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【映画レビュー】父、母、娘、家族=チームとして夢を達成した『ドリームプラン』

おはようございます。

池田諭史です。

先日、知人に勧めていただいた『ドリームプラン』を観に行ってきました。

僕は最初、あらすじを知らぬまま観ていたので、まさかテニス界のレジェンドである”ビーナス・ウィリアムズ”と”セリーナ・ウィリアムズ”の最強姉妹のお話とは思っていませんでした。

1990~2000年代のテニス界での女王として君臨し続けた2人ですが、順風満帆にきたわけではないことが分かる内容でした。
簡単にですが感想を交えレビューをさせていただきます。


1.主役はテニス経験がない非常識な父


実話を元に映画化されたとのことで英語圏でのタイトルは”king Richard”

ビーナス、セリーナの父親である”リチャード”がこの映画の主役になります。
なおリチャード役を演じているのが”ウィル・スミス
確かにこの人が出た映画は面白い作品が多い。

あの姉妹の父だから元プロとかなのかと思ったら、夜に警備員の仕事をしており、プロ経験はなく独学でテニスを学び娘たちに教えている。

そして彼はタイトル通りのプランを、娘が生まれてくる前に立てた78ページに及ぶプランを実行していた。

そして自分の発言を曲げない、行動も常識にないことばかり行い、傍から見たらいい話が舞い込んでも、自分の考えたプラン通りでない、相手が娘を売ることしか見ていないと思ったらダメだと突っぱねるので、周囲からは変人扱いされる。
ですが、とある過去から力と教養を身につけないといけないと悟り、その信念を信じ、娘たちに教えているのです。

結果を出す人ほど非常識な考え方をお持ちです。

2.妻であり母である強さとすごさ

父を支える妻であり5人娘の母である”オラシーン”
彼女の支えがあってこそだなとわかるシーンがいくつもあ。
彼女も昼は仕事にでて生活費を稼ぎ、独学でテニスを学び娘に指導をする。
二人三脚で行っているが、彼女もまた強い信念を持っている。

近所の方から教育面に問題があると通報されたが、ちゃんと教養を教えている上に、通報したと思われる家に出向き、意見を伝えに行く。

リチャードが周りの意見を聞かない時でもオラシーンが強く意見を伝えることでリチャードすら言うことを聞く。

そしてすごいと感じたのは、彼女は彼女の目的で娘たちにテニスを教えているのであって決してリチャードの為ではないと発言したこと。

母は強し。

3.あきらめなかった妹

映画の物語のスポットは姉のビーナスにあたってばかりでセリーナは日陰の存在。
最初に受け入れたコーチも姉だけを無料で指導となり、セリーナは選ばれなかった。

普通ならここで才能がないと諦めて違う道に行っても不思議ではないが、それでも彼女は耐えに耐えてプロになった姉を追う。

そしてエンドロールで流れた実際の戦績はテニス界の史上最高タイトルである”グランドスラム”を23回も達成とぶっちぎりで姉を超える戦績を歴史に刻む。

諦めないでやり続けることの大事さを体現した選手だったのでした。


4.非常識な言動を受け入れたコーチの器の広さ

リチャードの非常識に振り回されたのは一緒に戦うコーチ。
最初のコーチはリチャードの非常識さにあきれ破棄をしました。

次に出会ったコーチもリチャードの非常識に振り回されっぱなしでした。

これまでの常識なら才能があるうちにジュニア大会にださせて経験とスポンサーを掴ませるのが一般的だが、リチャードの考えはプロにするという考えで動いていたので、当然コーチの話は聞かない。

スポンサーが来ても、突っぱねる姿勢を見てあきれる、普通なら耐えられません、ですがそれでもコーチは止めなかった。

そして信じた結果、リターンが半端じゃない状態になったのは言うまでもないですね、あの姉妹を育てたコーチですから。

5.家族=チーム

そして印象的だったのは、オラシーンがリチャードと言い合いになる時に、

「私たちはチームよね?」
『家族だ』
「家族ってことはチームよ」
と家族でありつつチームで動いているということで、一人でプランをこなしているのではなく、家族みんなで動き、意見を出し合い進んでいくことの大事さを伝えている。

もしリチャードの意見に母、娘たちが1つでも信じられなくなっていたらとても成功はしなかったことでしょう。
家族=チームという絆があったからこそだと思います。

6.リスペクトと正々堂々と生きる

リチャードは大会で勝利後のビーナス、セリーナに向かって勝利は喜んではいいが自慢はするなと伝える。
対戦相手に対してもリスペクトしろと教養の大事さを伝える。

そして物語最後の試合、ビーナスはプロになり現世界ランク1位と戦い敗れたのですがこの試合、チャンピオンのほうが試合巧者といえば聞こえがいいが、あえて中断時間を長くして相手のリズムを崩すという1位の選手らしくない戦い方をされて敗れ、ビーナスは勝てる試合だったと涙をこぼす。

そこでその時のリチャードがかけた言葉がすばらしかった。
「お前はよくやった、そんな自分自身をリスペクトしろ」

気持ちを切り替えたビーナスの帰りを待っていたのは、この試合でファンになった方々の行列でした。

本人は正々堂々と戦い敗れたからこそ、心打たれた人たちがファンになったのだとわかるシーンがとても印象的でした。

さいごに

テニス界の歴史を変えたと言われる2人の実話。
当時テニスといえば白人がするものと人種的な問題があった時代でしたが、それを見事常識を変えたのが素晴らしい。
この映画のタイトルどおり、プランを立てて実行していくことの大切さがよくわかります。

そして日本語訳のタイトルが”ドリームプラン”
日本人向けに受けがよさそうなタイトルだなと頭をよぎったのもあるが、タイトルも本編の内容も翻訳された方のセンスが素晴らしいと思いました。

自分自身も人生のプランをしっかり練って計画に落とし込んでいきます。

以上、ここまで読んでくださりありがとうございました。
ではまた。

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