすることが苦手になり、思うように自分の能力を発揮できない人にたくさん出会います。 「迷惑をかけてはいけない」トラウマです。 親や先生は、良かれと思ってこのように子どもに言ってきかせているのでしょうが、逆効果になっていることが多いのです。 そもそも「

          「人に迷惑をかけるな」で育てられると

          子どもだって誰かに話を聴いてもらいたい

          幼い子どもと接していると、 自分自身の純粋さ、ニュートラルさ(価値観の偏りがないこと)、オープンさを、いつも試されている気がします。 子どもは大人のあり方や反応にとても敏感です。 まるで大人の心のうちが透けてみえているように、邪念や下心があると警戒して近づいてきてくれません。 それゆえ、ときどき知らない子どもと接してみて、自分のあり方をチェックしています。 先日の夕方も、近くの広場で幼い男の子2人が放課後に遊んでいる姿をベンチに座ってながめていました。ポータブルのゲーム機を

          子どもだって誰かに話を聴いてもらいたい

          場を和ませようとしてもっと空気を悪くしてしまうのはなぜ?

          「沈黙が怖い」「雑談が苦手」 「何を話していいかわからない」 「フレンドリーになれない」 人間関係に苦手意識を持つ人からよく受ける相談です。 人はしばしば話の場を和ませようして意図と相反してさらに空気を悪くしてしまうことがあります。 「場を和ませないと・・」と人が感じるのはそこにいる誰かが緊張しているときではないでしょうか。 初めての場所、初めての人、特別な人、大勢の人の前で多少緊張するのは当たり前ですが、その緊張感に耐えられなくなって、ふざけたり、おどけてみたり、冗談を言

          場を和ませようとしてもっと空気を悪くしてしまうのはなぜ?

          最近、会話していますか?

          緊急事態宣言が出され「不要不急の外出をお控えください」と繰り返し言われると、「これは不要不急か?」といちいち悩みます。 カウンセラーは、エッセンシャルワーカーのくくりに入るので、感染防止対策をしながら、クライエントと会うことも、出張もしています。 人が人と会わずに、対話もしなかったらストレスで免疫力も落ち、最悪の場合、死んでしまいます。 先日、訪れたショッピングモールでこんな張り紙が目にとまりました。 「不要不急の会話」って何なの? 意図はわかるけれど、大きな違和感をも

          最近、会話していますか?

          人の話が聴けなくなる時

          人間関係は「人の話を聴くこと」からスタートすると言っても過言ではありません。 しかし、人の話を聴くことほど難しいことはありません。 人の話を聴くプロフェッショナルにとっても難しいことです。 「カウンセリングに行ったのにセラピストの苦労話や自慢話を長々と聞かされた」といった話をときどき耳にします。 なぜこのようなことが起こるのでしょうか。 それは、人の話を全身全霊で聴くよりも、自分の話したり、アドバイスをすることの方がずっと楽で、簡単だからです。 長年、「共感力ワークショッ

          人の話が聴けなくなる時

          「祈りの力」10年たった今だからお話します。

          2011年3月東日本大震災が起こり、私たち自身も含め、米国、日本全国に住む学びの仲間たちみんなが動揺していました。 震災から数日たつと、少しずつ東北各地に住む人たちの無事を伝える情報が届くようになりました。そこで、無事を願って安否を案じている人たちのために、メールやwebサイトを通じて、被災地にいる人の無事を伝えるメッセージと、被災地の外からの応援メッセージを発信しました。 被害がなかったり、さほど大きくなかった地域の人たちは、被災した人たちのために何もできないことがもどか

          「祈りの力」10年たった今だからお話します。

          テレビニュースに感情を操作されないために

          正月休暇明けの伊丹空港で、女性に声をかけられた。 相手「〇〇テレビの者ですが、ご出張ですか?」 私「はい」 相手「首都圏には行かれませんか?」 私「行きますが、何か?」 相手「首都圏に緊急事態宣言が発出される予定ですが、お仕事に影響はありますか?」 私「それほどでも・・」 相手「首都圏に緊急事態宣言が出たら、出張ができなくなったり、いろいろ不便になるのではないかと思いまして・・」 まだ私が話をしているのにもかかわらず、その女性は次のターゲットを探して目が泳いでいる。 「首都

          テレビニュースに感情を操作されないために

          遠くばかりを見ていると近くが見えない、近くばかりを見ていると遠くが見えない

          先日、タクシーの後部座席に乗り、前のめりになって「そこの道をまっすぐ行って・・・」と運転手さんに道案内をしていたら、前方の景色がゆがんで見え、”私の目か脳がおかしくなったの?”とプチパニックになった。 ”めがねのせい?”と、近視用めがねをはずして見ると(当たり前だけれど)もっと見えない。 あきらめて深く座り直すと、前の座席と後部座席の間に垂れている急ごしらえのビニールシートが目に入ってきた。 ”なんだ、このビニールがメラメラして、前方の景色がゆがんで見えたのね。” プチパニ

          遠くばかりを見ていると近くが見えない、近くばかりを見ていると遠くが見えない

          「あなたは大事な人だから」

          行きつけのお寿司屋さんでカウンターの席に座っていると、背後で 「あなたは大事な人だから、迎えに行くよ、あなたは大事な人だから・・・、あなたは大事な人だから・・・」という話声が聞こえてきました。 私とその方以外には客のいない小さな店内に「あなたは大事な人だから」という穏やかでやさしい声が何度何度も響きわたり、気になって仕方がありません。振り返ってみると、年配の男性が携帯電話で話をされていました。 会話が終わると店主が、常連と思われるそのお客さんに「どんな大事な人に電話してたん

          「あなたは大事な人だから」

          好きな物がわからないのではなく、好きの感覚がわからないのでは?

          「何が好きなのかわからない」 「自分が本当は何をしたいのかわからない」 「趣味でやっているはずなのに楽しいかどうかわからない」 といった相談をよく受けます。 自分の「好き」「したい」「ほしい」がわからない人たちは、 人から「何がいいの?」「何をしたいの?」と聞かれて困ってしまったり、好きなもの探しを必須にやっているのに「好き」にヒットしなかったり、好きなのかどうか自信がなくなって落ち込んでいったりするのです。 好きがわからない原因はひとりひとり違いますが、多くの場合、幼少

          好きな物がわからないのではなく、好きの感覚がわからないのでは?