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こだわりを持って

 皆さんは本は好きだろうか。色んなタイプの人がいると思う。小説を読むのが好きな人もいれば、漫画ならいくらでも読める人、新書やエッセイを読んで考えることが好きな人とかもいれば、そもそも読むのが苦手な人もいる。本当に人それぞれだ。
 ただ本に限ったことではないけれど、自分の好きなポイントさえ見つければ何でも楽しめるようになるんじゃないかなとは思う。

 いつの日だったか忘れたけれど、小説を読むのが好きな友達と自分の好きな物語の傾向について話したことがある。
 最近面白かった本のこととかをその子とはよく話すんだけれど、その中でも本を読むときに何を重視しているのかというトークになった時があった。
 
 お相手方は物語を読む時は、文字から読み取れるその部屋や街の情景とかその場面の空気感とかを美しさとして楽しんでいた。
 対して私は、人間という存在が好きなのでどちらかといえば周りの情景よりも、登場人物の人としての面白さを楽しんで小説を読むことがほとんどなのだということに気づいた。
 そういう風に好きだというツボにはまるものは何かしらの共通項がある。

 だから友達の話を聞いていると普段は気づかないけれど「ああ確かに、そんな素敵な楽しみ方もあるよな」という観点にも気付かされるし、自分の観点も浮き上がってくるので尚更楽しい。
 私のよく読む小説にはとりわけインパクトの強い人間や癖が強い人間が登場する。自ずと周りの些細な空気感たちがより登場人物のオーラを一層引き立たせているから話が展開していくのも楽しい。読んでいるときは全く意識していないけれどやっぱりこういう好みは無意識に選んでいるんだろうか。 

 こんな風に人には好き好きがあって、生きていけばいくほどだんだん好みの条件も絞られていく。それが重なっていくと自分のライフスタイルにも影響してくるのかもしれない。少なくとも私はそうだ。
 自分の好きな主人公だったり、好きな作家さんは、自分もこうやって生きてみたいと思わせてくる人ばかりだから知らぬ間に意識していたりする。
 
 ダンスやイラストだってそうだ。私は汗だくで踊っているより、すっと顔色変えずにでも心のうちの炎が見えるようなダンスの方が好きだし、流線が続く踊りよりもしっかり角があるポージングの連続のようなものの方が好きだったりする。
 イラストも清純なものより皮肉が効いているものの方が好きだったり、整えられすぎたものよりも遊び心や力強さみたいなものが見えた方が好きだ。音楽だってありきたりなものよりちょっとひねりが効いている方がいい。

 これが正しいとかはなくて、楽しみ方は人それぞれなのだ。作り手だって受け手の意見からフィードバックしたものの中に自分が作った時には意図しなかった新たな発見だってあるし。表現は色んな考え方が生まれるから楽しい。
 だから私もいろんな人と話したいし、いろんな人の考え方にもっと驚いたり、感動したいと思っている。

 こんな性格だからいつまで経っても自由奔放だし、お堅い人には受けが悪いんだろうなと思うんだけれど、それでいい。そういう人間として私は存在していたい。
 この頑固さだっていつまでも変わらない気がする。

 自分のこだわっている点は人から何を言われても大切にして生きていたい。


読んでくださりありがとうございます。 少しでも心にゆとりが生まれていたのなら嬉しいです。 より一層表現や創作に励んでいけたらと思っております。