~第203回~「昭和祭」
武蔵一宮氷川神社では、4月29日に「昭和祭」を斎行し、昭和天皇の御乾徳を仰ぎ奉ります。
昭和の時代は「天長節(天皇誕生日)」として、平成以後は「みどりの日」とされておりましたが、平成19年(2007)に「みどりの日」から「昭和の日」と制定されました。※現在「みどりの日」は5月4日
昭和祭が近づくと、昭和天皇の御製を思い出す方も多いでしょう。
昭和天皇は昭和8年(1933)の歌会始で 「天地の神にぞ祈る朝なぎの 海のごとくに波たたぬ世を」 と、世の太平を祈って詠まれました。
朝の海が、鏡のように静かでおだやかなように、今の世の中も平和で争いのない世界になりますように…という御心をお詠みになったものです。
このお歌をもとに宮内省楽長の多忠朝氏が作曲振付をされ、現在でも全国の神社で奉納されているのが『浦安の舞』です。
「日本書紀巻第三 神武天皇三十一年夏四月」に「日本者浦安國(やまとはうらやすのくに)」とあります。
浦安とは、心安らぐ平安な国の意味。
この言葉に込められた古代からの想い、そして昭和天皇の想い。
それは現代社会に生きる私たちも胸に抱く平和への祈りです。
〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕
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