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読みがえり

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読んだ本のレビュー(書評)をまとめています。雑多な書棚ですが、興味があればどうぞ!※注意🚨紹介している本を一度読んでから開くのをオススメします。限りなくネタバレに近いので笑笑
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#自己啓発

読書:『君主論』N.マキアヴェリ

読書:『君主論』N.マキアヴェリ

①紹介

イタリアの政治思想家ニッコロ・マキアヴェリによる『君主論-新版』(池田廉訳、中公文庫、2018年)を紹介します。目的のためならば手段を選ばない。その権謀術数的な考えは「マキャベリズム」として現代に定着していますが、実際の彼は決して非情ではなく、むしろ冷徹な視点を以て人間観察に徹した人物です。本書を読むうえでの注意点はそこでしょう。


②考察

● 「人間は、恐れている人より、愛情をか

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読書:『失敗の本質』戸部良一ほか

読書:『失敗の本質』戸部良一ほか

①紹介

社会科学者の戸部良一氏を含む6人の学者ら(残りは寺本義也、鎌田伸一、杉乃尾孝生、村井友秀、野中郁次郎)による『失敗の本質-日本軍の組織論的研究』(中公文庫、1991年)を紹介します。日本軍はなぜ敗けたのか?原因は敵国アメリカが強大だったからではなく、日本軍という組織の内部にありました。非常時における報連相がいかに重要であるかを説く経営学の古典的名著です。


②考察

● 「日本軍の戦

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読書:『論語』齋藤孝訳

読書:『論語』齋藤孝訳

①紹介

儒教の開祖・孔子。その弟子たちがまとめた言行録『論語』(齋藤孝訳、ちくま文庫、2016年)を紹介します。それは数千年の時を超えて今なお読み継がれている古典的名著。「温故知新」をはじめとする名言の数々は、こじれた人間関係を見直すきっかけになるかもしれません。

②考察

●「人の己れを知らざるを患えず、人の知らざるを患うる也」
➢「自分がわかってもらえないことを嘆くより、自分が相手を理解し

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読書:『21 Lessons』Y.N.ハラリ

読書:『21 Lessons』Y.N.ハラリ

①紹介

イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ氏による『21 Lessons-21世紀の人類のための21の思考』(柴田裕之訳、河出文庫、2021年)を紹介します。『サピエンス全史』と『ホモ・デウス』がそれぞれ人類の過去と未来を語っているのに対し、本書が指し示す地点は「今、ここ」です。情報が錯綜する現代に私たちが生きる意味を21あるテーマの中から探してみませんか?


②考察

● 「人間の

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書評:『FACTFULNESS』H.ロスリングほか

書評:『FACTFULNESS』H.ロスリングほか

①紹介

スウェーデンの医師ハンス・ロスリングと彼の息子オーラ氏、その妻アンナ氏の三者による『FACTFULNESS-10の思い込みを乗り越え、データを素に世界を正しく見る習慣』(上杉周作・関美和訳、日経BP社、2019年)を紹介します。世界はそれほど悪くないと考えるためには。三十数年にわたる著者の経験が生んだ最強のデータ活用術が今ここに。

②考察

● 「人はドラマチックな本能のせいで、(略)

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