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これからの教師は、なぜ【生産性】を意識して働かなければならないのか?

こんにちは!いちろう@アラサー教師です。


今回は、これからの教師がなぜ「生産性」を意識して働かなければならないのか?について考えてみました。

3000字を超えるボリュームになってしまいました。時間がないという方は、ぜひ、目次の最後の「まとめ」だけでも読んでもらえるとありがたいです。



なぜ、「生産性」か?


さて、なぜ「生産性」をテーマにしたかと言いますと。

先日、以下の記事の最後に「自分が読んだ本をまた紹介します」と言ってしまったことがきっかけです。



どの本を紹介しようかな、と自分の本棚やノートを見返していると、伊賀泰代さんの「生産性」という本が出てきました。



ノートのメモを読んでいると、この本からの学びが、今の自分の考え方のベースになっている部分が多いことに改めて気づくことができました。


本記事では、この本から学んだことを受けて、「生産性」について、自分が考えたことを書いてみたいと思います。



「生産性」とは?


まず、生産性とは何でしょうか。

伊賀泰代さんの「生産性」という本にはこのように書かれています。

生産性 = (得られた成果)/(投入した資源)

ここで、(得られた成果)=(アウトプット)、(投入した資源)=(インプット)とすると、

生産性 = (アウトプット)/(インプット)

とも表すことができます。

「インプット」とは、読書などによる「知識注入」の意味で使われることが多いですが、このように「投入した資源」という意味でも使われます。

個人レベルにおいて、「投入した資源」とは労働時間の投資がメインとなります。

以上から、「生産性」を向上させるためには

① アウトプットを増やす

② インプットを減らす

以上の2通りが考えられます。


それでは、なぜ「生産性」を意識して仕事をしなければならないのでしょうか?

それは、

生産性を上げることによって、余裕時間を生み出し、それらの時間をワークライフバランスの向上やイノベーションのために投資する

ためです。

イノベーションのために必要なものは、「時間」と「モチベーション」です。これらは余裕時間から生まれます。余裕時間を生み出すために、特に定型的な作業(ルーティン業務)をいかに効率よくこなすか、が重要になるということです。



「教師の仕事」と「生産性」


さて、教師の仕事と言われて、何が思い浮かぶでしょうか?

授業、クラス担任、進路指導、生徒指導、部活指導、行事・・・

これら、実はほとんどがルーティン業務と言えます

どういうことかというと、毎年、学校での行事のスケジュールはほとんど同じです。また、授業内容や進度も変わりません。つまり、年単位でやらなければならないことはほとんど決まっているのです。

そういう意味では、教師の仕事の自由度は意外と少ないと言えます。

(もちろん、授業は創意工夫を凝らします。ここに一定の自由度が存在します。しかし、当たり前ですが、授業は教科書の内容を抜け漏れなく指導しなければなりません。)


学校での多忙の要因は、勤務時間内に終えることができないような、莫大なルーティン業務の存在と考えることができます。


教師が「生産性」を向上させるためには、このルーティン業務をいかに短時間で片づけられるか(つまりルーティン業務のための時間的インプットをいかに減らすことができるか)が重要であると思います。

教師という仕事は、1年目もベテランも、業務内容がほとんど変わりません。担任するクラスはどちらも1クラスですし、クラス内の人数も同じです。

授業のコマ数や、仕事の分担も一般的には平たく分担されています。

初めの数年は、仕事を覚える段階なので、ベテランよりも相対的に時間がかかってしまうことは仕方がありません。

(この段階で、身体的・精神的につまずいてしまう教師も少なくありません。2〜3年目で、ベテランと同じ量の仕事を任されているのですから、仕方ありません。現場のサポートが必要不可欠です。)


若手が「生産性」を意識した働き方をするためには、まず、ルーティン業務の型を身につけることが必要です。そして、その傍ら、何がルーティン業務なのか(定義)、優先順位づけ、時短を意識することが重要です。

そして、時間的インプットを減らすことで、「生産性」を向上させることができると考えられます。

(教師が「生産性」を意識する、というと、機械的に生徒に接するのか?と解釈される方もいるかもしれませんが、これは違います。生徒との関わりは有機的なものです。何がルーティン業務で、何がそうではないのか、の定義が重要だということです。)


Twitterの教員アカウントで「定時退勤報告」がよく見られますが、定時退勤できる先生方は、ルーティン業務を勤務時間内に終えることができていると言えます。つまり、同じ仕事に対して「時間的インプット」が少ないので、生産性が高いと言えるのではないかと思います。



イノベーション創出のための「生産性」


学校という職場には、前例主義という文化があります。

民間企業では、前年の事例と比較して「何が違うのか」が重要になります。現状維持は市場においては衰退を意味するからです。

しかし、学校には「去年うまくいったのに、なぜ変えなければならないのか」という価値観があります。

・・・しかし、学校も変化に適応しなければならない時代になりました。


そのためには、イノベーション創出(前年と異なる新しい価値の創出)の時間が必要になります。

日々のルーティン業務(こなすだけでいいもの)について効率的に時短をし、余裕時間を作る。そして、「時間」と「モチベーション」を確保し、イノベーション(例えば、新しい価値を取り入れた授業、ICT機器の導入、学級経営の改善など)に取りかかる、ということです。

「生産性を上げる」という視点がないと、前例主義・前年踏襲が続きます。すると、日々のルーティン業務に勤務時間を圧迫され、「時間」「モチベーション」が少なくなり、イノベーションの幅が小さくなります。


そもそも、教師という仕事は、何が仕事のヒントになるかわかりません。街を歩いていて、得られる気づきがあったり、ドラマから使える言葉を得られたり。

余裕時間がないと、インプット(知識注入の意味)の質が低くなります。質の低いインプットからは、質の低いアウトプットしかできません。

何か新しいことをしようとしなくても、「何もしなくていい時間」を意識して作ることで、ルーティン業務に埋もれて気づけなかった価値に気づくことができるようになります。


要するに、学校が現場レベルで変わるためには、個々の教員が「生産性」を意識した働き方をすることが必要だと言えます。



まとめ


さて、今日の記事では、伊賀泰代さんの「生産性」という本から得られた気づきを、教員の世界に当てはめて考えてみました。

教師という仕事は、意外と定型的な仕事(ルーティン業務)が多いと言えます。

この日々のルーティン業務に勤務時間を圧迫され、新しい取り組みのための時間が取れていないという現状があります。

この現状を改めるためには、日々の「ルーティン業務」を効率よくこなすことによって(=生産性を上げることによって)、余裕時間を作り出すことが必要です。

イノベーション(改善、新しい価値の創出)には「時間」と「モチベーション」が必要。

「余裕時間を作ることで、イノベーションを創出し、さらに仕事の質をあげることができるようになる」

以上のような正のスパイラルを生み出すことができれば、そのような先生は、どんどん成果をあげることができるのではないかと思います。


(偉そうに言っていますが、自分はまだまだ・・・です。笑)


今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました!

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