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【#21】異能者たちの最終決戦【名案】

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「私達の秘密を知ったからにはそのまま帰すわけには行かないから」

「はあ?お前が勝手に喋ったんだろ!」

東都は紗耶香に怒った。さっさとこの場から離れたかった。そして、全てを忘れたかった。

「東都は麻里のことスキでしょ?」

「はあ?」

「付き合いたいでしょ?」

東都は紗耶香がなにを企んでいるか分からなかった。疑わしい目を紗耶香に向け続ける。

「私達が今困ってる時に助けになりたいって思わない?」

「あーそう言うこと?長澤さんの彼氏役になって守りなさいてっ事だろ?さっき青田さんに同じことを言われたよ」

「ふーん。で、やるの?」

「やるわけないだろ!この事は大人の任せるのが一番だろ。どう考えても」

「あっそ」

紗耶香は苛立った。

「おまえな。当事者の癖に危機感ないだろ?キングストンだぞ?青田さんの言う通りなら相当ヤバイことになるかもしれないんだぞ」

黙りこむ紗耶香。

東都はさらに続けようと口を開くが、紗耶香が喋りだした。

「分かってる。…分かってるからこそ怖いの。」

紗耶香はうつむき声を上ずらせた。彼女は心細かった。一人でも味方が欲しかった。

「…ちょっと言いすぎた。でも、俺の言うことは変わらない。大人達に任せろ」

東都は二人が途端に小さくか弱く見えた。心が締め付けられた。助けてあげたいが自分の出きる範囲を越えていた。そして優しく言った。

「さっき青田さんに提案したんだ。長澤さんがいいのなら、いっそのこと芸能事務所に入ればいいって。もちろんキングストンではなく、スープレックスの方にな。いい案だろ?青田さんも賛成だって」

二人は顔を見合わせた。

「そうすればキングストンは長澤さんを個人的に脅して自分達の事務所に入れるのが困難になるし、事情を知っているスープレックスが自社のタレントとして長澤さんを守れる」

紗耶香の表情に活気が戻る。

「それいい!」

「だろ?」

麻里は希望を感じた。

「その代わり長澤さんはある程度芸能活動をしなきゃいけなくなるけど」

東都と紗耶香は麻里を見た。その顔はやる気にみなぎっていた。

「私やる!」

麻里は決意した。暗闇に光が見えた気がした。


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