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~第173回~「スサノオノミコトと鉄の話」

武蔵一宮氷川神社の主祭神・スサノオノミコトの神話で最も有名なものは「ヤマタノオロチ退治神話」です。 『日本遺産ポータルサイト』の「出雲國たたら風土記」のページには、

『砂鉄採取の影響で氾濫する川になぞらえ、退治したオロチから取り出された剣を製鉄の象徴に、イナタヒメは砂鉄採取の跡地に拓かれた稲田に見立て、「たたら製鉄の歴史」と重ね合わせながら語り継がれてきました。』

と紹介されています。 この「たたら製鉄」は日本独自の技術で、現在は出雲地方にのみ伝承されています。

砂鉄と木炭を用いる鉄づくり「たたら製鉄」は『出雲国風土記』(8世紀)に記録が残っており、古くよりこの地域に鉄文化が存在したことを示しています。 さて、話をヤマタノオロチに戻します。

古事記には、頭が八つ・尾が八つ・谷を八つ渡るほどの体で、その表面にはコケや杉が生えており、腹は血で真っ赤にただれていて、目はほおずきのようだ…とあります。

正直、どんな姿か想像しがたいオロチですが、スサノオに退治された後、その尾から出てきたのが、のちに三種の神器の一つとなる天叢雲剣(草薙剣)です。

スサノオによるオロチ退治神話は、オロチと鉄(剣)が深い関係にあったかもしれない、スサノオが出雲地方の鉄文化に関わりがあったかもしれない…と古代に思いをはせることができる神話なのです。 その一方でヘビは古くから水神の化身と考えられてきました。

スサノオの妻になるイナダヒメは「稲」と「田」を表すような御名前です。

そのためこの退治神話を「氾濫を起こす水の神から田を守る神話」とする説もあります。 出雲地方の鉄文化の誕生にも関わりを感じるスサノオは日本の樹木を生んだ神でもあります。

鉄(剣)や樹を生みだし、田んぼを守った…スサノオノミコトは私たち日本人の生活に深く関わる神様であることを、後世に大切に語り継いでいきたいですね。 〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕


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