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頭の中のコントロール・ルーム

新年あけましておめでとうございます。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
本年もiCHiをどうぞよろしくお願いいたします!

そんなこんなで新しい一年のスタート。
「一年の計は元旦にあり」と言うけれど、皆さんはこれからの計画を立てただろうか?私はというと元旦じゃ遅すぎたので早々に年末から立てていた。
計画を立てながら年の瀬に去年のことを振り返ると、まあそれはそれは濃いものばかりで3年分くらいの濃密さだったのだが、その中でふと気づいたことがある。

「私、今年一回も病んでない!」


という事だ。

私はかつて感情を突き動かされる事があると専らその感情にめり込んでしまうタイプだった。
それは今の表現の活動に良い面で活きているように思うけれど、どちらかと言うと昔は悪い側面の方が目立っていた気がする。、いや、気がするというよりそうだった。
これまではすぐ物事を悪い方向に捉えて勝手に落ち込んで、どんどん病んでいくということが1年間に数回はあったのだが、昨年はそれが一度もなかった。
「この一年良いことしかなかったからやないの?」と思われる方もいるかもしれないが、決してそんな訳ではない。家族や知人の事で現実に向き合わなければいけない事もあったので悲しいと思うことはあった。でも、ただ堕ちていくような方向にはいかなかった。

何度かエッセイにも書いてきたけれど、私は本来争いごとが好きではないので穏やかに一人で好きなことをしていることがほとんどだ。でも自分の心の中の大事な領域が侵された時には平静を保っていられなくなる瞬間がある。
小学校の頃から幾度となく相手に蔑まれたり嫌なことをされた事もあったけれど、そんな時に怒りや悔しさから普段は自分の内から絶対出てこないエネルギーに任せて動いてしまっているのだ。

ただ稚拙で自分で書くのが恥ずかしいのだが、もう時効なので色々例をあげてみようと思う。
たとえば・・・


小学校高学年の時には親戚のやんちゃ坊主があまりに気に触る事ばかりしてきたので、その子のポケモンのゲームのセーブデータを完全に消した上にしっかりレポートまで書いて呆然とさせてしまうみたいな事。(今思えば最悪以外のなにものでもない…)
中学生あたりからは、いじめの経験で体育と球技に拒絶反応があったのだが、体育の授業に頑張って出席してもみんなに疫病神扱いされたり、テストも上手い人だけが加点されるのにただエネルギーが削がれていくだけなのに嫌気がさし直談判で先生に申し出て、口論の末にレポートを規定枚数書く代わりに見学と保健室に行く事で乗り越えた時代もある。(状況を理解してくれた先生方にはただただ感謝だ…)
高校生の時も電車内で爆睡しているにも関わらずちょっかいを掛けてきた大学生三人組に対して舌打ちしてガンを飛ばしたり、大学生の時は吹奏楽団に居た自分の主張を押し通そうとする苦手な先輩に強い言葉を投げられて突発的に尖った言葉で反抗したりと、今思えばよくそんな事ができたなあというようなエピソードがさらっと思いつく限りでもこんなにある。

よくある喧嘩がない代わりに行き過ぎた口論や行動に出てしまうのが悪いところで、今思い出しても恥ずかしいものだ・・・。怒りのバロメーターが0か100しかないから、丁度いいができないんだろう。なので普段の大人しさしか知らない人を度々驚かせてしまう事があったのだが、その節はおさわがせしましたと謝りたい。
でもそういった色々を経て社会に出てからやっと自分のコントロールが効くようになってきた。

感情のままに動いている当時は、昂ぶっている時にやるだけやっておいて後で反省や後悔をすることが散々あったので自分でもうんざりしていた。
そういった気づきの中で少しずつ改善点を見出してきたわけだが、何より自分を俯瞰して見られるようになった事が大きかったなと思う。行動しながらもその自分を頭上のカメラから監視している感覚。もう一人の私が頭の中の管制塔から見張って指示を出してくれているような、そういう層のようなものを作る事で次第に己を制御して危なっかしい発言をする事も無くなっていった。

とはいえ勿論今も、イラっとしたり悔しい気持ちになる事はある。でもそれを放つのは表現をする時にとっておいて、普段は心の中で抱いた気持ちをいろんな角度から眺めるようにしている。そうすると原因だった事とか相手に対して不足していた情報について色々と推測ができるるようになった。
相手は直前に誰かと喧嘩していたのかもしれない。体調が悪いのかもしれない。自分のこの発言がいけなかったのかも・・・とか、色んなパターンを考えていると決してその人が悪いと思わなくなるし、理解してみようという方向へシフトするようになった。

自分の気分をコントロールするのはなかなか難しいものだ。それぞれ育ってきた環境や持っているものも違うから、コントロールするために必要なものも違う。
自己肯定感を高めるとか、コミュニケーション力を高めるとか、そういう類の謳い文句の本やセミナーなんかもあるけれど、結局それは自分の中の選択肢の一つにしかならないのでそれが全てだと思い込んでしまうと逆効果になってしまいかねない。
だから最終的に自分のことを一番よく知っている自分に聞くのが手っ取り早い。なりたい自分になれる方法をよくわかっていると思う。

独りでいる時に頭の中のもう一人の自分に「私ってどんなくせがあるの?」「いつめんどくさがる?」「どんな人が苦手?」とか事あるごとに聞いてみほしい。受け入れたくない答えが返ってきたり、言いだすのを渋ったりするかもしれないけれど、待てばちゃんと答えてくれるんじゃないかなと思う。

計画をせっかく立てても、周りや自分の気分に流されてせっかく出来たはずの事をやらないのは勿体ないから。ちょっとでも右肩上がりな日々が送れたらいいなと思う。


どうか皆さんの1年も思い描いた理想に少しでも近づくものになっていますように。

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読んでくださりありがとうございます。 少しでも心にゆとりが生まれていたのなら嬉しいです。 より一層表現や創作に励んでいけたらと思っております。