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原材料に大豆が無いと醤油じゃない

今日も数ある投稿の中で私の投稿をご覧いただきましてありがとうございます。ちょっとシリーズでご紹介している「お醤油」についてです。

前回までお醤油の種類と製造方法、生(なま)醤油と生(き)じょうゆ、減塩醤油についてご紹介してきました。(文末にリンク貼っておきます。)

タイトルの通り、JAS法では大豆としょうゆ麹を原料として使ったものだけ
醤油と呼べます。

この大豆と言っても実は「丸大豆」、「脱脂加工大豆」と言ったものがあります。今日はこの原料の

「大豆」

に焦点を当ててみたいと思います。

丸大豆と脱脂加工大豆の違い

丸大豆

丸大豆は昔ながらの球体のまま使用しているものです。大豆には約20%の油分が含まれていて、醤油を作る工程できあげ醤油の上部に浮いて来ます。この”しょうゆ油”は二次利用され石鹸や切削用等に使用されいたようです。
現在市場全体に流通している醤油の20%が丸大豆が使用しています。

丸大豆を使った醤油は大豆中の油は発酵の途中で

水溶性のグリセリン

不溶性の脂肪酸

に分解されます。不溶性の脂肪酸は取り除かれますが、グリセリンは上品な甘味を有し、醤油の味を良くします。
従って、丸大豆醤油は重厚な風味とまろやかな特徴があります。
また熟成中にできたできた香りの成分がしょうゆ油に移行するためマイルドな香りになります。

脱脂加工大豆

脱脂加工大豆は戦後、大豆の油脂分を事前に取り除き加工された醤油の原料です。メーカーが大豆から事前に取った大豆油を食用として活用することを考えたからです。現在市場に流通している醤油の80%は脱脂加工大豆です。
脱脂加工大豆を使った醤油も麹菌や酵母を使う為、グリセリンはあるものの少ないため、グリセリンへ移る香り成分の成分が少ないため、強い香りが保持されます。旨味成分である窒素が丸大豆で作った醤油より高くなります。脱脂加工大豆醤油は旨味の強いシャープなキレのある香りが特徴です。
脱脂加工大豆は丸大豆で作った醤油よりも安く短期間で作れるといったメリットもあるようです。

丸大豆、脱脂加工大豆の両方とも食塩分は一緒です。

私は脱脂加工大豆を使った醤油は自宅では使用していないですし、外食でもそこまで醤油を意識して使っていないので分かりません。ただ、どちらの原料かは分かりませんが、この「お醤油は美味しい」とか「美味しくない」と感じることはありますが。

国産大豆の割合

醤油に使われる大豆18万2千トンだそうです。その中で使用される国産大豆の割合は6,100トンと僅か3.4%となります。
国産大豆はほぼ丸大豆に使用され、脱脂加工大豆はほぼ輸入と考えて良いと思います。
このように国産大豆を使用している醤油が少なり理由は、国産大豆の収穫量が少ない(令和元年18万トン 農林水産省資料)上に大豆をそのまま食べる納豆、煮豆等に優先的に使用されるからだそうです。

それなに必要なら大豆の生産を増産すればよいと思うのですが、輸入大豆の方が価格が安いですからですかねぇ~
大手醤油メーカーの醤油は2~300円と安く、消費者が安いものを望めば、自給率や食の安全性より価格なのでしょうか。

ちなみに国産大豆を使用した場合は「大豆(国産100%)」と表示する事になっています(%は省略可)。

醤油の大豆と小麦のアレルギー

食品衛生法では小麦は表示義務のある7品目の一つであり、大豆も表示推奨品目のある20品目の一つとなっています。
醤油業界では量の多寡を問わず記載しているそうです。

この表示は原材料にアレルゲンとして使用されていること示しているだけで完成品にそのアレルゲンが残っていることを示しているわけではないそうです。

アレルゲンはタンパク質の一種だそうで、小麦にも大豆にも10種類のアレルゲンが含まれているそうです。
醤油づくりの工程で大豆は蒸し、小麦は炒ることによって加熱するので、含まれているたんぱく質は酵素で分解されやすくなります

この分解されやすい状態で、麹菌が生産する大量のたんぱく質分解酵素で発酵、熟成されることによってアレルゲンたんぱく質も分解されてしまいます。

これによって、醤油から小麦の主要なアレルゲンが検出されなかったり、大豆についても、きあげ醤油状態で僅かに検出されても火入れによって検出されなかったという報告もありようです。

それに伴い2014年の厚生労働省の「食物アレルギーの診療の手引き」で

除去不要

となっているそうです。2014年版でなくて2017年版でも同様の表記だったのでリンク貼り付けておきます。(データの18ページ・PDFの24ページ) 

アレルゲンのたんぱく質も分解してしまう麹菌パワー恐るべしですね!

今日は醤油に欠かせない大豆に関して投稿しました。大豆にはタンパク質をはじめ、脂質、糖質、ビタミンB1、ビタミンE、葉酸、カリウム、マグネシウム、カルシウム、リン、鉄、亜鉛、銅など、栄養素の種類がとても豊富です。

醤油でも良いし、納豆でも良いし、他の食べ物でも良いと思いますが

一日一大豆

大豆生活を始めるのはいかがでしょうか?

最後は日本豆類協会の回し者みたいな締めになってしまいました💦
ちなみに我が家は一日最低一回は味噌汁を飲んだり、納豆を食べたり、醤油を使うように意識しています。

今までの醤油に関する投稿はこちらからご覧になれます。

醤油の種類について

醤油の製造法について

なま醤油と生(き)じょうゆ

減塩醤油について

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう!次回もお醤油について掘り下げたいと思います。
明日も皆様にとってよい一日になりますように!

#未来志 #未来史 #noteのつづけ方 #自分にとって大切なこと #国産大豆 #輸入大豆 #丸大豆 #脱脂加工大豆 #大豆アレルギー #小麦アレルギー #醤油麹 #しょうゆ麹

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