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女の友情って何だろう?虚構の関係、異常な執着、他人との距離感。

柚木 麻子 著「ナイルパーチの女子会」を読みました。

  • 「女の友情」

  • 「アラサー」

  • 「ブログ」

  • 「仕事」

  • 「他人との距離感」

  • 「親子関係」

以上のキーワードに一つでもピンときたら読む価値ありです。
以下、ネタバレを含む感想なので、未読の方は注意です。

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大手商社に勤める栄利子は、ザ・優等生。
人気ブロガーで専業主婦の翔子は、怠惰でズボラ。家事は手抜き。
性格もキャリアも正反対の2人が中心となるストーリーです。

開幕はアラサー女子の友情を書いた爽やかな物語と思いきや、
徐々に歪んだ女の本性が姿を現します。

どう考えても正常とは言えない関係性を「友情」と言い張る女。
バグった価値観で暴走し、巻き込まれていく周囲。
徹底的に逃げ道をふさがれて追いつめられていく恐怖。

本書のテーマは「女同士の友情」ですが、
登場人物たちの会話、行動、思惑は
友情とは正反対の「戦い」そのものです。

途中まで優勢に立っていたと思った女が、
一気に劣勢になったりと、
女たちの戦況はコロコロ変わります。

狂っているとしか言いようのない女はますます狂っていきます。
女たちの思考と行動がぶっ飛んでおり、
常時クライマックスを迎えているようなスリルがあるのですが、
その分リアリティに欠ける印象があります。

  • 異常で現実離れした思考回路の登場人物たち

  • 罠にはめられたり自滅することで、選択肢を奪われて身動きが取れなくなる絶望感

以上の要素に耐えられず離脱する人は少なくないかもしれません。
万人にオススメできるとはちょっと言いにくい、人を選ぶ小説です。


小説にどっぷりハマることができるのは最上の幸福である

他人にオススメするかどうかはともかく、
私はどっぷりとハマりました。

それはもう、現実と小説の境目が分からなくなるほど
夢中になってむさぼり読みました。
ここまで小説にのめり込んだのは数年ぶりです。

小説に没入できるかどうかの大事な要素として
登場人物に感情移入できるかどうか
があります。

本作品は異常な人間が複数登場するため、
感情移入できないという人もいるかもしれません。

本作品全体を通して鍵となる重要な要素に
「ブログ」
が挙げられます。
noteやブログを書く方が読んで損はない作品だと思います。

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