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連載(73):人類の夜明|おわりに

この記事は『かとうはかる(著)「人類の夜明」』を連載しています。

おわりに

老人が指摘するように、人間の本性を知ることは誠に意義深いものがあります。

なぜなら、それによって人間の生き様が大きく変わってくるからです。

人間を単なる肉の塊とすると、物や、金や、地位や、名誉を得ることが人生の目的になってしまい、そこに競争社会や闘争社会が生まれるのは当然でしょう。

それに対して、人間を意識(心)そのものとすると、意識(心)は永遠のものですから、人生の目的は平安と安らぎを求める方に向うでしょう。

なぜなら、心は常に幸せを求めているからです。


私たちは、幸せを誤解して受け取っているのではないでしょうか?。

幸せは物が持ってくるのでしょうか?。

お金が持ってくるのでしょうか?。

地位や名誉が持ってくるのでしょうか?。

そうではないはずです。

幸せは、一人ひとりの心が持ってくるはずです。

これまで唯物史観の道を歩んできたがゆえに、今もって理想世界が訪れない経緯を考えれば、もうそろそろ唯物主義から唯心主義に方向転換すべきではないでしょうか?。

その意味では、老人が示した世界モデルは、まさに理想的なモデルだと思います。

でもそのモデルは余りにも背丈が大きいため、その背丈にあった背広が欲しいと言われても、今すぐ仕立てるわけにはいきません。

特に、人類がこれまで手掛けたことの無いモデルで、しかも寸法の大きいものですから、そう簡単に仕立てるわけにはゆかないでしょう。

でも、型紙くらいなら作れるのではないでしょうか?。

そうです。人類には、もうそろそろ理想世界の型紙が必要なのです。

もし、この本に心動かされ型紙でも作ってみたいと思われた方は、あなたなりの紙型を作ってみて下さい。

近い将来きっと役立つ時がくると思います。


世の中には、“それは理想ですよ!、ハハハハ!”と、まるで理想を語ることが不謹慎であるかのような態度を見せる政治家がおりますが、理想を語れない者に政治ができるでしょうか?。

ニュートンは、リンゴの落ちるのを見て万有引力を発見したと言われますが、それが偉大な発見につながったのは、常に理想を追いかけていたからではないでしょうか?。

理想を夢見、理想を追求し、理想を語るに、何の遠慮も要りません。

大いに理想を語って下さい。

理想主義者こそ明日の担い手なのですから・・・。

(おわり)

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