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外資系ファンド→外資CVC→マザーズ上場企業の役員(新規事業担当)→東証一部上場企業の…

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外資系ファンド→外資CVC→マザーズ上場企業の役員(新規事業担当)→東証一部上場企業の経営企画(M&A・新規事業)で、フィンテック系の新規事業で様々な資金調達を経験したり、買収ファイナンスなどに触れてきました。ただいまリモートワークで育児と仕事を兼務しながらノート書いてます。

マガジン

  • 国内回帰/Japan Domestic Made

    グローバルな急激な市場変動、地政学リスクの上昇の影響で、製造や調達の国内回帰の検討が進んでいます。このNoteでは国内回帰の様々な事例やデータなどを分析していきます。

最近の記事

著名人とSPACとの関わり:NBAシャック、テニスのセリーナ・ウィリアムズ、元ロッテ監督ボビーも

連日のようにSPAC上場やSPAC合併が報道され、昨年に引き続き今年も米国の資金調達市場はSPACが大ブームになっています。 そのような中で、米国証券取引委員会(SEC)は2021年3月10日の「投資家への注意喚起("Investor Alerts and Bulletins")」において「著名人が関わるSPAC」について、「著名人が関わるからといって、決して良い投資案件とは言えない」というアラートを出しました。 SPACは空箱の状態で上場し、個人投資家から直接の資金調達

    • ソフトバンクが3本のSPACを上場:調達総額は1000億円以上

      ソフトバンクは3月9日に2本のSPACを同時上場させました。SVF Investment Corp 2とSVF Investment Corp 3はNASDAQに上場し、AI領域のスタートアップへの買収を目的に4億8000万ドルを調達しました。 同社のSPAC第1号であるSVF Investment Corpは2021年1月に上場しており、1号ファンドは総額6億ドルを調達しました。ソフトバンクはこれら3本のSPAC上場を通じて10億ドル以上の資金を調達したことになります。

      • 民間ロケット製造メーカーの真打ち:Rocket LabがSPACを通じて上場を発表

        毎日のようにSPACの上場や合併発表のニュースが出てきており、フォローしきれない状態です。しかし、3月1日に新たに発表されたSPAC合併は、また新たなSPACの可能性を感じさせてくれます。 ロケットの製造・打ち上げスタートアップでも、Space Xに続く真打ちともいえるRocket LabがSPAC合併を通じて上場すると発表されました。 宇宙関連では、イギリスの起業家リチャード・ブランソン氏が立ち上げた宇宙旅行ベンチャーのVirgin Galactic(以下写真)が201

        • EVメーカーの Lucid MotorsがSPAC上場に合意。SPAC過去最大の案件に

          Tesla(テスラ)の元チーフエンジニアのPeter Rawlinson(ピーター・ローリンソン)氏が率いるLucid Motors(ルーシッド・モーターズ)がSPACを通じて上場することを公表しました。 上場後の時価総額は240億ドルとなり、United Wholesale Mortgageが行った160億ドルの合併を超えてSPAC史上最大のSPAC上場になります。 合併するSPACは、Churchill Capital Corp IV (CCIV)という2019年6月

        著名人とSPACとの関わり:NBAシャック、テニスのセリーナ・ウィリアムズ、元ロッテ監督ボビーも

        • ソフトバンクが3本のSPACを上場:調達総額は1000億円以上

        • 民間ロケット製造メーカーの真打ち:Rocket LabがSPACを通じて上場を発表

        • EVメーカーの Lucid MotorsがSPAC上場に合意。SPAC過去最大の案件に

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        • 国内回帰/Japan Domestic Made
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        記事

          ルイヴィトンCEOが欧州でSPAC設立。SPACの波が欧州・シンガポールへ波及。日本はどう対応するのか?

          2020年、米国でIPO資金調達の半分以上がSPACのIPOによるものとなり、SPAC旋風が起こりました。2021年も、2月現在で190のSPACが上場し、資金調達額は、既に昨年の半分にもなっており、勢いは衰えるどころか、加速しています。 その中で、欧州でもSPAC設立の動きがでてきました。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン会長のベルナール・アルノー氏や欧州の有力投資家が中心となり、オランダ・アムステルダム証券取引所でSPAC上場を計画していることがニュースになっています。

          ルイヴィトンCEOが欧州でSPAC設立。SPACの波が欧州・シンガポールへ波及。日本はどう対応するのか?

          トヨタ出資のe航空機Joby AviationがSPACで上場か:評価額は57億ドル

          Joby Aviation(ジョビー・アビエーション)は、昨年トヨタがリードしたラウンドで5億9000万ドルを調達し、Uberの空飛ぶタクシー事業であるUber Elevateを昨年買収した会社です。 同社は100%電動の垂直離着陸機(eVTOL)を開発しており、2023年にeVTOLでタクシー事業への進出を計画しています。 2月13日のFinancial Times紙の報道によると、上場を目指してSPACとの合併交渉をしていると報じられました。 合併相手と噂されるSP

          トヨタ出資のe航空機Joby AviationがSPACで上場か:評価額は57億ドル

          マイクロモビリティ・スタートアップのHelbizがSPAC経由で上場。評価額は$408MM

          Uber Eatsなどのデリバリーサービスなどの普及や、シェアエコノミーの拡大、環境配慮などの背景からマイクロモビリティのサービスも興隆しています。 欧米では電動キックスターターのシェアサービスを提供するLime(ライム)やBird(バード)などが大都市を中心に普及しており、日本ではドコモのバイクシェアなどは都内の至る所で見かけるようになりました。 自分もドコモのバイクシェアの定額会員で、通勤に日常的に使っていますし、パリに出張したときには基本パリ中心部の移動はLimeを

          マイクロモビリティ・スタートアップのHelbizがSPAC経由で上場。評価額は$408MM

          e航空機のArcher AviationがSPACを通じて上場へ

          電動垂直離発着機(eVTOL)の製造スタートアップである、Archer Aviation(アーチャー・アビエーション)が、UBSの投資銀行部門を率いたこともある著名な投資銀行家のKen Moelis氏が設立したSPACである「 Atlas Crest Investment Corp. 」との合併を通じて公開企業となることを発表しました。 同時にユナイテッド航空をはじめとした複数の事業会社やファンドからも資金調達を実施し、2023年に予定されている本格的な商業生産に向けての準

          e航空機のArcher AviationがSPACを通じて上場へ

          日本のスタートアップがNASDAQに上場するおそらく最速の近道:日本企業を対象としたSPAC 「Evo Acquisition Corp」とは

          2月10日付けの日経新聞でも取り上げられていた、日本企業を合併ターゲットとした「 Evoアクイジション」のフォームS1が発表され、このSPACの上場条件の詳細が明らかになってきました。 今回はこのEvo Acquisition Corpについて深堀りしたいと思います。 日本企業対象の買収目的会社Evo、米で上場へ https://www.nikkei.com/article/DGKKZO68983770Z00C21A2EE9000/ Evo Acquisition Co

          日本のスタートアップがNASDAQに上場するおそらく最速の近道:日本企業を対象としたSPAC 「Evo Acquisition Corp」とは

          仮想通貨取引所のCoinbaseがダイレクトリスティングで上場の見込み

          テスラが15億ドルをビットコインに投じ、今後、長期的に暗号資産を投資・保有する可能性があることを発表しました。これを受けて、ビットコインの相場は過去最高の4.2万ドルを突破しました。 一時は下火になっていた仮想通貨の市場も、昨年来より息を吹き返し、空前の投資ブームも相まり過去最高値の更新を続けています。テスラのような企業が自社の資産として暗号資産を保有する企業が増えていることも仮想通貨が市場が上昇基調にある一因にもなっています。 Coinbaseが上場申請Coinbase

          仮想通貨取引所のCoinbaseがダイレクトリスティングで上場の見込み

          SPAC上場企業は株式市場で生き残れるか?

          昨年来より米国のIPO市場でSPACが大きな注目を浴びていますが、SPACがまだまだ未成熟な投資ビークルであり、SPACブームに対するリスクの懸念も高まっています。 米国のテック系ニュースメディアのThe Informationの1/29の記事では、SPACのリスクに対して警鐘を鳴らしています。 As SPACs Search for Merger Candidates, Risks for Investors Grow https://cutt.ly/gkzrxvn

          SPAC上場企業は株式市場で生き残れるか?

          SPACとVCは共存できるか?

          2020年末の時点で、実に260件ものSPACが上場しており、SPACバブルとも言える年になりました。 上場したSPACは、2年以内に優良な未公開会社を見つけ、合併を通じて対象の未公開会社を上場させることが求められます。これら250ものSPACが、積極的に上場前の優良スタートアップにアプローチし、合併交渉に入っていくことになります。 しかし、このようにSPACの活動が積極的になると、従来スタートアップの資金供給元であったVC、特にレイターステージをターゲットにしたVCと喰

          SPACとVCは共存できるか?

          WeWorkがSPACを通じて上場?

          なにかとお騒がせなWeWorkですが、1月28日のWSJの記事でBow Capital Management LLCを含めて、複数のSPACから合併の提案を受けているとのことです。上場を実現すれば100億ドルにも登る案件になることになるかもしれないとのことです。 ちなみにBow Capital Managementは、Tibico Softwareの創業者であり、NBAのサクラメント・キングスのオーナーでもあるVivek Ranadivé氏が創業したカリフォルニアのVCファ

          WeWorkがSPACを通じて上場?

          人気のゲームアプリRobloxから見えるダイレクトリスティングの魅力とは?

          巣ごもり需要で急速に伸びている米国のゲーム会社 Roblox(ロブロックス)が昨年11月に上場申請し、日経新聞でも当時取り上げられていました。 子供に人気のRobloxが上場申請 コロナでゲーム活況 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66522510R21C20A1EAF000 ロブロックスはユーザーが気軽に3Dゲームを作って配信し、遊べる仕組みを作っているプラットフォームです。 日経記事にある通り、コロナの巣ごもり需要で、急速に

          人気のゲームアプリRobloxから見えるダイレクトリスティングの魅力とは?

          F1オーナーのリバティメディアがSPACで500億円調達

          F1系の記事でSPACに関するニュースをみるとは思いませんでした。 F1オーナーのリバティ・メディア、さらなる買収を計画? 500億円以上の資金を調達へ(motorsport.com) https://jp.motorsport.com/f1/news/f1-owner-liberty-media-raises-500000000-for-buying-spree/5170497/ F1の興行を主催している米大手メディア・エンターテイメント企業のリバティ・メディアが1月2

          F1オーナーのリバティメディアがSPACで500億円調達

          上場SPACの株価のいま:SPAC投資家はリターンを得られているのか?

          昨年より、SPACを通じた上場が米国の株式市場を賑わせていますが、果たして上場後にSPACがどれだけリターンを出せているのか、いまいち情報が少なくありませんか? IPOの世界でも「上場ゴール」といわれ、鳴り物入りで上場した挙句、その後上場時の株価を上回ったことがない企業が見られます。せっかくIPO株を運良く割り当てられても、ずっと塩漬けになったまま、発酵して美味しくなるのをひたすら待つといった感じになります。日本でも一時期、「上場ゴール三銃士」と揶揄された会社がありましたね

          上場SPACの株価のいま:SPAC投資家はリターンを得られているのか?