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【小説】異能者たちの最終決戦

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特殊な能力を持ってしまった人たちはその能力を見せびらかすこと無く、ひっそりと日常に暮らしていた。彼らは能力に戸惑い、翻弄されながら運命に動かされ世界と対峙する。
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記事一覧

【#29】異能者たちの最終決戦 四章【紙椿さなえ 】

4 さなえは三年で長澤麻里とクラスメイトになって喜んだことを大昔のように感じた。たった半…

【#28】異能者たちの最終決戦 四章【死体 】

3 女は泣きじゃくりながら、裸の女に土をかけていた。汗だくで白いシャツは肌にぴったりと張…

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【#27】異能者たちの最終決戦 四章【相馬カオル 】

2 相馬カオルはここ数年目覚ましい活躍を見せる若手俳優の一人だ。身長182センチでバスケで…

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【#26】異能者たちの最終決戦【四章 アフターダーク 】

1 深夜のホテルの寝室で相馬カオルは重い頭痛と吐き気の中で目を覚ました。彼はベッドから立…

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【#25】異能者たちの最終決戦【黒いセダン】

14 青田は長澤家で契約を終え、家を出ると、彼をつけている男に気付いた。その男は自分の存…

さけおにぎり
2週間前

【#24】異能者たちの最終決戦【眠れない夜】

13 同じ夜、紗耶香もまた眠れない夜を過ごしていた。麻里が芸能界入りを決めたことがやはり…

さけおにぎり
2週間前

【#23】異能者たちの最終決戦【主人公】

12 麻里は眠れない夜を過ごしていた。不安と恐怖の波が交互に押し寄せ、自分の決断を何度も何度も自問自答させ続けさせた。ベッド脇のクマのぬいぐるみを引き寄せ抱え込む。あの時の強い気持ちを思い出そうとする。 (私は正しい決断をしたんだ) 芸能界。彼女は自分がその世界に入ることなんて想像さえしなかった。人並みにドラマや映画を見て、人並みに流行りの音楽を聴いてきた。自分がそこに何らかの役割を持ちたいという目線はなかった。こっちの世界とあっちの世界は明確なラインが引かれていて、そ

【#22】異能者たちの最終決戦【動き出した後】

11 長澤麻里はスープレックスと契約することになった。青田は保護者の承諾を得るために麻里…

さけおにぎり
3週間前

【#21】異能者たちの最終決戦【名案】

10 「私達の秘密を知ったからにはそのまま帰すわけには行かないから」 「はあ?お前が勝手…

さけおにぎり
3週間前

【#20】異能者たちの最終決戦【失恋】

9 青田はガラス戸から中を窺うと女の子二人の様子は落ち着いていて、どうやら話は一段落つい…

さけおにぎり
3週間前

【#19】異能者たちの最終決戦【告白】

8 紗耶香は疑っていた。青田の話は確かに心当たりあるものの、証拠はなかった。私達がラブホ…

さけおにぎり
3週間前

【#18】異能者たちの最終決戦【名案】

7 東都がカラオケ店のロビーのソファで携帯をいじりながら時間を潰していると、青田がやって…

さけおにぎり
3週間前

【#17】異能者たちの最終決戦【集合】

6 青田のもとに今泉東都から連絡がきた。麻里と紗耶香が直接会って話したいと。 (よくやっ…

さけおにぎり
4週間前

【#16】異能者たちの最終決戦【青田コウジ】

6 青田のもとに今泉東都から連絡がきた。麻里と紗耶香が直接会って話したいと。 (よくやった東都君!) と青田は事務所で小さくガッツポーズした。近くにいた同僚が気づく。 「なんかあったのか?」 「ちょっとな」  ** 彼らは坂の浦高校の最寄り駅のカラオケ店に集まることになった。カラオケ店にしたのは青田の判断だった。そこだったら話が漏れることはない。東都の同席も決めた。彼にはひとつ頼みたいことがあった。 先に麻里、紗耶香、東都がルームに入って待つことになっていた。東都はい