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『I’m So Happy You Are Here: Japanese Women Photographers from the 1950s to Now.』/目は旅をする088(写真の未来形)

『I’m So Happy You Are Here: Japanese Women Photographers from the 1950s to Now.』(Aperture刊)

レスリー・A・マーティン、竹内万里子、ポーリン・ヴェルマーレによって企画された写真集『I’m So Happy You Are Here』は、26 名の、日本人女性の写真家をとりあげた重要な写真集/著作であり、その展覧会を 2024 年のアルルの国際写真フェスティバルで見ることができた。

また、フェスティバルが主催する 2024 年「ウーマン・イン・モーション」フォトグラフィ賞を石内都が受賞し、その展覧会も開催されている(ちなみにこの賞が 2019 年に設立されて以来、日本人の受賞は初めて)。

長くなるが「I’m So Happy You Are Here」展のメンバーをすべて記しておきたい。

原美樹子(1967― )、HIROMIX(1976― )、石川真生(1953― )、石内都(1947― )、片山真理(1987― )、川内倫子(1972― )、小松浩子(1969― )、今道子(1955― )、長島有里枝(1973― )、楢橋朝子(1959― )、蜷川実花(1972― )、西村多美子(1948― )、野口里佳(1971― )、野村佐紀子(1967― )、岡部桃(1981― )、岡上淑子(1928― )、オノデラユキ(1962― )、澤田知子(1977― )、志賀理江子(1980― )、杉浦邦恵(1942― )、多和田有希(1978― )、常盤とよ子(1930―2019)、潮田登久子(1940― )、渡辺眸(1939― )、山沢栄子(1899―1995)、やなぎみわ(1967― )であった。


また、別企画ではあるが、KYOTOGRAPHIE と連動したグループショー「TRANSCENDENCE」も同時開催。

6 人の日本人女性写真家たちは、細倉真弓(1979― )、岩根愛(1975― )、岡部桃、鈴木麻弓(1977― )、殿村任香(1979― )、吉田多麻希(1975― )である。

2024 年のアルルは、日本の女性写真家の世界を、個々に深くとりあげた画期的な年として記憶されることになるだろう。

「これはひとつの事件です。この事件を見てください。しっかりとご覧になってください」と石内都さんは言った。「ウーマン・イン・モーション」の受賞会場となったアルルの古代劇場は、野外劇場だが、その会場はいちばん上の席まで満員だった。

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