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香港アートブックフェアで「進化する編集」について考える(その1)/一日一微発見465
香港の現代美術館Tai Kwan Contemporaryは、このあいだまでブルース・ナウマンの個展をやっていたことが示すように、エッジな美術館だ。
美術館自体はM+のようには大きくない。しかし、監獄を改造したヘルツォーク・ド・ムーロンの建築もあいまって、小粒だが、実にカッコイイのである。
そこを会場にして、香港アートブックフェアBOOKEDが開催されるようになって今回で6回目にあたる。僕がやっ
70才の誕生日会GOTO70返礼品 僕の「編集」を作った音楽のプレイリスト/一日一微発見464
70歳になった。
ドタバタした「編集人生」だけど、意外なほど自分が元気なことに、やっぱり感謝です。
出会いに感謝、神様に感謝、皆様に感謝。
生まれてきたことに感謝、今生かされていることに感謝。
そう、誕生日は祝祭日なのだ(沖縄の予祝という考えも好きだ)。
8月16日の誕生日をはさんで、大阪と東京で2回誕生会が行われた。大阪の前夜祭は僕がしきって、東京は大学院OBOGとスーパースクールA&Eメンバ
林田真季『Wondering Guide: A Wonder-Land on Ecology and Society 』/目は旅をする089(風景と人間)
林田真季『Wondering Guide: A Wonder-Land on Ecology and Society 』
(G/P+abp刊)
20年ほど前に、大阪港の埋め立て地「夢洲」で、野外アート展をプロデュースしたことがある。
それは大阪にオリンピック(万博ではない)を招致するための、さまざまなプログラムの一環であり、ちょうど僕はキリンプラザ大阪(KPO)という現代アートセンタープログラム
再度、ヴェネツィア・ビエンナーレを中沢新一『構造の奥』から考える/一日一微発見463
今年の第60回ヴェネツィア・ビエンナーレは、アドリアーノ・ペドロサのディレクションのもと「Foreigners Everywhere」をテーマに、グローバルサウスからの立場から先住民、クィア、アウトサイダー政治的抑圧者たちをクローズアップした画期的なものだった。
また、プレモダン、モダン、ポストモダンの作家たちを横断的にエデットするキュレーションは、一見カオスにも思えるが、よく見ていくうちにきわ
「日本現代美術私観」展/高橋龍太郎コレクションの提起すること/一日一微発見460
見終わって、これは「特別」に重要な、クリティカルな展覧会だと思った。
高橋龍太郎さんは1946年生まれだから団塊の世代にあたり、彼自身も学生運動を強く体験し、その「闘争」体験を経て精神科医となり、1990年代の半ばからは、現代アートコレクションを始めた方である。コレクションの総数は3500点におよび、今回の展示にはそこから選ばれた(都現美のキュレーターの藪前さんと相談され、選定されたのだろう)1
コンテンポラリーアートは今、確実に「庭とアート」に向かっている/一日一微発見459
95才の草間彌生や91才のオノヨーコをイメージするとわかりやすいと思うが、コンテンポラリーアート・ワールドの明確な「トレンド」は、時代を切り拓いてきた高齢のパイオニアのフィメール・アーティストたちの再評価、リスペクトの波である。
日本でも森美術館で片岡真実さんのキュレーションで「アナザーエナジー」展が行われたことは記憶に新しい。
今回の旅でも、85才のジュディ・シカゴの回顧展をロンドンとアルルで
『I’m So Happy You Are Here: Japanese Women Photographers from the 1950s to Now.』/目は旅をする088(写真の未来形)
『I’m So Happy You Are Here: Japanese Women Photographers from the 1950s to Now.』(Aperture刊)
レスリー・A・マーティン、竹内万里子、ポーリン・ヴェルマーレによって企画された写真集『I’m So Happy You Are Here』は、26 名の、日本人女性の写真家をとりあげた重要な写真集/著作であり、その
全ての生活は旅である/一日一微発見455
閑話休題!
今、リヨン駅のスタバにいてこれを書いている。
きのうの午后にアルルから列車で移動してきて、リヨンについてブション(食堂)に行って、うまいメシとパスティス、ジュラ産のワインをのんでアパートメントへもどって爆睡した。
リヨンには特別の用はなく、アルルからジュネーブへの旅の途上の途中下車。
しかし、リヨン駅前の高層ビルがまさかの宿だった。14階の、それも何とテラスに出れる恐怖の部屋だが、
アイザック・チョン・ワイ『FALLING REVERSELY』/目は旅をする086(人間の秘密)
アイザック・チョン・ワイ『FALLING REVERSELY』(ziberman刊)
2024年のヴェネツィア・ビエンナーレのアルセナーレの会場は、3回ぐらい行き来して見直してみたけれど、一番印象的だったのは、パフォーマンス映像を複数の縦画面の大きなモニターで見せていた、香港とベルリンをベースに活動するアイザック・チョン・ワイの作品だった。