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戦略人事のニューヒーローは『HRディレクター』だ。

こんにちは。現役人事のいっきです。

人事職のみなさん、『 HRディレクター 』ってご存じですか?

あまり馴染みのない言葉かもしれません。

それもそのはず。

僕がいまやっている仕事を言語化してできた言葉なんです(笑)
とはいえ、誰かしら使っているだろう・・・と思い検索しました。

▽検索結果▽

「HRディレクター」で検索した結果

おおお!
まさにこんな感じの仕事です。

実はこの『HRディレクター』という仕事。外資にはよくみられます。つまり、人的資本経営や戦略人事に大きく影響を及ぼすジションなんです。

この記事では、『HRディレクター』という職業を考察することで、人的資本経営や戦略人事を実現するヒントを探っていきます。

筆者紹介
・中堅IT企業の人事本部管理職(HRディレクター)
・元上場企業のマーケティング課長


HRディレクターの業務内容


これを参考に僕の役割を言語化します。

CHROの指揮の下、弊グループの中期目標に沿った人事戦略を構築し、具体的なアクションを行う。各部門と連携してプロジェクトを管理し、従業員のポテンシャルを最大限発揮するためのシステム構築・運用、及び採用活動をリードする。

中期目標に沿った人事戦略を達成するための、具体的なアクションを管理するのが『HRディレクター』なわけですね。

実際、僕が手掛けている業務は次の通りです。

  • 弊グループの人事戦略立案

    • +具体的なアクション

      • 各部門の戦略、アクションを明確化し各部長におろす

      • その具体のアクション管理及び助言

      • 特に実行が難しいor当該部門が自力で動かせないプロジェクトに直接介入しリードする

        • 社員のエンゲージメント向上施策立案・実行

        • ミッション、ビジョン、バリュー浸透による組織活性化への取り組み

        • 経営目標を達成するための採用戦略の補佐

        • 企業・採用ブランディングの戦略立案及び実行

        • 採用、人事制度、評価制度、福利厚生制度の横断的な運用、見直し、最適化

        • 人事メンバーのマネジメント(評価を含む)

        • 本部定例会議、幹部会議のファシリテーション

なんかいろいろやってますね。
何でも屋さんです。
いや、ゼネラリストです(ドヤ

ほんと、あちこちに首をつっこんでます。

特徴的なのが、関わる人の多くが人事本部の人間である点です。基本的には人事本部内の各部長・課長を動かしてこれを遂行するので、僕が直接、本部外の人とかかわることはありません。

そのため『 HR for HR 』としての役割も持っています。



『 HR for HR 』としての役割


人事のための人事 です。

人事本部スタッフの成長基盤を整備し、ポテンシャルを最大限発揮できる環境をつくるのが役割です。組織目標を達成するために最適な経営資源を整えるのが僕の仕事です。具体的には、情報の円滑化や人の配置・採用、モチベーション管理、教育。ツール調達のための要件定義・・・などです。

変化の激しい現代において、経営戦略を実現していくには経営戦略と紐づいた適切な採用や育成・配置、評価などを行う必要があります。

いわゆる『戦略人事』を展開する必要があるわけですが、人事には複数の機能があり、その機能ごとに部門が分かれるケースが一般的です。各部門同士が連携を取り、横断的に施策が展開されるのが望ましいですが、どうもこれが難しい・・・。さらにCHRO(もしくは本部長)と各部長といった縦の連携、部長同士の横の連携、部長からその配下への連携・・・といったように、縦と横が連動していないケースも起こりえます。この状態では、戦略人事が成立することは到底ありません。つまり、企業成長は実現しません。

これを解決する主役が『HRディレクター』です。

人事組織内における各関係者間に介入し、経営資源(ヒト・もの・金・情報)の流通を円滑にします。
・ドロドロの血はサラサラになり(経営資源が整理され)
・血のめぐりがよくなり酸素がいきわたり(組織は活性化し)
・細胞が本来の働きを取り戻します(人材がイキイキと働きだします)

結果、ビジネスに強烈なインパクトを与えることができるのです。

「戦略人事を実現したい!だけどどうも縦・横の連携がうまくいかない」という企業ほど、HRディレクターを据えるのがオススメです。

HRディレクターに必要なスキル


さいごに、HRディレクターに求められる要件を記述します。

  • 人を巻き込む力

  • 目的ドリブン

  • ロジカルシンキング、クリティカルシンキング

  • 資料作成スキル

  • マーケティングや財務などの経営周辺の知見

  • マネジメント、コーチングスキル

  • 幅広い人事知識

ディレクターとは、いわゆる現場監督者です。現場監督は全体像を把握し、ゴールから逆算してスケジュール通りにそれを遂行する力こそ求められます。建築現場に例えるとイメージしやすいです。建物の設計は建築士が行いますし(建築士が現場を監督するケースもある)、建築そのものは職人が行います。現場監督自身に彼ら以上の知見を持ち合わせる必要はありません。そこはその道のプロがいるからですね。

HRディレクターは人事領域における深い知見よりも、ディレクションスキルの方が大事だということです(人事の知見があるに越したことはない)。人を動かし、さらに組織という束にして成果を出すには、高度なディレクションスキルと卓越した人間性が必要だと言えるでしょう。

だから人を巻き込む力を一番上に記載しました。このあたりに情熱を持てる人が向いていると感じます。


さいごに


ここまでお読みいただきありがとうございます。自分の仕事を整理したくて言語化してみましたが、思いのほか気づきがありました。

ディレクターとは、例でも紹介したように現場監督やwebディレクターが一般的です。しかしHRディレクターというと国内では一般的ではありません。人事専門の「人・組織を動かすプロ」なので、非常に面白い職業だなと感じました。

人的資本経営が注目される現代において、HRディレクターこそその実現の鍵を握る人財でしょう。僕はここに可能性を感じています。特に、僕が所属するような中堅企業(1000人未満)ほど人事人材が足りておらず、結果、戦略人事の実践に苦戦していることかと推察します。そんな企業さんほどHRディレクターは真価を発揮するでしょう。ご興味がある方はコメントください!情報交換したいです。

「人・組織が前進するきっかけをつくる。」

今日も、現実を動かしましょう。

ではまた!

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