ギャルとありきたりな悩み
体育がダルかったので友だちに先生に適当言ってもらって屋上前の階段でサボった。
あぁ、大人になりたくない。というより働いている自分が想像出来なくて大人になりたくなかった。
18歳から選挙権がある今、僕はもう大人なのかも知れない。普通に働いて普通に結婚とかして普通に子どもが生まれて定年退職して死ぬのかな、令和のこの時代に?そんなに上手くいくイメージがわかない。
そもそもなりたいものなんて無いし勉強は中の下位で将来もきっとそこそこなのが見えている。
「ありきたりすぎる悩みだよなぁ」
そう一人呟いてみたけど返答は無い。
…ここの屋上の扉、開かないのかな?ガチャガチャ回してはみたがやっぱり開かない。そりゃそうか
「うわ、先客」
「…っ!!ビックリした〜」
「あんたもサボり?」
同じクラスの同じく成績中の下位のギャルがやってきた。
「まぁサボりかな」
「さっきの聞こえてたよ。なんか悩んでるの?」
自然と話す流れになったけど正直あまり話したことは無い。
「ありきたりな悩みだよ」
ざっと話してみる。何してるんだ俺は
「ふーん、確かにありきたりだね」
「まぁだよな」
「私も似たようなこと考えたことあるけどとりあえず好きなようにしよっかなって思ってる」
「何かやりたいことでもあるの?」
「無いけど、消去法?」
何だそれ、と思いつつアリかもなと思った瞬間チャイムがなった。ちょっと残念に思いつつ中の下の成績を維持する為に次の授業に出ることにした。そのギャルもサボらずに出ている。勉強は正直ダルいが卒業はしなきゃいけない。
またサボりたいから友だちに適当にジュースを奢っておいた。友だちは消去したくない、それだけは今のところ分かった。
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