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井田幸昌展に行ってきました。素敵すぎる!

井田幸昌展「Panta Rhei | パンタ・レイ − 世界が存在する限り」に行ってきました!

というわけで、今回は展覧会で感じたことを書こうと思います。

力強くて、色鮮やかで、とってもかっこいい!

でも、もちろんそれだけではなく、どこかグロテスクな部分を持っていると思う。それはホラー映画のような目を塞ぎたくなるものではなくて、人間らしくてとても安心する不気味さ。心の中のものと共鳴しているみたい。だから、見惚れたのだと思う。

ポートレート画。形が曖昧で、どこがどのパーツなのか分からないものも。周りの空気感と一体化しているよう。美しく、それでいて不気味。

形が曖昧だからこそ、その人が抱えてきた思いだったり、一瞬の感情だったり、内側のエネルギーが伝わってくる。時の流れの中にいる私たちは、きっと本来はこんなふうに曖昧で、ハッキリとした形なんて持っていないのだろうと思った。


これは「大いなる自然」を表現しているとのこと。この部屋が一番好きだった。

人工物はキレイな直線とか曲線とか、分かりやすく形が整っている。けれど自然物だって形が定まっているわけで、普段はそれを見て美しいと思ったり、感動したりする。でも、そんな決められた形の中からでは出られない、美しさやエネルギーがあると思う。それぞれの内に秘められた、形にとらわれない「美」を知ることができた。

形がハッキリしすぎているから、私たちはいろいろなものを抱え込めてしまう。もっと形が曖昧なら、思いっきり手を伸ばして、自分の考えとか感情とかを遠くに飛ばせる、伝えられる。そんな気がした。


日々、この世界は当たり前のように変わっていく。それなのに、変化を怖がってしまう。たとえ「変わりたい」と願っても、今の形を保ちたいと思う。

でも、思いをしっかりと伝えたいなら、変わっていくことを愛おしく思えないと。時間を止めて、形を決めて、自分の内側を閉じ込めてはいけないと思った。


以上です! それでは、また。

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