【#23】異能者たちの最終決戦【主人公】
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麻里は眠れない夜を過ごしていた。不安と恐怖の波が交互に押し寄せ、自分の決断を何度も何度も自問自答させ続けさせた。ベッド脇のクマのぬいぐるみを引き寄せ抱え込む。あの時の強い気持ちを思い出そうとする。
(私は正しい決断をしたんだ)
芸能界。彼女は自分がその世界に入ることなんて想像さえしなかった。人並みにドラマや映画を見て、人並みに流行りの音楽を聴いてきた。自分がそこに何らかの役割を持ちたいという目線はなかった。こっちの世界とあっちの世界は明確なラインが引かれていて、そ