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教室で活用できる感覚統合的視点

こんにちは。NPO法人日本インクルーシブ教育研究所です。第7期学習・発達支援員養成講座2回目「幼少期 理解と関わり方」2本目の動画視聴講座が終わりました。「教室で活用できる感覚統合的視点」について広島大学の石附智奈美先生にお話いただきました。

早速ですが受講生の感想を紹介します。

・どうして○○しないの?とか、○○できないのかなど、目の前の行動だけで評価する自分がいました。感覚統合のことを学び、調整障害が様々な形で表れること、互いが許容できるよう環境調整すること等、子ども達の困り感に寄り添う上で大事にしたいと改めて感じています。動画は何回も見れます。その時その時の自分の疑問から、視聴して気づくことがたくさんあります。ありがとうございます。【教員】

・私は、これまで学習障害や自閉症などの発達障害のある子には、感覚過敏があると大まかに学習したことがあります。本日の学習で、感覚過敏な人もいれば、感覚に鈍感な人もいる。私たち支援する者は、それぞれの特性を理解した上で、環境整備を行わなければなりません。それこそインクルーシブ教育だと思います。子供達が自分の特性を知り、安心した社会生活を送るためには、まず私たちが、対処方法を伝えてあげることだと思います。そのためには、もっと勉強したいと思いました。【ふれあい推進員, 学習サポーター】

・今まで「感覚統合」ということばは、特別支援教育の本などで見かけたことはあるのですが、はっきりとしたことはわかりませんでした。石附先生のお話を拝聴しながら、今まで出会った子どもが思い浮かびました。アセスメント方法や具体的な支援を教えていただけましたので、すぐに実践に生かしたいと思います。ありがとうございました。【教員】

・とても学びの多い講座でした。前庭覚・固有覚・触覚を基礎とし視覚・聴覚と統合され,知覚・認知能力の発達が進んでいくこと。第一段階からの適切な感覚処理過程が行われていて,第四段階である課題に取り組む力・自己抑制・教科学習・集団行動などが可能になること…深い学びになりました。子どもたちの支援にあたり,基礎感覚は整っているか,感覚統合にエラーは起こっていないか,感覚刺激を与えて調整するのか,刺激を排除して調整するのかなどしっかりとアセスメントしていきたいです。センソリーニーズ・脳が欲している感覚への理解は学校現場ではまだまだだと感じます。お勧めYOUTUBE「感覚過敏の疑似体験」を見ましたが衝撃を受けました。【特別支援教育アシスタント】

・働いている施設にも、感覚統合障害のあるお子さんがいらっしゃいます。施設で働くようになってから知ったこともたくさんありますが、今まで知らなかった時に、そのような障害をもっているけどこちらが気が付かず、子どもにストレスを与え続けてしまっていたのではと反省する部分がたくさんあります。今回の講義では、それぞれに具体的な支援も書いてあり、すぐに役立てそうなものばかりで勉強になりました。無料で調べられる日本感覚インベントリー、YouTubeの紹介などもあり、とても助かります。YouTubeはさっそく見てみようと思いました。今回の講義の内容は個人的に気になっていた内容でしたので、学習できよかったです。個人的にもっと知りたかったのは、低緊張の子で、いつも姿勢が悪い子には、どのようにしてあげるとよいのか知りたいです。子どものうちは、姿勢が悪くても、それを大人が受け入れてあげればよいのかもしれませんが、それをずっと通していって、その子が大きくなったときに大丈夫なのか?と考えると迷います。(もし今回の講義内でその話、ヒントがありましたら、教えていただけると嬉しいです。勉強不足ですみません。)【児童指導員】
石附先生からの回答です→姿勢が悪いままほおっておく、という意味ではありません。まっすぐに座る、というだけでも努力を要する子がいることを知って頂きたかったのです。姿勢が崩れた時に注意するのではなく、まっすぐ座っているときに「よく頑張っているね、かっこいいね」など努力を認める対応をして頂けると子どもも頑張ろうと思えると思います。また姿勢調節を促す座椅子などを活用するのも、良姿勢を保つのに役立つようです。

・感覚統合についてとても分かりやすく学ぶ事が出来、他職員や保護者様への伝え方の参考になりました。聴覚過敏においての支援で、社会に出た時の事を考え「聞いたら分かる」が育まれるような配慮という視点がなかったので、今後どう配慮していくのか考えていきたいと思います。また、支援者として、その子の感覚の閾値を理解し本人と共有、自分で回避して行けるよう取り組めるよう進めていく事が改めて大事だと思いました。【児童デイサービス】

・感覚の不具合は自分では気づかないという言葉が印象に残りました。感覚の閾値は個人・感覚によってそれぞれ違うことを知識として理解しているつもりでも、自分の感覚の閾値を子どもに求めて、これぐらいは我慢できるだろうと思ってはいけないと実感しました。個々のそれぞれの感覚の閾値をまずは知ろうとすることから始めていきたいと思います。【行政職員】

・今日の講義を視聴し、今まで感覚統合について、部分的な理解にとどまっていたということに気づかされました。感覚統合の発達には、乳児から幼児期、小学校に入るまでの時期の大人の側の関わりが重要であるとされます。特にその時期は、遊びを通して子どもが自らの感覚を獲得していく時期です。特にASDの子どもたちが、大人になっても、高い数値で、感覚調整を必要とされる事実があることに驚きました。子どもの時期に、やりたいと思える仕掛けなど、自発的に取組むための大人側の意図的環境構成がとても重要になってきます。環境構成の重要性は保育現場で語られてはいるが、感覚過敏を発達させるための遊びの工夫がこれからの大きな課題であると感じました。小学校段階以降、個々の子どもの具体的な行動に潜む感覚過敏の可能性は見逃されやすく、とらえることはとても難しいと思いました。その子の感覚過敏のアセスメントがどれだけできて、その対応について検討されているのか。子どもが、過剰な努力を求められていないか、ストレスフルな状況を作り出していないか。無料の検査法を紹介していただき、具体的に事例を通して学んでいく必要があると思いました。現在、勤務している施設の対象児は、小学生から中高校生です。今日学んだことから、もう一度個々の感覚過敏の視点からアセスメントの必要性を感じました。個々の子どもの感覚の閾値は異なり、支援者である自分の感覚で、子どもの言動を判断してしまっていたと思われるので、言語化できる子どもたちだけでなく、それぞれの子どもたちの実際の感覚過敏についてとらえ、対応方法を見つけるためにも、感覚過敏の研修をさらに進めていく必要があることがわかりました。講座のテーマが多岐にわたっており、本当に学びがいがあります。ありがとうございます。感覚統合について作業療法士の先生のお話はとても参考になりました。学びを進める動画を紹介していただきましたが、わかりやすい解説書や参考資料など情報提供していただくとありがたいです。【不登校教育支援センタースタッフ】
石附先生からの回答です→わかりやすい書籍は下記の2点かと思います。
1.イラスト版発達障害児の楽しくできる感覚統合―感覚とからだの発達をうながす生活の工夫とあそび 著者:太田 篤志
2.発達が気になる子の脳と体をそだてる感覚あそび: あそぶことには意味がある!作業療法士がすすめる68のあそびの工夫 著者:鴨下 賢一 , 池田 千紗他
*感覚統合の理論を学ぶのには、エアーズが書いている下記の書籍がよいと思いますが、専門用語も多いため難しいかもしれません。
3.感覚統合の発達と支援: 子どもの隠れたつまずきを理解する A.Jean Ayres

・固有感覚を欲していることがあると聞き、積極的に固有感覚が入る遊びを取り入れたいです。センソリーニーズは誰しも持ってる様に感じます。子どもたちの集団の中では制限する事の方が多いですが「感覚情報は脳の栄養になる」ならば、いかに許容するか模索しなければならないと思いました。【放課後児童支援員】

・まず教室に入れない子供のタイトルに驚きました。子供たちはしなくても良い努力をしていると思うと胸が苦しくなります。その子たちの行動を止めるのではなく大人が欲求を満たすように促すことを学べました。少年院の8人に6人が聴覚フィルタリングとも言われてました。本当に悲しいことです。早くこの状況を変えなければと思います。【保育士 補助員】

・姿勢がわるい子、椅子を斜めにしたがる子、気が散りやすい子、本当によく出会います。今日の目の前の環境設定の配慮でその子が過ごしやすくなり、それを周りのサポートできる子供支援者が少し理解出来ることで、教室に居やすくなりますね。ただクールダウンさせてまた同じ教室に戻させるシーンがこれまであったことに気がつきました。よく見なさい、よく聞きなさい、分かってる?そう言う前に、環境セッティングが大切だと学びました。自然体験の中での感覚統合を調べながら、器具がなくても効果がある遊び、環境がないか現場にいながら研究中です。少しずつ理論と目の前の日常の環境とを結びつけながら活動していきます。【学童スタッフ】

・感覚調整として、覚醒レベルを上げるために行っていた行動(立ち歩き、寝そべり、抱き着き、走るなど)を抑制・注意することも多かったのですが、今後は、許容できる代替品や代替行動を工夫して一緒に考えていきたいと思います。【放課後児童支援員】

・以前、感覚過敏の本を読んだ時は難しくて分かりづらかったのですが、今回の動画は分かりやすく非常に良かったです。子供に聴覚過敏や、少し触覚の問題もあるので、とても参考になりました。不安な状況で感覚過敏が顕著になるというのは体験しています。またコロナ休校により、学校でのストレスを避けられたことで、より成長できたと感じています。まさに「自分の特性を知り対応方法を学ぶことで、、、社会性学が営める」ところを目指しています。いつも素晴らしい内容の講義をありがとうございます。【保護者】

・感覚統合障害の子供達を体験したり、感覚プロファイルなど今すぐに試してみたい情報を提供してくださったり、具体的な支援方法をあげていただいてとても分かりやすかったです。最後の写真の教室でよく見る子供の椅子の座り方ですが、私は注意していました。本当に特性を正しく理解し、対応方法を知ることは大事だと感じました。ありがとうございました。【特別支援教育アシスタント】

・自閉症スペクトラムの子どもが感覚の課題を抱えていることは以前から知っていましたが、今回より具体的な事例をたくさん知ることができ良かったです。本人は自覚しておらず、周囲がうまく環境などを調整してあげることが大切であると改めて思いました。【フリースクールスタッフ】

・4つに分類された感覚刺激への反応様式の行動例を見ると、これまでに出会った子供たちの行動に思い当たる節があり、無理にやめさせようとするなど誤った対応をしていたことを反省した。感覚統合という、子供の行動の原因に気付く新たな視点を学べて良かった。誰でも手に入れられる質問用紙や、お勧めのYouTube映像などを紹介していただくなど、すぐに明日の臨床に使える知識が増えることが嬉しいです。ありがとうございます。【言語聴覚士】

・感覚統合の発達は段階に応じて発達していくが、感覚統合に障害があるとしんどさや不適切な行動の原因となる。その感覚刺激への反応様式(過反応・低登録・感覚探求)が参考になりました。聴覚・視覚は想像できますが固有感覚は理解しにくく、もう少し詳しく勉強したいと思いました。薦めていただいたYouTubeもこれから見させて貰います。【子育て支援センター 職員】

・支援者が「感覚刺激への反応様式(閾値の高低・受動的/能動的手段)」の視点を持ち、子どもたちのしんどさや行動の原因にいち早く気づいてあげることが重要。そして、センソリーニーズは「脳の栄養」なので、止めさせるのではなく、子どもたちが欲している感覚を保障してあげられるよう、保護者や学校の先生たちに働きかけることも支援者の重要な役割だと感じました。受講するたびに様々な視点を得ることができ、発達支援員としての引き出しも増えていくのでとても良い講座だと思います。【保護者】

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医療現場で診る発達障害、医学的な視点での対応方法について知りたい方は精神科医・児童精神科医の松田文雄先生が「思春期から成人期までの対応」についてお話されている動画視聴講座がございます。詳細はこちらからご覧いただけます。学習・発達支援員養成講座「思春期から成人期までの対応」視聴期間7/16~7/22

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