金木犀も散りまして

金木犀の香りを独り占めするために深夜徘徊したのがつい先週。

街の至る所に漂っていた甘い香りはもうしない。

余談も余談だが、小一時間ほど散歩して家の前まで戻ると、玄関の2m先に金木犀の木を発見した。

求めていたものが目と鼻の先にあったのだ。灯台下暗しとはこのことである。

最近の悩み。年相応の服装が分からない。

服装は本来、容姿主導で決定するべきだ。

僕は低身長で童顔なので、恐らくまだ20代前半の男性っぽい格好が許される。

許されるし、普段そんな感じのファッションだ。

夏場はオーバーサイズのTシャツとぶかぶかのデニムにコンバースのスニーカー、キャップとサングラスまで装備して街に出ていた。

どう考えてもアラサーの服装ではない。

僕の年齢を知らない人ならまだしも、知っている人が見たら「ちょっと痛い」と思うに違いないし、多分思われている。

年相応の言動なら分かるのだ。

人と話す時は考えてから口を開く。

加えて、怒らない。過度に興奮しない。一定の冷静さを保ち、落ち着いた動きを見せる。

ある程度掴んだ自分という人間の生き方の道筋から、なるべく外れない。

それはいいとして。

諸先輩方にお伺いしたい。服装っていつから年齢主導にすべきでしょうか。

60代のおじいちゃんがポロシャツを着るように、30代に突入したらジャケットとか着ないといけないのでしょうか。

アラサーはバンドTシャツを着てはいけないのでしょうか。

ピアスやネックレスの着用は不可でしょうか。ギリギリ可でしょうか。

革靴でなければダメでしょうか。

名の知れた腕時計を装着すべきでしょうか。財布は、バッグは、キーケースは。

現金は3万円以上持ち歩くのが正解ですか。

教えてください。誰か僕に。僕に年相応を教えてください。

そもそも、金木犀の香りを追い求めて深夜に街を彷徨い歩くのは、年相応でしょうか。

やはり僕は痛い人間なのでしょうか。

誰か教えてください。

おやすみなさい。