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『永続革命論』トロツキー

はじめに:プロレタリアート主導の革命

本日はトロツキーの著作を紹介する。トロツキーは本書にて、プロレタリアート主導による社会主義革命を説いた。

トロツキーといえば、スターリンを含むレーニンのエピゴーネン達と激しい論争を繰り広げた人物でもある。そのトロツキーが本著でどのような主張をしたのか、紐解いてゆきたい。

異郷から来た女史が何者か知りたい人はこれを読んでくれ。

そして、女史のnoteをどう読むか、こちらを参考にしてくれ。

永続革命論:革命の永続性

永続革命論の根本原理は、発展途上国での民主主義への道は、プロレタリア独裁を得る、というものである。

そして、永続革命論は3つの特徴を持つ。

1つ目は、民主主義革命と社会の社会主義的改造との間に革命的発展の永続性が生じることである。民主主義革命が起これば社会主義的構造が変化し、社会主義的構造が変化すれば民主主義革命が起きる、ということである。

2つ目は、不断の内部的闘争を通じ、一切の社会的諸関係が刷新されることである。社会は、政治的な内部闘争を絶え間なく行っており、内戦や外部戦争が勃発する状態と平和的な状態が交互に入れ替わっている。故に、社会に均衡が訪れることはないとトロツキーは主張する。これにより、永続的に社会的諸関係が刷新され続けるというのである。

3つ目は、社会主義革命は国際的性格を持ち、1国に留まらないということである。社会主義革命は、世界の人口構造及び経済状況の影響を受けて生じる。故に、1国で社会主義革命が起これば、その影響は永続的に他国に波紋していくのである。

レーニンとの相違点:農民かプロレタリアートか

トロツキーの永続革命論と、レーニンの革命論の決定的で最大の違いとして、革命の主導者が挙げられている。

トロツキーは、農民に結党し、革命を主導し、独裁政権を立ち上げる能力はないと判断した。今までの農民たちの決起の失敗等を見てきて、トロツキーは農民の結集能力の低さを痛感したからである。よってトロツキーは、全ての革命は農民の支持を受けたプロレタリア―トの独裁によってのみ行われると主張した。

一方でレーニンは、農民にもプロレタリアートにも、十分に独裁を行う能力があるとした。レーニンは、社会主義革命が農民もしくはプロレタリアートのどちらが主導して起こすか、明言しなかったのである。

これが、レーニンとトロツキーの違いであった。レーニンが曖昧にした部分を、トロツキーが明確に言い切ったのである。そしてトロツキーはこの部分にて痛烈な批判を多くの人々から後世で受けることになるのであった。

おわりに:農民に依拠したプロレタリアートによる革命

トロツキーが、農民の結党能力をスッパリ切捨てたことに、女史は賛同する。当時の農民に、結党して革命を起こす能力がなかったのは明確である。

故に、彼らの独裁革命という可能性を切り捨て、プロレタリアートの革命を支持するように農民を導くことが当時は最も効果的だったはずである。

トロツキーは周囲から多くの批判を浴びることになってしまったが、女史はロシア革命の登場人物の中では、断トツにトロツキーが好きである。彼の永続革命論のキレの良さ、スターリンとの闘争、実に興味深い。

刺激が欲しい皆さん、トロツキーの著書を読んで、革命の熱風を感じてみてはいかがでしょうか。


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