転職2回以下の人が知るべき日本のおかねの話(と転職の作戦会議)

今は上場企業のマーケティング職で仕事をしています。転職苦労人だった私の実体験や自分の会社、100人規模の中小企業での採用経験、上場企業での採用経験を通して知ったことや思っていることを書いてますので、転職に悩む昔の自分みたいな人の役にたったらうれしいです。

あなたは日本の平均年収答えられますか?

「転職で今より給与を上げる」という足元の数字を超えていくんだ!とガツガツ転職活動するのもOKですが、今の自分の給与が世間と比べてどのくらいお金もらってるんだっけ?について自分の立ち位置を確認してみましょう。という回です。

旅(転職)をするならちゃんと地図(世間)を見ないと迷子になっちゃいますからね。。

ところで、給与が平均以下の人はなぜ給与が低いのでしょうか?

経験やスキルが未熟だから?
それとも働く会社、業界、職種のせいでしょうか?

ここで考えてみて欲しいことが1つ。
「給与が低い要因」は「個人」にあるのか「環境」にあるのか。この分析のために国税庁の「民間給与実態統計調査」の報告書から一部データを持ってきましたのでみてみましょう。(見やすいように一部加工してます)

国税庁の令和3年分「民間給与実態統計調査」によると、
給与所得者数は、5,931万人(対前年比0.0%増、3万人の増加)
 -男性3,061万人(同0.5%減、16万人の減少)
 -女性2,209万人(同1.9%増、41万人の増加)

平均給与は443万円(同2.4%増、102千円の増加)
 -男性545万円(同2.5%増、131千円の増加)
 -女性302万円(同3.2%増、94千円の増加)

正社員、正社員以外平均給与
 -正社員508万円(同2.6%増、127千円の増加)
 -正社員以外※198万円(同12.1%増、214千円の増加)

給与階級別分布(最も多い層)
 -男性年間給与額400万円超500万円以下の者が537万人(構成比17.5%)
 -女性100万円超200万円以下の者が497万人(同22.5%)

なるほど〜。よく見かける日本の平均給与443万円って給与もらってる人全体の数字なんですよね。

もうちょっと深く見ていきましょう。
私は男性で正社員なので、
男性の平均給与は545万円っと。さらに正社員の平均給与は508万円。

なるほど。ということは、私と比較するセグメントの「男性×正社員」だと545円は超えそうですよね。ちゃんとはわからないけど580〜600万円くらいが「男性×正社員」の平均給与かな?50代高給の人も含んだ平均ですが、だいたいそんな感じかなーとばくっと自分と比較する数字がイメージできてきましたね。

細かく知りたかったら「年齢別」「エリア別」などの情報でさらにフィルターかけてもいいですが長くなるので一旦ここまでで十分です。

さて、どうですか?この記事を読んでくれているであろう20~30代の男性正社員の方は自分平均とこんなに離れてるの?と思う人も多いのではないでしょうか。(20代は下回ってる方が自然ですが)

今下回ってるのはいいとして、このまま今の会社で働いたら600万円超えられるのは何歳のときでしょう?もしあなたが今平均給与以下の人だったとしたら、その要因は「個人」or「環境」の判断ができそうじゃないですか?

年収をあげるために世の中を知る(業界)

さてさて、どうでした?
あなたの会社で600万もらうには何歳くらい、役職は何である必要があるかとかイメージできましたか。

個人的には部長まで上り詰めても年収600万円程度なら「環境」悪すぎな気がします。だいたい誰でもそのうちなれる課長で600万円なら平均からすると割と普通。給与が高い業界だったら役職無しでも600万円なら20代後半〜30前半で超えそうです。

ちなみに私は新卒で損害保険会社に就職して27歳役職無しで700万円を超えてました(残業は多かったけど)。だけど当時の同じ大学の同級生は小売業界の人は400万円だったり、大手ガス会社で300万円台だったり(40歳になれば増えるもんと言ってましたが)。

私と小売で働いた友人(大学も学部も同じ)の給与差は300万円あったわけですが、私が300万円分優秀だったわけじゃないです。ご理解の通り、この300万円が「環境」の差ということです。

そして同じ国税庁の令和3年分「民間給与実態統計調査」による業種(環境)別の平均給与がこちら。

「転職して給与を上げるためには」という軸だとどういう業界を選んだら良さそうか見えてきましたね。

あなたの転職はどこを選ぶ?

さて、ここまでくるとざっくりと世の中の平均的なお金と環境が見えてきました。これらの情報から転職の作戦を考えてみましょう。

  • まず今の自分の給与が低いのは個人or環境どっち要因?

    • 環境Goodの高給会社ならそのままステイでスキルを磨こう!

    • 環境Badならどういう会社に転職するか考えてましょう

環境がGoodの場合

会社員の給与は評価が高い人ほど上がりますよね。
じゃあ評価が高いってどういうことでしょうか?

会社員の評価=実績×日頃の評価 です。

実績は簡単で、売上をいくら作った〜とか数字で結果が見えるもの。単純明快で事実による評価です。個人の判断基準が入らないので評価しやすい。

日頃の評価は、日頃の会話、会議で「こいつは信頼できるな」と上司に思われているかどうかです。例えば、「今週目標達成できそう?」という上司からの質問に対して、「たぶん達成できそうです!」と回答する人はヤバいです。「わからないです」という人は最低。。
信頼できる人はファクトとデータで話す人です。「目標達成見込みです。今日までの進捗は新規契約10件と目標まであと20件乖離ですが、週末に昨年30件契約できたキャンペーンセールを仕込んでいるので+10の40件契約で着地見込みです。」と返してくれたら、今の進捗ファクトも今後の予定も過去のデータから算出した予測であり安心して仕事を任せておけます。

環境がGoodの人はそこで高い評価がもらえるように頑張りつつ、さらい良い環境へ行く実力を磨きましょう。

環境がBadな場合

転職しましょう!w
転職で大切なことは最低でも今よりも環境をよくすることです。

  • 業界的に高給のところを選ぶ(年収低い業界で移動しても意味ない)

  • もしくは業界トップ水準の会社を選ぶ(年収低い業界でもトップ企業なら給与が平均以上になることもザラにある)

  • 最悪今年収があがらなくても将来給与があがりやすい環境に移ることが優先です

とりあえずこの3つを押さえて履歴書応募しまくりましょう。
もし年収を上げるという目標に対して、今いる環境で時間をかけて評価と給与を少しずつ上げていくという選択肢を考えているならオススメしません。
できるだけ早く良い環境に移って、そこで時間をかけて評価と給与を上げた方が何倍も「お金」がもらえるからです。

マネージャーになったら転職しよう、と考えている人もたまにいますが今行動しない言い訳にしている人が多いです。28歳なら若手で採用ハードルが低かったのに、30歳になると求められるスキルも経験もどんどん増えていきます。良い環境で過ごす2年と悪い環境で過ごす2年は会社員として身に付くものも違います。

私は損害保険会社を辞めた後自分で会社経営をしたのちに100人規模の中小企業に転職しました。売上が毎年200~300%伸びてます!というイケイケドンドンの会社でマーケティングをやりたかったからですが、給与は安かったです。ではなぜ転職したか?それは、経験を得るためです。

労働の報酬=おかね+経験

ここまでお金の話ばかりしといてなんですが、働いて得るものはお金だけではありません。お金もめちゃくちや大事ですが、「経験」も将来お金になって返ってきます。

私はイケイケドンドンの中小企業で1年間マーケティング経験を積み、上場企業に200万円以上給与アップして転職しました。

良い環境に移ることをオススメする理由はここにあります。良い環境はこれまでの経験に高いお金を払ってくれます。最近は円安で寿司職人は海外で働いたら同じ仕事でも何倍もお金がもらえるというニュースもよくやってましたよね。同じ仕事でも環境の違いを認識できるわかりやすい例です。
今すぐ海外で寿司職人にはなれなくても、銀座の一流寿司屋で薄給でも働かせてもらって1年経験を積む。そうすると海外で「あの有名な寿司屋で働いてたなんて!ぜひうちに来てくれ!」と言われるようになる。転職ってそんな一面があることを知っておいたら視野が広がりますよ。大事なのは良い環境の会社に潜り込むことです。そして、例え1回目の転職が薄給でも”良い環境で経験を積める”のなら迷わずいくべし!です。

今のBad環境からいきなり良いところに転職できなくてもいいんです。給与が低くてもワンクッション良い環境を挟むだけでその次大きく挽回できるのが転職です。ただ作戦もなく逃げの転職で田舎の三流寿司屋に転職してしまうと・・・お分かりいただけるかと思います。

この次のステップ

ここまで転職初心者の方もなんとなく進むべき方向性が見えてきたのではないでしょうか。(伝わってなかったらごめんなさい)

イメージができたら次は具体的にどう進めていくか、です。
偉そうに記事を書いてますが私も400社落ちたことのある伝説級の経験をしていますw
そうした経験を書いているものを↓に貼っておりますのでぜひ読んで良い転職の役に立ったらうれしいです。

これからも週1更新を目標にしておりますので、引き続きよろしくお願いします。

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