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「まず、知る。」


ウンベルト・エーコ 、ジャン=クロード・カリエールによる共著・「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」を読んだ。

イタリアの哲学者であり小説家でもあるエーコ、
フランスの脚本家・作家であるカリエール、

本を創り、本を集め、本を読んできた二人の知の巨人が本について対談したものをまとめたのがこの一冊。


読めば二人の広く深い知識に感心するし物事の見方が参考になる。

それになんと言っても本というコンテンツの凄さと読書の大切さを実感できる。(装丁が素晴らしいからリアル本がオススメ。)



この本の中でエーコは、知るということは本当に大切なことか?という質問に対して

「人生において基本中の基本だと信じている。
最大多数の人間が過去を知るべき。
過去はあらゆる文明の基盤だからね。」

と語っていた。

これだけ広く深い知識があり多角的に物事を見れる人が「知る」ことは、人生において基本中の基本レベルで大切なことだと言っていたことに嬉しくなった。

俺が今力を入れて取り組んでいる読書に対して、頭の良い凄い人が肯定的だったからとかではないんだけどもっと本を読んで色んな事を知ろうと決めた。



「まず、知る」って本当に重要なことなんだよね。

例えば、

色んな人の生き方を知れば、こんな生き方もできるんだ・こんな生き方をしても良いんだとわかり生きる上での選択肢を増やすことが出来る。

これは俺的にかなり重要なことだと思っている。

だって、現代は終身雇用なんてものは無い。

会社は最後まで面倒なんて見れませんよと言っている社会になった。

正直、それは別に良いとして問題はそんな社会になっているのに未だに会社に縋ることしか考えていない多数の人間だ。

そしてもっと問題なのは、そんな人間・そんな思考を作っている学校教育だ。

昔(高度経済成長期)は会社に務めることを考えるだけで・今の学校教育だけで無難に生きられた。

でも、人生100年時代と言われている現代で会社員思考じゃまともに生きてすらいけないでしょ。

仮に60歳65歳で定年を迎えたとしてもまだまだ人生は長い。

その時に、会社に縋ることしか考えないで知識も技術も付けないままいた人間は終わるよ。

だから、若い頃から色んな生き方・色んな可能性があることを知るべきなんだ。

会社員という生き方だけじゃないんだからもっと色んな選択肢に目を向け挑戦するべき。

多くの生き方を知るだけでも人生の幅は広がるよ。




それに、エーコも語っていたように過去を知ることだって超重要だ。

過去、どんな栄光と衰退を繰り返してきたのか?を知ることで今に活かすことが出来る。

それはスケールの大きな人類史でも考えられるし、自分の人生を振り返っても考えることができる。

過去はこういう失敗をしてきたから、次はこうしてみようと戦略を立てることが出来るでしょ。

単純なんだけど、これをしている人は少ないんじゃないかな。

確かに過去や長い歴史を知ることは大変だしそれをシカトして新しいことをしたいって考えるのはわかるんだけど、

過去や歴史を学ばず、先人たちが何を目指し何を実現させて結果どうなったのか?否定しようとする対象の内容を知らないと何も新しいものなんて生まれないでしょ。

逆張りを狙うのもいいけどそれが出来る人は、今のトレンドや歴史をしっかり抑えている人だけ。



「知る」は、人生において基本中の基本レベルで大切なことなんだ。

まず、知ろう。


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